代替プロテイン

AngelList初のローリングファンド、Sustainable Food Venturesが設立|代替プロテイン企業を支援

代替プロテインに取り組む起業家を支援するための新しいファンドが登場した。

Wild EarthのCEOライアン・ベザンコート、元Finless FoodsのMariliis Holmは、サステイナブル・フード・ベンチャー(Sustainable Food Ventures:SFV)を立ち上げたことを発表した。SFVはAngelList初のRolling fund(ローリングファンド)で、細胞由来、植物由来、遺伝子組み換えなどの分野に取り組む企業を支援する。

ローリングファンド(Rolling Funds)とは、AngelListがはじめた新しい仕組みで、一括投資ではなく、四半期ごとに投資するサブスクリプション型のファンド。投資家に柔軟性をもたせる仕組みになっており、1万ドル(約10万円)など少額から始めることが可能となる。四半期ごとのミニマム投資額は5千ドル(約5万円)。

これまでに本四半期だけで150万ドル(約1億5千万円)のコミット額に達しており、翌年は約6億円~約10億円を目標としている。各企業に500万円~1500万円を投資予定。

ローリングファンドにすでに参加している投資家には、シンガポールShiok Meatsの共同創業者であるSandhya Sriram氏がいる。

サステイナブル・フード・ベンチャー(SFV)は畜産農業に関与する企業には投資しないことを公式サイトで明記している。細胞由来、植物由来、遺伝子組み換えなどの分野で、サステイナブルで地球にやさしい食品の生産に取り組む企業に特化して投資するのが目的だ。

もう1つの狙いとしては、女性、マイノリティ、年齢や地理的に通常のスタートアップ起業家の枠にあてはまらない「低く評価された」創業者たちを支援したいと考えている。

SFVを立ち上げた2人は、いずれもフードテック業界で長い業績を持つ。

ライアン・ベザンコートは、植物由来のペットフードを手掛けるWild EarthのCEO。過去6年間で、Memphis Meats、Geltor、The NotCo、Shiok Meatsなど120社を超える初期スタートアップを支援している。

Mariliis Holmは、前Finless Foods食品化学部門の責任者。代替プロテインのNonfoodの共同創業者でもある。

 

参考記事

Sustainable Food Ventures, a Rolling Fund for Alt-Protein, Launches on AngelList

Sustainable Food Ventures: First Rolling Fund For Alt Protein Debuts On AngelList

angellist-pioneers-rolling-vc-funds-in-pivot-to-saas/

アイキャッチ画像の出典:Sustainable Food Ventures

 

関連記事

  1. 【創業者インタビュー】精密発酵でヒト母乳タンパク質を開発するPF…
  2. 国内初|グリーンカルチャーが植物性ゆで卵の開発に成功
  3. 植物を活用してアニマルフリーな乳製品を開発するMirukuが約3…
  4. 植物性ペットフードV-planetが日本、韓国で発売を開始
  5. Alpro(アルプロ)の植物性ヨーグルト2種を食べてみた@フィン…
  6. スウェーデンのMillow、オーツ麦と菌糸体でつくる代替肉の大規…
  7. 培養肉生産の複雑さを乗り越える(Gelatex-Athanasi…
  8. スイスの小売大手ミグロスがビーガンゆで卵を発売

おすすめ記事

Avant Meatsがシンガポールに新しい研究施設・パイロット工場建設を発表

シンガポールにおけるフードテックが加熱している。シンガポールは昨年12月…

微生物とAIで新素材を発見するKingdom Superculturesが約28億円を調達

天然の微生物を組み合わせて新しい素材を開発する米Kingdom Supercul…

米Jellatech、細胞培養によりヒトコラーゲンの開発に成功

細胞培養によるコラーゲンを開発する米Jellatechは今月、独自の細胞株から、…

SJW Roboticsがアジア料理を作る自律型ロボットレストランの試作品を公開

カナダ、トロントを拠点とするSJW Roboticsは、アジア料理を作る完全自律…

Leaft Foods、葉由来のルビスコタンパク質を使用したドリンクを米国・ニュージーランドで販売開始

出典:Leaft FoodsニュージーランドのLeaft Foodsは2025年8月13日、葉由…

培養脂肪を開発するMission Barnsが約26億円を調達、パイロット工場の建設へ

シリコンバレーを拠点とする細胞農業スタートアップのMission Barnsがシ…

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

精密発酵ミニレポート発売のお知らせ

▼聞き流しフードテックニュース▼

 

 

 

▼メルマガ登録はこちらから▼

フードテックの海外ニュースを週1回まとめてお届けしております。

 

▶メールマガジン登録はこちらから

Foovo Deepのご案内

Foovoの記事作成方針に関しまして

最新記事

Foovoセミナー(年3回開催)↓

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

2025年・培養魚企業レポート販売開始

【FoovoBridge】日本のフードテックニュースを海外へ発信する英語サイト

フードテックを理解するのに役立つ書籍

夢の細胞農業 培養肉を創る

夢の細胞農業 培養肉を創る

羽生雄毅
1,760円(10/07 16:04時点)
Amazonの情報を掲載しています
培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

竹内 昌治, 日比野 愛子
572円(10/08 02:29時点)
発売日: 2022/12/06
Amazonの情報を掲載しています
フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

田中宏隆, 岡田亜希子, 瀬川明秀
1,782円(10/08 06:06時点)
発売日: 2020/07/23
Amazonの情報を掲載しています
マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

アンドレ・アンドニアン, 川西剛史, 山田唯人
1,980円(10/07 22:04時点)
発売日: 2020/08/22
Amazonの情報を掲載しています
クリーンミート 培養肉が世界を変える

クリーンミート 培養肉が世界を変える

ポール・シャピロ
1,980円(10/08 14:03時点)
発売日: 2020/01/09
Amazonの情報を掲載しています
培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

石井金子
698円(10/08 01:21時点)
発売日: 2022/02/20
Amazonの情報を掲載しています
PAGE TOP