オーストラリアのクイーンズランド大学研究チームは、アボカドの芽の凍結保存に成功したことを発表した。
アボカドの芽の凍結保存に成功した初の事例となる。
研究チームは、アボカドの芽をクライオチューブ(凍結保存で使用するチューブ)に入れ、液体窒素で保存した。
解凍にかかる時間はわずか20分だ。凍結保存した芽をスクロースなどを含むシャーレに置いて解凍する。2ヵ月後には、アボカドは新しい葉をつける。
研究チームが取り組んでいる2種の品種のうち、Reedアボカドの成功率は80%、Velvickアボカドの成功率は60%だという。こうして「復活した」80本のアボカドが、同大学のビニールハウスで栽培中だ。
研究の目的は、山火事やペスト、病気などの脅威から、アボカドの品種と重要な遺伝形質を保護するためだ。将来、火星へ移住するための「宇宙世代のアボカド」を作るためよりも、地球にあるアボカドを保護したい気持ちが強いという。
研究初期は試行錯誤の連続だった。はじめの頃は、アボカドの芽を解凍してもドロドロしたものができるだけだった。ビタミンCやスクロースなどの栄養成分を注入したり、最適な温度を模索したりと試行錯誤が続いた。
トウモロコシや小麦と違い、アボカドをはじめとする多くの植物の種は保存に向いていない。脱水に耐えられず、保存中に腐ってしまう。液体窒素で芽を保存するのが、アボカドを無期限に保存する理想の方法だという。
参考記事:
Putting a future avocado apocalypse on ice
Avocado apocalypse averted: Researchers use cryogenics to protect the fruit for future generations
Avocadoes of the future look secure thanks to Queensland student Chris O’Brien’s cryogenics work