friesDAOは、ファーストフード店の買収を目指すイーサリアムの分散型自律組織(DAO)として登場した。
DAOは共通の目的を持った人々によってブロックチェーン上で運営される組織で、従来の組織にあったような中央組織が不在せず、取り決められたルールに基づいて活動が行われる。
friesDAOは当初、DAOとNFTでマクドナルドを買収するという冗談から始まったが、この構想をディスコード(アメリカで生まれたボイスチャットサービス)サーバーにアップしたところ、数日で数千人が参加するまでとなった。クリスマス後に作成されたディスコードサーバーはDAOとなり、969万USDCの目標に、510万以上が集まった。
friesDAOは史上初の試みとして、ブロックチェーンとファーストフードをつなぐことが可能であることを証明したいと考えている。
イーサリアムをベースとしたステーブルコインUSDCと引き換えに、参加者はfriesDAOが買収するレストランに関するトークン化された議決権を受け取ることができる。つまり、トークン保有者は、レストラン買収に関する意思決定に関して発言権を得られるほか、無料の食事など現実世界でのメリットを享受できる。
一方、friesDAOのレストランの所有権、ビジネスの最終決定権などはない。
friesDAOはファーストフード業界で豊富な経験を持つ企業を通じて、有名なファーストフードレストランのフランチャイズを購入、運営することを目的としている。委託企業が運営収益を保有している場合でも、DAOのガバナンスは収益の使用方法に影響を与える可能性がある。
これにより、friesDAOは、売上から物流まで店舗の運営データにアクセスできるオンチェーン(ブロックチェーン上に記録される取引のこと)プロトコルを確立することで、ブロックチェーンの有用性を高め、分散ガバナンスを強化し、ほかのDeFiプロトコルにリンクできる。
※プロトコルとは、仮想通貨が自律的に稼働するための手順、取り決めを意味する。
friesDAOには次のように書かれている。
「私たちは分散化された方法で世界中の都市に拡張し、コミュニティの議論とトークン化されたガバナンスを通じて私たちの試みを有用なものにすることを目指しています。また、ガバナンストークンからアクセスできる店舗運営のIoTやMachineFi機能についても調査する予定です。社会的実験として、私たちの知見と経験を現実世界のDAOの新たな空間で世界と共有することが私たちの義務です」。
先日、ドミノ・ピザの元社長であるKoryn Spiroff氏がFriesDAOの諮問委員会に加わった。
フランチャイズ業界で35年の経験を有するSpiroff氏は「ブロックチェーンをベースとしたガバナンス、Defiとオンチェーンデータの統合により、QSRの次のフロンティアを目の当たりにし、まさに作り出しています」とコメントしている。
公式サイトによると、friesDAOの最初の買収は今年6月に予定されている。
参考記事
Restaurant focussed DAO called FriesDAO is raising $9.69 Million to run a Fast Food Enterprise
FRIESDAO LURES FORMER PRESIDENT OF DOMINO’S PIZZA TO JOIN ADVISORY BOARD
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アイキャッチ画像の出典:friesDAO