イスラエルの培養肉企業MeaTechは、米国特許商標庁(USPTO)に植物由来成分のみを使った培養脂肪(油脂)の独自手法について仮出願をした。
この特許は、植物成分だけを使って胚性間葉系幹細胞(eMSCs)を脂肪細胞へ分化させる手法に関するもので、これにより、和牛など霜降り肉にみられる筋肉内脂肪を「大幅に低コスト」で再現できるようになる。
関連する成分はすべて植物から供給されるため、動物由来成分への依存を減らしたいMeaTechにとって大きな前進となる。
同社の培養脂肪は、独立した製品または培養肉に組み込むものとして使用される。
「この仮出願がカバーする新しい手法は、100%植物由来成分を使用してeMSCsを脂肪細胞へと分化させます。
私たちは培養脂肪および培養タンパク質を生産する技術開発に取り組んできましたので、低コストな植物を使った細胞培養物(脂肪)をバイオプリント製品とハイブリッド製品に使用できることに感激しています。
私たちの最終目標は、培養肉が従来の肉と同じ味、食感、栄養価を備えるようになることです」(CEOのSharon Fima氏)
MeaTechはこれまでにバイオプリンティングプロセスに関する特許も出願している。同社は今年3月に米国ナスダック市場に上場し、培養肉でアメリカ上場を果たした最初の企業となった。