このニュースのポイント
●インポッシブルフーズが開発中の代替ミルクをお披露目
●見た目も味も本物そっくりで、混ぜたり、泡立てたり、温めたりできる
●コーヒーに加えても分離しない
●2035年までに畜産を経済的に持続不可能な産業へ
●来年に研究チームを倍増
植物肉の代表的プレーヤー・インポッシブルフーズが代替ミルクを開発している。
先日開催された記者会見で、同社は大豆をベースとする植物性の代替ミルク「インポッシブルミルク(Impossible Milk)」を披露した。
インポッシブルミルクは見た目も味も本物そっくりな代替ミルクで、混ぜたり、本物の牛乳のように泡立てたり、温めたりできる。記者会見では、複数の植物性牛乳と本物の牛乳の横に、インポッシブルミルクを並べてデモンストレーションが行われた。
植物性の代替ミルクは通常、ホットコーヒーと混ざらないことが多い。写真左は他社の代替ミルクをコーヒーに加えたもの。二層に分離しているのがわかる。右はインポッシブルミルクをホットコーヒーに加えたもので、固まることなく混じりあっている様子がわかる。
インポッシブルミルクがスーパーに並ぶ日は未定だ。
CEOのパット・ブラウンは従来の食肉産業を「地球上で最も破壊的な産業」とし、2035年までに動物を使用する畜産の廃止を目指している。
言い換えれば、インポッシブルフーズは畜産を可能な限り早く、経済的に持続不可能なものにしたいと考えている。そのために、牛肉の中でも米国で最も販売量の多い牛ひき肉を選択した。畜産産業をぶち壊すためには、ひき肉から代替するのが手っ取り早いと考えたからだ。
牛ひき肉以外では、今回お披露目した代替ミルク、代替チキンや代替ステーキの開発にも取り組んでいる。特に消費の多い、牛ひき肉と牛ステーキ肉を作る必要があると考えている。
畜産産業の早期廃止を実現するために、記者会見では来年中に研究開発チームを倍増させる計画も発表された。今回お披露目されたインポッシブルミルクは、強化される研究チームが取り組むプロジェクトの一例として紹介したもの。
インポッシブルフーズは今月、香港とシンガポールの小売進出を発表したばかり。8月には2億ドル(約209億円)を追加調達している。今年1月には植物性の豚ひき肉もリリースした。販路を拡大するインポッシブルフーズだが、培養肉には参入しないことを断言している。
参考記事
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