アップサイクル

代替コーヒーのPrefer、タイ味の素社と提携|持続可能なコーヒー飲料の開発でグローバル展開へ

出典:Prefer

2025年8月18日追記

シンガポールのフードテック企業Preferは今月、新製品として可溶性の代替コーヒー粉末および代替カカオ粉末を発売するとともに、420万ドル(約6億1,000万円)を調達した

同社は新製品について、原料の一部を代替する増量剤(エクステンダー)だとし、可溶性コーヒー粉末についてはコーヒー60%にPreferの原料を最大40%ブレンドできるという

さらに、グローバル展開に向けて、タイではタイ味の素社オーストラリアではThe Coffee Fermとの商業提携を発表した。

シンガポールで広く代替コーヒーを展開してきたPreferにとって、海外展開に向けた初の国際的な商業提携であり、タイ、オーストラリア、ニュージーランド市場で持続可能な代替コーヒーおよび代替カカオの普及が期待される。

Prefer、グローバル展開に向けてタイ味の素と提携

Preferの代替カカオ粉末 出典:Prefer

2022年に設立されたPreferは、米や大豆などの食品副産物を原料に、独自の発酵・焙煎プロセスを用いて代替コーヒーや代替カカオを開発してきた。

同社の代替コーヒーは、シンガポールのGoogleオフィスのほか、レストラン、カフェ、ホテル向けに広く提供されており、Foovoの調査では70店舗以上に導入されている。今年1月には新たに代替チョコレートの試作品を発表し、先月にはインスタントコーヒー、RTD飲料、フレーバー濃縮物用途の可溶性の代替コーヒー粉末を発表した。

出典:Prefer

プレスリリースによると、タイでは味の素と協力し、同社が掲げるコーポレートスローガン「Eat Well, Live Well.」のもと、持続可能な新たなコーヒー飲料の開発を進めている。また、オーストラリアとニュージーランドでは、The Coffee Fermに対してPreferのフレーバーに関する知的財産をライセンス供与し、現地での製造と流通の拡大を図る。

さらに、主要市場において委託製造業者を活用し、パイロット生産体制の拡大を進めるとしている。新工場の建設ではなく既存の製造インフラを利用することで、初期投資を抑えつつ効率的にスケールアップを図るものと思われる。また、カカオ風味の研究開発を深化させ、アジアを重点地域としながらグローバルなパートナーシップを拡大していく方針だ。

Preferによると現在、代替コーヒーは年産500トン規模へのスケールアップを進めているという。

世界で進む代替品開発、日本でも拡大

Preferの可溶性代替コーヒー粉末 出典:Prefer

2024年以降、カカオ、コーヒーの歴史的な高騰を背景に、世界で代替品の開発が急速に進んでいる。シンガポールだけでも、おからを活用して代替チョコレートを開発するMycosortiaや、培養コーヒーに取り組むAnother Foodsといった企業が確認されている。

海外に目を向ければ、日本市場に昨年上陸した米Atomoをはじめ、カカオ・コーヒー両方に取り組む米Compound FoodsVoyage Foods、スーパーへの早期導入を実現しているオランダのNorthern Wonder、新たに代替コーヒーに参入したArmored Freshなど、参入企業が増えている。

国内ではAtomoの代替コーヒー参入に加え、あじかん不二製油イオンといった大手メーカーが代替カカオ製品を積極的に導入しており、あじかんのゴボーチェは昨年11月の小売導入以降、2025年8月17日時点でもナチュラルローソンでの取り扱いが継続されていることをFoovoは都内店舗で確認している。

さらに、ソーイによるコーヒーかすをアップサイクルしたチョコレート風のバー「COLEHA(コレハ)」など、新素材開発も進む。こうした状況を踏まえると、Preferの「アジアに重点を置いた」グローバル戦略の一環として、同社の代替粉末が日本市場に導入される可能性も十分に考えられる。

 

※本記事は、プレスリリースをもとに、Foovoの調査に基づいて独自に執筆したものです。出典が必要な情報については、記事内の該当部分にリンクを付与しています。

 

関連記事

アイキャッチ画像の出典:Prefer

 

関連記事

  1. コロラド州の植物肉バーガー企業が米MeliBioの代替ハチミツを…
  2. 米Compound Foods、豆を使わないコーヒー・カカオの原…
  3. 政府、フードテックWGを設置  17の戦略分野で成長戦略の検討体…
  4. 微生物とAIで新素材を発見するKingdom Supercult…
  5. 二酸化炭素からタンパク質を作る英ディープ・ブランチ、アイスランド…
  6. 細胞性食品セミナー動画・資料【2025年11月開催】
  7. 二酸化炭素からタンパク質を開発するAerbio、オランダでパイロ…
  8. ウイスキー副産物からオメガ3脂肪酸へ|スコットランドのMiAlg…

おすすめ記事

乳業大手フリースランド・カンピーナ、精密発酵投資を中止|二極化する大手の動き

出典:FrieslandCampina2025年9月29日更新オランダの多国籍酪農協同組…

Meati Foodsの菌糸体肉、全米のホールフーズ全店舗で発売

菌糸体由来の代替肉を開発する米Meati Foodsは先月、全米のホールフーズマ…

イスラエルのYO-Eggが黄身と白身に分かれた代替卵を開発

代替卵に新たなトレンドが生まれつつある。アメリカのJUST Eggに代表…

【参加レポート】第5回フードテックWeek:次世代型綿あめ製造機、デザインドリンク、アップサイクル食品まで

「第5回フードテックWeek」が2024年11月20日から3日間、幕張メッセで開…

オーストラリアが培養肉承認に向けて一歩前進|FSANZがVowの培養ウズラに関する意見募集を開始

オーストラリア・ニュージーランドの独立系シンクタンクFood Frontierは…

オランダのモサミート、培養脂肪で英国初の承認申請を提出

オランダの培養肉企業Mosa Meat(モサミート)は5月15日、イギリス当局に…

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

精密発酵・定期動向レポート発売のお知らせ

【FoovoBridge】日本のフードテックニュースを海外へ発信する英語サイト

会員サービスFoovo Deepのご案内

▼聞き流しフードテックニュース▼

 

 

 

最新記事

▼メルマガ登録はこちらから▼

フードテックの海外ニュースを週1回まとめてお届けしております。

 

▶メールマガジン登録はこちらから

Foovo Deepのご案内

Foovoの記事作成方針に関しまして

Foovoセミナー(年3回開催)↓

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

2025年・培養魚企業レポート販売開始

フードテックを理解するのに役立つ書籍

夢の細胞農業 培養肉を創る

夢の細胞農業 培養肉を創る

羽生雄毅
Amazonの情報を掲載しています
培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

竹内 昌治, 日比野 愛子
発売日: 2022/12/06
Amazonの情報を掲載しています
フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

田中宏隆, 岡田亜希子, 瀬川明秀
発売日: 2020/07/23
Amazonの情報を掲載しています
マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

アンドレ・アンドニアン, 川西剛史, 山田唯人
発売日: 2020/08/22
Amazonの情報を掲載しています
クリーンミート 培養肉が世界を変える

クリーンミート 培養肉が世界を変える

ポール・シャピロ
発売日: 2020/01/09
Amazonの情報を掲載しています
PAGE TOP