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牛を使わない牛乳、鳥を使わないのチキン、牛を使わないステーキ、魚を使わない寿司・・・・ときたら、次はハチミツだろうか?
本当にミツバチを使わずに本物のハチミツを開発する企業が登場した。
アメリカのMeliBioだ。
Melibioは、合成生物学と微生物発酵によってミツバチを使わないハチミツを開発している。
米国のハチミツの市場規模は増加の一途をたどっている。
2018年の84億ドルから2025年には140億ドルに達すると予想される一方で、ウイルス、病原菌、気候変動などによりミツバチの数は減少している。
ミツバチの減少—これはハチミツ価格の上昇にとどまる問題ではない。
ミツバチは多くの農作物の受粉を手助けする役割を担っている。つまり、ミツバチの数が減少すれば、農作物の収穫量にも影響がでる。
「地球上からミツバチが消えたら、人間は4年しか生存できない」とアインシュタインが語ったように、ミツバチは人間の生存に非常に重要な役割を持っているにもかかわらず、その役割はたいてい見過ごされている。
体に優しい甘味料として歓迎されるハチミツだが、その製造には倫理的な問題も伴う。
日本では養蜂でミツバチを殺しはしないが、煙を使っておとなしくさせている。煙は無毒であるものの、煙の高熱がミツバチの羽を溶かしてしまったり、ミツバチにパニックを起こさせてしまったりすることが報告されている。
こうした問題に終止符を打つために立ち上がったのがDarko Mandichだ。
「イノベーションによって養蜂産業にサステナビリティを実現しなければ、ミツバチと人間は重大な影響を被ることになる」と語るMandichが、Aaron Schallerと開発したのが、ミツバチを一切使わずに、本物のハチミツと同等のおいしさ・栄養をそなえた人工ハチミツだ。
年末までに仮出願を予定しているため、詳細な生産プロセスは非公開だが、製造には合成生物学と微生物発酵が関係している。
MeliBioの人工ハチミツは、生合成されたハチミツで、本物のハチミツに含まれる主要成分をすべて含んでいるという。
「人々がハチミツを買うのは、ハチミツが驚くべき特性を備えた健康食品だからです。最終製品が本物のハチミツと区別できなくなるまで、商品はリリースしません」とMandichは語る。
同社がカリフォルニア州バークレーで実施したブラインドテストでは、参加者はMeliBioと本物のハチミツを区別できなかったという。
同社によると、CPG(Consumer Packaged Goods)ブランドとしてではなく、食品や飲料品に使われるブランド化された材料としてリリースする予定。すでに複数の会社からコンタクトがあり、2021年末のリリースを目指している。
MeliBioはこれまでに資金調達に成功しているが、調達額は非公開。
10月のプレシードラウンドには、ベンチャーキャピタルでアクセラレーターであるBig Idea Ventures、エンジェル投資家でM13の共同創業者であるCourtney Reumが参加した。
参考記事
MeliBio: This Remarkable Food Tech Is Making Real Honey Without Bees
Real-honey-without-bees-Berkeley-based-startup-MeliBio-gears-up-for-launch-in-late-2021
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アイキャッチ画像の出典:MeliBio