培養肉

アイスランドORF Geneticsが大麦由来の低コスト成長因子を開発、培養肉の生産コスト削減を目指す

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アイスランド・ORF Geneticsの技術によって、今後数年のうちに培養肉の商用化が大きく進むかもしれない。

培養肉は、動物から採取した幹細胞を増殖させて作られる肉のことをいう。

培養肉は幹細胞を培養して牛や豚の肉を「研究室」で作るため、畜産による環境負荷、倫理面の問題を解決できると世界的に開発が急ピッチで進んでいる。

培養肉の生産プロセス 出典:Animal Agriculture Alliance

しかし、大豆などのプロテインをもとにつくる代替肉と比べて、培養肉はまだ商品化されていない。その理由は、生産コストが高いためだ。

培養肉をつくるには、培地、血清、成長因子が必要となる。成長因子は幹細胞の増殖と分化をコントロールする役割をもつが、成長因子のコストが非常に高いことが障壁となっている。

この問題の解決に取り組むのが、アイスランドのORF Geneticsだ。

同社が製造するMESOkineは培養肉製造に特化して作られた大麦由来の成長因子

他社成長因子の50%~60%安い成長因子になると予想されている。培養肉開発でコストが最もかかる成長因子を低価格にできれば、培養肉生産のスケールアップが実現する

MESOkineの成分は大麦だ。

出典:Will COVID-19 change our relationship with meat?

ORF Geneticsはアイスランドのレイキャネス半島に2000㎡の温室を有している。この温室では、軽石を使う水耕栽培を行っており、13万の大麦を栽培している。

これまで培養肉に使われていた成長因子はウシ胎児血清由来のもので、コストがかかる原因となっていた。

同社のMESOkineは、クリーンな温室で作られた大麦の種由来の成長因子で、「費用対効果が高く、大量生産が可能」だという。

培養肉ができるまでのフロー図 出典:ORF Genetics

ORF Geneticsは、牛、豚、鳥用に開発したMESOkineの試験を2021年後半に開始する予定。競合他社と比較して、50%~60%のコストダウンにつながり、今後5年にはさらにコストダウンすると予想している。

培養肉のパイオニア・モサミートは、動物フリーな培地を開発することで、80%以上のコストダウンに成功しているが、培養肉を大量生産し、市場投入するうえで、成長因子は依然としてコストの高い成分となっている。

ORF Geneticsの成長因子は、産業全体のコスト削減に寄与すると期待される

ORF Genetics共同創業者のBjorn Orvar 出典:Will COVID-19 change our relationship with meat?

培養肉開発のコスト削減に取り組む企業はORF Geneticsだけでない。

ブリュッセルを拠点とするTiamat Sciencesは、植物由来の分子農業技術を用いて低価格な培地、成長因子やタンパク質を製造している。

同社は自社技術のライセンスを他社へ供与予定で、すでに細胞農業企業6社と提携している。2040年までに培地市場のシェア半分を獲得することを目標にしている。

日本初の培養肉ベンチャー・インテグリカルチャーは、発想の大転換を図っている。高コストな成長因子を外から添加するのではなく、人間の臓器を模倣するバイオリアクタで「臓器に成長因子を作りだしてもらう」手法を開発した。

 

参考記事

Will COVID-19 change our relationship with meat?

Iceland Co Using Barley To Make Affordable Growth Factors For Cell-Based Meat

Tiamat Sciences – Using Plants in Place of Bioreactors to Meet the Future Needs of Cellular Agriculture

 

アイキャッチ画像の出典:ORF Genetics

 

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