イスラエルのピザハットが完全に自動化されたロボットレストランを発表した。
イスラエルを拠点とするロボットスタートアップ企業Hyper-Roboticsが開発したもので、イスラエルのBnei Dror市内中心にあるショッピングモールの駐車場に設置された。
トッピングから焼き上げ、箱詰めまですべてのプロセスをロボットが完結する。ロボットは生地作りはしないが、240種類の異なるサイズの生地を保持できるという。
ピザハットのロボットレストランがイスラエルに登場
Hyper-Roboticsのロボットピザレストランは、3台のコンベクションオーブン、ピザをオーブンに移動させるベルトコンベアシステム、自動スライサー、ピザを箱に入れて客に渡すボックスシステムなど、多くの技術が1つの箱(コンテナ)に収まっている。
1時間に50枚のピザを焼き上げることができる。
レストラン外部に備えつけのタッチスクリーンまたはピザハット専用アプリを通じて注文する。ピザが焼き上がり、箱に入れられると、ピザハットのスタッフが取り出し口からピザを受け取り、顧客に渡す。今後は、ロボットレストランから顧客に直接ピザを渡せるようになるという。
ロボットがピザを準備するプロセスを外から見ることもできる。
Hyper-RoboticsのCEOを務めるUdi Shamai氏が、ピザハット・イスラエルのCEOであり、イスラエル国内で90店舗のピザハットを運営していることを考えると、Hyper-Roboticsが最初のカテゴリーとしてピザを選び、ピザハットに導入したことも納得がいく。
ロボットレストランが実現するスマートシティ
Hyper-Roboticsはファーストフード店をマンションの1階などではなく、マンションなどから遠ざけるスマートシティ構想を持っている。スマートシティとは、先進的技術を活用して、都市や地域のサービス、機能を効率化し、生活者の利便性・快適性の向上を目指す都市構想を指す。
アパートやマンションの1階に飲食店があると、調理による匂いやゴキブリなど害虫トラブルが発生する。大量のゴミがネズミなどほかの害虫を引き付ける要因にもなりうる。さらに、テイクアウトを行っている場合は配達員が頻繁に来店し、夜間の来店により、近隣住人の休息に影響を与えることも考えられる。
こうした問題を解決するため、同社は都心に点在する小さな駐車場を活用する。こういったスペースに定置型の店舗を設置すれば、マンションビルの階下でない場所から配達することができる。
Hyper-Roboticsは同社のロボットレストランを活用し、ピザのほか、ハンバーガー、アイスクリーム、丼物、サラダなどさまざまなファーストフード店を、駐車場などのスペースに配置することを提案している。同社のロボットレストランは40フィートコンテナ(12m×2.4m×2.5m)サイズで、電気・水・下水・通信にアクセスできる場所であればどこにでも設置できる。
ロボットレストランは24時間営業でき、人件費をゼロにできる。手作業によるトッピングのばらつきがないため、品質を統一し、原料の無駄遣いを防ぐことができる。
フランス、パリではPazziがトッピング、ソースがけなど手間と時間のかかる工程を自動化したピザのロボットレストランを設置しており、今年にはスイスでのオープンを目指している。
参考記事
Pizza Hut Launches a Fully Robotic Restaurant-in-a-Box (Video)
SMART CITIES AND THE AUTONOMOUS FOOD INDUSTRY
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アイキャッチ画像の出典:Hyper-Robotics