家庭向けキッチンロボットを開発する米Posha(旧称Nymble)は今月6日、シリーズAラウンドで800万ドル(約11億6,000万円)を調達したと発表した。
Accelが主導し、Xeed Ventures、WaterBridge Ventures、Flipkart共同創業者Binny Bansal氏などが参加した。
これまではカリフォルニアの一部家庭への導入にとどまっていたが、この資金調達により、全米に展開したいと共同創業者兼CEOのRaghav Gupta氏は述べている。
さらに、料理を自動化するだけでなく、レシピのパーソナライズ化や、AIによる食事計画・買い物連携などの機能を強化することで、ユーザー毎の「プライベートシェフ」へと進化させたい考えだ。
「ファミリー専属のプライベートシェフ」Posha

出典:Posha
Poshaは、同社が「ファミリー専属のプライベートシェフ」と謳う卓上型調理ロボット。
公式サイトによれば、ユーザーは画面上で料理を選択し、指示通りに材料を容器へ投入した後はスタートボタンを押すだけで、ロボットが加熱・攪拌・味付けの工程を自律的に進める。
コンピュータービジョンで色変化を検知し、必要に応じて火力を調整するため、「シェフの勘」を模倣しているという。
「本当にやりたいことに使う時間を増やす」

出典:Posha
Poshaは2022年10月、アメリカ、サンフランシスコベイエリアでβ版のサービスの提供を開始した。2020年にα版のリリースを発表した時は6台のみだったのに対し、β版では60台まで生産をスケールした。
テッククランチの報道によれば、Poshaは2025年1月に発売し、最初のバッチを完売。現在は1台1,750ドル(約25万円)のところ1,500ドル(約21万円)で予約(数量限定)を受け付けており、今年8月の出荷を予定している。ただし、現在の出荷先はアメリカのみ。
同社は、テクノロジーが買い物、仕事、娯楽、つながり方を一変させた一方で、キッチンは「化石のまま」だと指摘する。
「本当に信頼できる食材を使い、好み通りに調理し、利便性と融合させた料理を提供したい」と考えており、料理に費やす時間を削減し、人々が本当にやりたいことに集中できる社会を目指している。
Gupta氏は、冷蔵庫や食洗器が卓上型から普及し、今ではキッチンに組み込むビルトイン家電が増えているように、Poshaも「まもなく同じ運命をたどるでしょう」とテッククランチのインタビューで述べている。
家庭の食卓を再定義するロボットシェフが、どこまで普及するか注目される。
※本記事は、下記プレスリリースをもとに、Foovoの調査に基づいて独自に執筆したものです。出典が必要な情報については、記事内の該当部分にリンクを付与しています。
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