代替プロテイン

培養肉企業アレフ・ファームズが約116億円を調達、2022年に最初の商品の販売へ

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細胞培養でステーキを開発するイスラエルの培養肉企業アレフ・ファームズが、シリーズBラウンドで1億500万ドル(約116億円)を調達した

このラウンドは、L CattertonのグロースファンドとDisruptADが主導し、Skyviews Life Scienceタイ・ユニオンBRFCJ CheilJedangが参加した。

既存投資家である、カーギルStrauss GroupVisVires New ProteinPeregrine VenturesCPT Capitalも参加した。

この調達により、アレフ・ファームズの調達総額は1億1800万ドルとなる。

2022年に最初の商品をリリース

アレフ・ファームズは、バイオ3Dプリンターを活用して培養ステーキ肉を開発する注目の培養肉企業の1つ。

培養ステーキを大量生産するための、特許取得済みの5つの技術が集結した独自のプラットフォームを構築している。

昨年、シンガポールで開催されたAgri-Food Innovation Summitでは、同社の培養肉プロトタイプが初めて発表された

今年1月には日本への培養肉導入について三菱商事と提携、5月には今回のラウンドに参加しているブラジル食肉大手BRFとブラジルへの培養肉導入で提携した。

2月にはバイオ3Dプリンターによる培養リブロース肉を開発したことで話題を呼んだ。

出典:アレフ・ファームズ

アレフ・ファームズは調達した資金で、培養牛肉ステーキの大規模な商用化に向けた計画を施行し、商品のラインナップを増やす。

短期的には、大量生産、海外展開の拡大、製品ラインの拡大と技術強化を図る。

今回のプレスリリースでは、市場参入スケジュールも発表された。

同社は、2022年に最初の商品をリリースするため、現在、規制当局との交渉を続けている。

出典:アレフ・ファームズ

昨年には、実証プラントBioFarmを2022年終わりまでに稼働させると発表している。この工場が完成すると、従来の動物肉と同等価格で大量生産できるようになる。

プレスリリースによると、アレフ・ファームズは、アラブ首長国連邦(UAE)湾岸協力会議(GCC:加盟国はサウジアラビア、UAE、バーレーン、クウェート、オマーン、カタールの6カ国)の広い地域に培養肉を供給するために、アブダビに製造施設を設立する可能性を評価するとしている。

今回のプレスリリースでは、現在規制当局と交渉している具体的な国名は明らかにされていないが、これまでの報道も加味して考えると、アレフ・ファームズの培養肉は中東、アジア、ブラジルに導入される可能性が高い

2022年は培養肉の市場投入が急増することが予想される

出典:アレフ・ファームズ

アレフ・ファームズは、生きている牛から採取された遺伝子組換えしていない細胞を使い、動物を殺すことなく、牛肉ステーキを開発している。

同社はDidier Toubia氏と、テクニオンに所属するShulamit Levenberg教授によって2017年に設立された。

培養肉には、コストダウン大量生産法規制という課題が指摘されるが、昨今の動きを見る限りでは、培養肉は次のフェーズに移りつつある。

法規制については、イート・ジャストがシンガポールで昨年12月に培養肉の販売許可を取得し、レストランで培養肉料理を販売した。

培養肉の販売を認めた国はシンガポールのみとなるが、他社も販売に向けて歩みを進めており、直近の報道では、年内にUPSIDE Foods(旧メンフィス・ミーツ)が、来年にはFuture MeatFinless Foodsイート・ジャストなどがアメリカでの販売を目指している。

出典:アレフ・ファームズ

コストダウンについては、Future Meatが5月に、110gあたりの培養鶏肉の生産コストを4ドルまで削減したことを発表。2022年終わりまでには2ドルまでコストダウンできるとコメントしている。

大量生産については、今年に入ってすでに6社が大量生産に向けた実証プラントの建設を発表している。

その中には、培養肉企業として初めてアメリカで上場したMeaTech、香港の培養魚企業Avant Meat、培養肉の老舗企業であるUPSIDE Foodsなどが含まれる。

Future Meatにいたっては、先日に1日に培養肉500㎏を生産できる世界初の培養肉生産施設をオープンしており、大量生産へ向けた舵はすでに切られている。

アレフ・ファームズの培養肉を試食するネタニヤフ首相 出典:アレフ・ファームズ

培養肉は従来の畜産肉と比較して、使用する土地、水ははるかに少なくすむほか、培養肉の生産では排出される温室効果ガスを92%減らせることが報告されている。

家畜のための農業用地を確保するための森林伐採も不要となる。集約畜産、飼育過程での抗生物質の乱用、感染症による大量の殺処分という現状を変える選択肢になりうるため、世界中の企業がしのぎを削っている。

アレフ・ファームズの予定通りに進むと、2022年には実証プラントが稼働を開始し、最初の商品がいずれかの市場でリリースされる。

Edison Groupは、早くて2025年には、培養肉が量産され、従来の肉と同価格になるだろうと報告している。

出典:Edison Investment Research

同報告によると、2040年は代替肉が収益で畜産肉を上回る転換点となり、肉全体の6割が培養肉か植物肉になると予想される。

消費者受容の点では課題を抱える培養肉だが、固定電話が「持ち運べる電話」から、瞬く間に「インターネットまでできる電話」に変身したように、培養肉が当たり前となる日常がいずれやってくる。

 

参考記事

Aleph Farms Completes $105 Million Series B Funding Round

 

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アイキャッチ画像の出典:アレフ・ファームズ

 

 

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