ロボット

SJW Roboticsがアジア料理を作る自律型ロボットレストランの試作品を公開

 

カナダ、トロントを拠点とするSJW Roboticsは、アジア料理を作る完全自律化型ロボットレストランを開発している。

同社はこのほど、初となるロボットレストランの試作品を公開した。

注:本記事に掲載の写真は試作品開発前のもの。

完全自律型のロボットレストラン

出典:SJW Robotics

キオスク全体は約9㎡(100平方フィート)で、最大320食分の材料を収容できる。

箱型レストランの中央にはRowok(robot+wok)と呼ばれる中華鍋システムがあり、熟練したシェフのスキルでオーダーメイドの食事を調理する。

ロボットは、タマネギ、千切りされたにんじんなどカット済みの材料を取り出して穴付きのスチールトレイに置く。材料を載せたトレイは蒸気トンネルの中を移動し、材料が温められる。温めが完了すると、油をひいた鍋に材料が投下され、調理される。調理済みの料理はボウルに投下され、ソースをかけて完成となる。

出典:SJW Robotics

1食の準備にかかる時間は約80~90秒。レシピは受賞歴のあるシェフによって作られたもので、独自の自律鍋システムが科学的な精度で調理する。

現在の試作品には中華鍋が2つあるが、最終的には6つに増やす予定。1時間あたり70食を提供可能。キオスクが収容できる材料は最大320食となる。

キオスクのシステムは完全に自律しており、収容している材料が期限切れ間近になると、プロモーションを設定することもできる。

空港への導入を目指す

出典:SJW Robotics

SJW Roboticsは現在、世界最大の空港フードサービス営業権所有会社と交渉中で、2022年中にロボットレストランの空港への導入を目指している。

コロナウイルスの感染拡大後、SJW Roboticsのように非接触で食事を提供できるロボットへの需要が高まった。

イスラエルのHyper-Robotics、フランスのPazzi、ラトビア・カナダ・米国に拠点を持つRoboEatz、アメリカのBowlton KitchensMezliなど、人の手を介さず、24時間営業できるロボットレストランや調理ロボットが登場している。

Hyper-Robotics、Pazzi、Mezliなどのロボットレストランは屋外に設置するコンテナや店舗型の形状を取るのに対し、SJW Roboticsは自動販売機を拡張したような、屋内に設置できるサイズ感であるのが特徴的だ。そのため、Basil StreetAitmeのように、空港、オフィス、ショッピングモール、病院、食料品店、スタジアムなど設置できる対象エリアが広い。

SJW Roboticsはイギリスのグローバル起業家プログラム(GEP)に選出されている。GEPは、イギリスを拠点としない企業に、イギリスへの移転支援や投資家を含むネットワーク紹介などのサポートを無料で提供するプログラムとなる。

 

参考記事

SJW Robotics Demoes RoWok, a Fully Robotic Wok Restaurant Kiosk

SJW Robotics Aims to Franchise Its Automated Asian Meal Kiosk

 

関連記事

アイキャッチ画像の出典:SJW Robotics

 

 

関連記事

  1. ラーメン自販機のYo-Kai Expressが家庭用調理機『Ta…
  2. ネスレが焼きたてのピザを提供する自販機を試験導入
  3. ピザ組み立てロボットを開発するPicnicが約17億円を調達
  4. 夕飯の準備は出社前の2分で完了!冷蔵機能のあるスマート調理器具S…
  5. ドローンによる「空飛ぶ」果実収穫ロボットを開発したTevel A…
  6. 食品業界の共通課題に挑む 「未来型食品工場コンソーシアム」、原料…
  7. アメリカで広がるスムージー自販機Bleni Blends|サラダ…
  8. フードテックの祭典Smart Kitchen Summit 20…

おすすめ記事

Formoが微生物発酵によるアニマルフリーなクリームチーズを発表

ドイツの精密発酵スタートアップFormo(旧称Legendairy Foods)…

使用済みビール酵母から代替タンパク質を開発するYeastupが約15億円を調達、スイスで生産工場立ち上げへ

ビールの醸造で生じる使用済みビール酵母をアップサイクルするスイス企業Yeastu…

漁業者と消費者をダイレクトにつなげるE-Fish、48時間以内に新鮮魚を宅配

アメリカで漁師と消費者をダイレクトにつなげる新しいサービスがある。獲れた…

イリノイ州が精密発酵の推進に向けて、iFAB Tech Hubに約1030億円の出資を発表

アメリカ・イリノイ州は今月、精密発酵によるバイオものづくりを推進するiFAB T…

ニュージーランド政府、培養シーフード開発に約8.6億円を出資

2024年9月24日更新:記事公開当初、後半で記載のシンポジウムの開催時期を2024年としておりまし…

代替エビを開発するNew Wave Foodsが約18億円を調達、3月末までに飲食店で提供予定

植物ベースの代替魚開発に取り組むNew Wave Foodsが、シリーズAラウン…

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

最新記事

▼メルマガ登録はこちらから▼

フードテックの海外ニュースを週1回まとめてお届けしております。

 

ご登録いただいた方には、国内外の培養肉開発に取り組む企業101社をまとめたレポート(全23ページ)を無料でお配りしております(2022年3月更新版)。

 

最新のフードテックニュースを逃したくない方におすすめです。

 

 

▶メールマガジン登録はこちらから

▼聞き流しフードテックニュース▼

 

 

 

Foovo Deepのご案内

Foovoの記事作成方針に関しまして

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

【2024年】培養魚企業レポート好評販売中

【FoovoBridge】日本のフードテックニュースを海外へ発信する英語サイト

フードテックを理解するのに役立つ書籍

夢の細胞農業 培養肉を創る

夢の細胞農業 培養肉を創る

羽生雄毅
1,760円(03/20 14:50時点)
Amazonの情報を掲載しています
培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

竹内 昌治, 日比野 愛子
572円(03/21 00:35時点)
発売日: 2022/12/06
Amazonの情報を掲載しています
フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

田中宏隆, 岡田亜希子, 瀬川明秀
1,782円(03/21 04:28時点)
発売日: 2020/07/23
Amazonの情報を掲載しています
マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

アンドレ・アンドニアン, 川西剛史, 山田唯人
1,980円(03/20 20:47時点)
発売日: 2020/08/22
Amazonの情報を掲載しています
クリーンミート 培養肉が世界を変える

クリーンミート 培養肉が世界を変える

ポール・シャピロ
1,782円(03/21 12:58時点)
発売日: 2020/01/09
Amazonの情報を掲載しています
培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

石井金子
498円(03/20 23:48時点)
発売日: 2022/02/20
Amazonの情報を掲載しています
PAGE TOP