このニュースのポイント
●在庫管理ロボットTallyの新型が登場
●70cm以上離れた場所からデータの読みとりが可能に
●認識精度は99%
●データ処理性能を強化、シームレスな在庫状況の確認が可能に
●在庫切れ検知率は手動の10倍以上
●在庫切れ商品が平均20%減少
Simbe Roboticsは最新の在庫管理ロボットTally3.0を発表した。
Tally3.0はスーパーなど店内を巡回して商品の状態を確認したり、配置ミスを見つけたりするロボット。営業中も買い物客や従業員を避けながら安全に巡回できる。
現在はカルフール、デカトロン、Schnucksやジャイアント・イーグルをはじめ、米国、欧州、中東、アジアの250の小売企業に配置されている。
新型となるTally3.0では光学センサーをアップグレード、耐久性と操作性を改善したほか、深度センサーとRGBセンサーを搭載したインテルRealSenseデプスカメラを追加。
これにより、30インチ(76cm)離れたところからでもデータを読みとることが可能になり、速度を落とすことなく認識精度を99%まで高めることができた。陳列棚の一番上で過剰在庫になっている商品を見つけ出すことも可能だ。
さらに、コンピュータビジョンとAIアルゴリズムによる処理能力を追加することで、スタッフが在庫情報をより早く、シームレスに確認できるようになった。
コスト面も改善された。Tally3.0の1台あたり5000マイル(約8000km)以上の探査性能を備えるという。
コンサルティング会社が主力小売企業で使用効果を調査したところ、
●マニュアルによる在庫管理と比べ、在庫切れ検知率は10倍以上
●在庫切れ商品が平均20%減少
●データ改善により年売上高が2%上昇
という結果が得られたという。
新型コロナ発生以降、小売業は商品の在庫切れに悩まされている。
今でも多くの店では手動による在庫管理が行われている。ロボットであれば1日中、複数の陳列棚を見回ることができるため、正確な在庫情報を収集することで、特定の商品が突然売り切れても、タイムリーな補充が可能だ。
店全体の在庫管理に1週間かかり、精度が65%である場合、Tally3.0を導入すると1日に3回、99%の精度になるという。
在庫管理ロボット導入には、顧客対応、オンライン注文のピックアップ、衛生面の管理などほかの業務に時間をあてられるというメリットもある。
在庫ロボットを展開するのはSimbe Roboticsだけではない。
Bossa Novaのロボットは1000店舗のウォルマートに配置され、Badger TechnologiesのロボットはWoodman’s Marketsで使用されている。
Tally3.0の使用料金は1店舗あたり月額2000ドル(約20万円)~4000ドル(約40万円)。価格は導入店舗数によるという。同社はセンサーと製造プロセスを改良することで、さらにコストダウンしたいとしている。
参考記事
Simbe Robotics Announces New Tally 3.0 Shelf-Scanning Robot
Simbe Unveils Tally 3.0, The Most Advanced Autonomous Inventory Robot on The Market
Tally 3.0 inventory robot from Simbe includes improved optics, autonomy, endurance
アイキャッチ画像の出典:Simbe Robotics