ロボットスタートアップ企業テックマジックが食品メーカー5社と立ち上げた「未来型食品工場コンソーシアム」の最初のプロジェクト、「原料秤量工程自動化プロジェクト」が始動した。
「未来型食品工場コンソーシアム」は、競争関係にある食品メーカー間では協業が難しいものの、非競争領域ならばオープンイノベーションの形で協力できるとの考えから、昨年7月に結成された。カゴメ、キユーピー、永谷園、ニチレイフーズ、日清製粉グループ本社が参画し、食品業界における共通課題の解決を目指す。
本コンソーシアムは、各社の共通課題を洗い出し、原料の荷受けや秤量といった上流工程において、自動化が進んでいない実態に着目。現在、搬送、梱包、在庫管理システム、パレタイジング(梱包済みの完成品をパレットに積載する作業)などの下流工程では一定の自動化が進んでいる一方で、開梱、秤量などの上流工程では手作業に依存しているのが現状だ。
原料秤量や原料投入などの工程では、商品ごとに異なる作業が求められ多種多様な原料に柔軟に対応する必要があるため、投資対効果の観点から自動化が進みにくかった。
そこで、コンソーシアムは最初の取り組みとして「原料秤量工程自動化プロジェクト」を始動。各社の専門知識をいかし、原料の荷受けから秤量、投入までを自動化するロボットソリューションの開発に取り組む。
食品メーカー5社と、調理ロボットや業務ロボットを手がけるテックマジックが協力することで、開発コストの分散、ソリューションの汎用化、専門的な技術やノウハウの共有、市場導入のスピードアップなどを図る。
2018年創業のテックマジックは、調理ロボット「I-Robo2」、惣菜盛り付けロボット「M-Robo」など、食品工場の効率化を支えるロボット製品を開発してきた。
2022年6月には、世界初のパスタ自動調理ロボット「P-Robo」を、東京・丸ビルでプロントコーポレーションが運営する実店舗「エビノスパゲッティ」で稼働した。2023年2月には、日本ケンタッキー・フライド・チキンとフライドポテト調理ロボットの共同開発に着手し、来月開催の第53回国際ホテル・レストランショーでは、フライドポテト自動調理ロボット「F-Robo」を初公開する予定だ。
食品工場が抱える共通課題に対し、企業の枠を超えた協力とロボット技術の活用で解決を目指す本プロジェクト。コンソーシアムの取り組みが、持続可能な食インフラの構築へとつながることが期待される。
参考記事(プレスリリース)
「未来型食品工場コンソーシアム」原料秤量工程自動化プロジェクト始動
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アイキャッチ画像の出典:テックマジック