代替プロテイン

イート・ジャストが中国上海に初の料理スタジオをオープン、中国市場の成長を見込む

米フードテック企業イート・ジャスト(Eat Just)は、上海に初となるFuture Food Studioをオープンする。

同社が中国に開設する初の料理スタジオとなり、上海の静安嘉里中心(Jing An Kerry Centre)に開設される。

スタジオでは、有名シェフから同社の植物(緑豆)由来の卵ジャスト・エッグ(JUST Egg)の調理方法を学べる。

イート・ジャストは2011年にサンフランシスコに設立されたフードテックのスタートアップ。同社は米国に次いで中国市場に進出しており、2019年5月には中国でジャストエッグの販売を開始している。

スタジオの開設は2020年10月10日―30日の期間限定。申し込みはFuture Food Studioの微信(WeChat)から行うほか、レッスンがない時は予約なしで立ち寄ることも可能だという。

出典:Green Queen

イート・ジャストの新たな試みは、中国での植物食品への関心・ニーズの高まりを表している。特に、コロナウイルスの感染拡大によって、食の安全、健康、食肉サプライチェーンの危険性に対する消費者の関心が高まったことが関係している。

同社は中国市場に大きな成長を見込んでおり、消費者の手が届きやすい価格にジャスト・エッグの値下げを積極的に行っている

出典:Eat Just

実際に、2019年時点では中国のECサイト天猫で1本69元(約1060円)だったジャストエッグが、現在では49元(約760円)で販売されている。

出典:天猫

中国市場へ進出するのはイート・ジャストだけでない。

ビヨンド・ミートは中国でKFC、ピザハットなどファーストフード店を多数展開するヤム・チャイナ(Yum China)と提携し、ビヨンド・バーガーの販売を開始している。

スターバックスでは代替豚肉ブランド・オムニポークや、ビヨンド・ミートの代替肉、オートリ―(Oatly)の代替ミルクを使用したメニューが全国的に提供されている。

イート・ジャストは今月、全米での販売網拡大を発表したばかり。9月末には同社の製品が1万7000店を超える店頭に並ぶ。

植物由来食品メーカーの激しい競争が、アメリカから中国へ移行するのは間違いない。

 

参考記事:

“China To Account For Large Part Of Future Growth”: Eat Just Opens Country’s First Plant-Based Culinary Studio

Eat Just Opens Vegan Culinary Studio in China

 

 

アイキャッチ画像の出典:Eat Just

 

関連記事

  1. イート・ジャストの代替卵JUST EggがEU当局の認可を取得
  2. オイシックス・ラ・大地、サステナブル・シーフード発表会・試食会を…
  3. 世界初!シンガポールOsomeFoodが開発したマイコプロテイン…
  4. ソーラーフーズ、微生物タンパク質を使用したアイスクリームをシンガ…
  5. 韓国政府、2022年の国家計画に培養肉のガイドラインを追加
  6. Doehlerが代替パーム油を生産する英Clean Food G…
  7. 米Wild Earth、2023年に細胞培養によるペットフード製…
  8. 韓国の培養肉企業SeaWithは2022年末までにレストランでの…

おすすめ記事

培養魚レポート・販売開始のお知らせ

2024年最新版は3月13日に発売しました。培養…

世界初!米Biomilqが細胞培養でヒトの母乳を体外で作製することに成功

ノースカロライナ州を拠点とするスタートアップ企業Biomilqが、ヒトの母乳を体…

MeaTechが低コストな培養脂肪の生産方法で米国仮出願を提出

イスラエルの培養肉企業MeaTechは、米国特許商標庁(USPTO)に植物由来成…

【現地レポ】米GOOD Meatの培養肉実食レビュー@シンガポール

今年5月、シンガポールの小売店で培養肉の販売が開始された。場所は、チャイ…

中国の培養肉企業CellXが培養肉のパイロット工場建設を発表

中国の培養肉企業CellXと、グローバルな医薬品・食品製造向けのプロセスサポート…

米ColdSnap、常温ポッドから2分で作れるソフトクリームマシンを年末に発売へ

カフェや観光地のお土産ショップなどで販売されるソフトクリームには、カップを専用マ…

精密発酵レポート・予約注文開始のお知らせ

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

Foovo Deepのご案内

精密発酵レポート・予約注文開始のお知らせ

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

Foovoの記事作成方針に関しまして

【2024年】培養魚企業レポート好評販売中

▼聞き流しフードテックニュース▼

 

 

 

【FoovoBridge】日本のフードテックニュースを海外へ発信する英語サイト

▼メルマガ登録はこちらから▼

フードテックの海外ニュースを週1回まとめてお届けしております。

 

ご登録いただいた方には、国内外の培養肉開発に取り組む企業101社をまとめたレポート(全23ページ)を無料でお配りしております(2022年3月更新版)。

 

最新のフードテックニュースを逃したくない方におすすめです。

 

 

▶メールマガジン登録はこちらから

最新記事

フードテックを理解するのに役立つ書籍

夢の細胞農業 培養肉を創る

夢の細胞農業 培養肉を創る

羽生雄毅
1,760円(10/23 13:55時点)
Amazonの情報を掲載しています
培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

竹内 昌治, 日比野 愛子
572円(10/23 23:26時点)
発売日: 2022/12/06
Amazonの情報を掲載しています
フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

田中宏隆, 岡田亜希子, 瀬川明秀
1,782円(10/24 03:11時点)
発売日: 2020/07/23
Amazonの情報を掲載しています
マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

アンドレ・アンドニアン, 川西剛史, 山田唯人
1,980円(10/23 19:49時点)
発売日: 2020/08/22
Amazonの情報を掲載しています
クリーンミート 培養肉が世界を変える

クリーンミート 培養肉が世界を変える

ポール・シャピロ
1,782円(10/23 12:08時点)
発売日: 2020/01/09
Amazonの情報を掲載しています
培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

石井金子
498円(10/23 22:47時点)
発売日: 2022/02/20
Amazonの情報を掲載しています
PAGE TOP