アグテック(AgTech)

二酸化炭素からタンパク質を作るDeepBranchが約2億9000万円を資金調達、ゼロエミッションへ

2022年1月セミナーはこちらから▼

二酸化炭素から作ったタンパク質で動物飼料を生産するDeep Branchが220万ユーロ(約2億6000万円)の資金調達に成功した。

Deep Branchの主力技術は、単細胞タンパク質(single-cell protein)

単細胞タンパク質とは、酵母や細菌など単細胞微生物のタンパク質のこと。原料に糖類、デンプン、メタンなどを使い、微生物を培養して増殖させた細胞を、飼料として利用する。

Deep Branchの単細胞タンパク質Protonは、原料にメタンや糖類ではなく、二酸化炭素を使う。

簡単にいうと、「空気」から作ったタンパク質だ。

出典:Deep Branch

二酸化炭素から作るタンパク質は良いこと尽くしだ。

原料が産業排出された二酸化炭素であるため、投入コストをかなり抑えることができる。また、同社Protonから作られる動物飼料は、魚粉飼料に匹敵する栄養があり、カーボンフットプリントを90%以上節約できるという。

しかも、産業排出される二酸化炭素を原料とするため年間を通じて原料調達が可能だ。つまり、季節的な価格変動や供給変動がない

出典:Deep Branch

Deep Branchは調達した資金を、オランダを拠点とするBrightlands Chemelot Campusの生産施設建設に使う予定。2021年第二四半期までに稼働を開始したいという。

今回の資金調達の3ヶ月前には、総額2400万ユーロ(約29億円)の出資を受ける9のプロジェクトをイギリスが発表していた。これはゼロエミッション農業とイギリスの食産業を支援するもので、このプロジェクトの1つにREACT-FIRSTがある。

REACT-FIRST は2020年7月に始まったDeep Branchが主導するプロジェクトで、10のコンソーシアムが参加。

Protonのコスト、栄養価、カーボンフットプリント、消化性に関するデータを収集し、気候危機に取り組み、Net Zero(温室効果ガスの排出量を実質ゼロにすること)の達成を目指す。

「ヨーロッパでは、家禽や養殖魚には魚粉と大豆を飼料としていますが、これらは主に南アメリカから輸入され、環境に与える影響が小さくありません。当社は二酸化炭素排出量を90%以上削減できる、新しい、サステイナブルな動物飼料を開発しています」

とDeep BranchのCEO Peter Roweが語るように、魚粉代替飼料原料の開発が求められている

主な理由は、

●魚粉生産量が減少していること

●世界最大の魚粉輸出国ペルーが資源保護と価格安定のために漁獲調整しており、魚粉の増産は期待できないこと

●魚粉が1トンあたり1200~1500ドルと高価であることなどがある。

Deep Branchは2018年創業の、イギリス・ノッティンガムを拠点とするスタートアップ。今回の出資者はEuropean Innovation Council

イギリスで制定された2050年までに二酸化炭素排出をゼロにする法律の実現に大きく貢献する技術になるだろう。

 

参考記事

Deep Branch Secures €2.5M to Scale Up Production of Novel Protein Using CO2 Inputs

Animal feed made from recycled carbon secures £2.2 million funding

レポート|養魚飼料原料の多様化が創出する新たな事業機会と課題

養魚飼料原料の多様化が創出する新たな事業機会と課題

アイキャッチ画像の出典:Deep Branch

 

2022年1月セミナーはこちらから▼

 

***無料レポートプレゼントのご案内***

無料メールマガジンに登録いただいた方限定で、 

国内外の培養肉開発に取り組む企業をまとめたレポートを無料でお配りしております。

●全66社

●全15ページ

の無料レポートです。

登録は1分で終わりますので、ぜひこの機会にご利用ください。

メールマガジンにご登録いただいた方には、 週1~2回フードテックの最新ニュースをお届けしております。

↓↓↓↓↓

メールマガジン登録はこちらから

 

>> <<

関連記事

  1. 微生物でタンパク質を作るNature’s Fyndが約46億円を…
  2. パーフェクトデイが約390億円を調達、今秋にアニマルフリーなクリ…
  3. 細胞培養ソーセージを開発するNew Age Meatsが約28億…
  4. 肉屋出身者が立ち上げたIvy Farm|2023年までに英国で培…
  5. 塩水で作物を栽培するサウジアラビアのRed Sea Farmsと…
  6. シンガポールのSophie’s Bionutrien…
  7. チリのユニコーン企業NotCoが約259億円を調達、アメリカに続…
  8. ショウジョウバエで成長因子を開発し、培養肉のコスト削減に挑むFu…

おすすめ記事

スピルリナ由来の代替肉、スナックバーを開発するインド企業Naka Foods

インドのフードテック企業Naka Foodsは、スピルリナ由来の栄養スナックバー…

農作物の残り物を有用成分にアップサイクルするComet Bioが約24億円を調達

農業廃棄物をアップサイクルしてさまざまな成分に変えるComet Bioがシリーズ…

細胞を培養して人工母乳を開発するTurtleTreeが約6億3千万円を調達

このニュースのポイント●人工母乳を開発するシンガ…

BlueNaluがアジアへの培養魚販売に向けて三菱商事、タイ・ユニオンと提携

培養魚を開発するアメリカ企業BlueNalu(ブルーナル)が、三菱商事、アジアの…

韓国の培養肉企業SeaWithは2022年末までにレストランでのテスト販売を目指す

韓国のスタートアップ企業SeaWithは、2022年末までに培養肉のテスト販売を…

草食動物の腸内細菌で代替タンパク質を開発する米SuperBrewed Food、今年中にビーガンチーズの市販化へ

アメリカ企業SuperBrewed Foodは、今年中に微生物発酵により開発され…

Foovoセミナーのお知らせ

▼聞き流しフードテックニュース▼

▼運営者・佐藤あゆみ▼

▼メルマガ登録はこちらから▼

フードテックの海外ニュースを週1回まとめてお届けしております。

 

ご登録いただいた方には、国内外の培養肉開発に取り組む企業66社をまとめたレポート(全15ページ)を無料でお配りしております。

 

最新のフードテックニュースを逃したくない方におすすめです。

 

 

▶メールマガジン登録はこちらから

最新記事

フードテックを理解するのに役立つ書籍

フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

田中宏隆, 岡田亜希子, 瀬川明秀
1,782円(01/16 16:27時点)
発売日: 2020/07/23
Amazonの情報を掲載しています
マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

アンドレ・アンドニアン, 川西剛史, 山田唯人
1,980円(01/16 10:13時点)
発売日: 2020/08/22
Amazonの情報を掲載しています
クリーンミート 培養肉が世界を変える

クリーンミート 培養肉が世界を変える

ポール・シャピロ
1,881円(01/15 21:23時点)
発売日: 2020/01/09
Amazonの情報を掲載しています
PAGE TOP