Foovo Deep

米培養肉Upside Foods、培養肉用のアニマルフリーな増殖培地を開発

 

アメリカの主要な培養肉企業Upside Foods(旧称メンフィスミーツ)はアニマルフリーな増殖培地を開発したことを発表した

同社は培地からの動物成分除去について「画期的なマイルストーン」だとコメント。アニマルフリーな増殖培地の開発は、「スケーラブルで費用対効果の高い培養肉」を消費者に提供するうえで重要なステップとなる。

Upside Foods、アニマルフリーな増殖培地を開発

開発した培地で生産したチキンナゲット 出典:Upside Foods

培養肉は、動物を飼育したり屠殺したりすることなく、動物細胞を直接増殖させてできる未来の肉として注目されている。細胞が増殖するためには、動物の体内にある栄養素に相当する培地が必要となる

培養肉の開発当初、細胞の増殖をサポートする豊富で完璧な栄養源を有するウシ胎児血清(FBS)や動物性タンパク質が重要な成分とされていた。

しかし、FBSには2つの課題がある。生まれていない子牛の血清を使用することと、高価であることだ。2013年に発表された培養肉ハンバーガーが3000万円を超えたのも、FBSを使用しているためだった。それ以来、アニマルフリーで安価な培地へ移行するため、開発が進められてきた。

Upside Foodsが2015年に業界を立ち上げたとき、生産プロセスから動物成分を取り除くことは培養肉業界全体の主要な目標だった。

動物成分の除去は、FBS除去よりも「大きな課題」

ここから先は有料会員限定となります。

読まれたい方はこちらのページから会員登録をお願いします。

すでに登録されている方はこちらのページからログインしてください。

関連記事

アイキャッチ画像の出典:Upside Foods

 

関連記事

  1. ChickPがひよこ豆由来のクリームチーズ、チェダーチーズを開発…
  2. 微細藻類からタンパク質を開発するBrevelがイスラエルに商用工…
  3. 【5/17】廉価な成長因子を開発するスタートアップNUProte…
  4. 英Ivy Farm、欧州最大の培養肉パイロット工場をオープン
  5. マイコプロテインの英ENOUGHが年産1万トンの工場をオランダに…
  6. 材料毎に投入タイミングを制御するスマート調理ロボットOliver…
  7. 細胞農業で脱カカオを進めるフィンランドのチョコレートメーカーFa…
  8. 精密発酵でアニマルフリーなチーズを作るNutropyが約2.8億…

おすすめ記事

代替肉の米インポッシブルフーズが約560億円を調達、調達総額は2000億円を超過

代替肉企業インポッシブルフーズ(Impossible Foods)が最新のラウン…

米Wild Earth、2023年に細胞培養によるペットフード製品を市販予定

細胞培養で代替ペットフードを開発するWild Earthは先月、細胞由来のミート…

Oobli、精密発酵甘味タンパク質市場の拡大へ―Ingredionとの提携と日本企業からの出資で成長を加速

精密発酵で甘味タンパク質を開発する米スタートアップ企業Oobli(旧称Joywe…

中国の培養肉業界の今をクローズアップ-2021年11月-【政策/企業の開発動向/投資動向/法規制】

今年、中国の培養肉企業2社に対し資金調達が実施された。この記事では、中国…

ビーガンペットフードのWild Earthが約25億円を調達、来年に細胞培養ペットフード発売へ

ビーガンペットフードを販売する米Wild Earthが、シリーズAで2300万ド…

小麦胚芽由来の低コスト成長因子を開発する名大発スタートアップNUProteinの挑戦

食糧危機・環境問題の解決策として期待される培養肉の生産コスト低減を目指して、コム…

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

2025年・培養魚企業レポート販売開始

最新記事

▼メルマガ登録はこちらから▼

フードテックの海外ニュースを週1回まとめてお届けしております。

 

ご登録いただいた方には、国内外の培養肉開発に取り組む企業101社をまとめたレポート(全23ページ)を無料でお配りしております(2022年3月更新版)。

 

最新のフードテックニュースを逃したくない方におすすめです。

 

 

▶メールマガジン登録はこちらから

▼聞き流しフードテックニュース▼

 

 

 

Foovo Deepのご案内

Foovoの記事作成方針に関しまして

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

2025年・培養魚企業レポート販売開始

【FoovoBridge】日本のフードテックニュースを海外へ発信する英語サイト

フードテックを理解するのに役立つ書籍

夢の細胞農業 培養肉を創る

夢の細胞農業 培養肉を創る

羽生雄毅
1,707円(07/11 15:27時点)
Amazonの情報を掲載しています
培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

竹内 昌治, 日比野 愛子
572円(07/12 01:27時点)
発売日: 2022/12/06
Amazonの情報を掲載しています
フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

田中宏隆, 岡田亜希子, 瀬川明秀
1,782円(07/12 05:24時点)
発売日: 2020/07/23
Amazonの情報を掲載しています
マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

アンドレ・アンドニアン, 川西剛史, 山田唯人
1,980円(07/11 21:30時点)
発売日: 2020/08/22
Amazonの情報を掲載しています
クリーンミート 培養肉が世界を変える

クリーンミート 培養肉が世界を変える

ポール・シャピロ
1,782円(07/11 13:30時点)
発売日: 2020/01/09
Amazonの情報を掲載しています
培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

石井金子
698円(07/12 00:37時点)
発売日: 2022/02/20
Amazonの情報を掲載しています
PAGE TOP