アグテック

農業スタートアップRevol Greensが約71億円を資金調達、テキサスに温室施設建設へ

 

ミネソタ州を拠点に温室農業を展開するRevol Greensは、3つ目の温室施設をテキサス州に建設するために6800万ドル(約71億円)を調達した。

ラウンドはEquilibrium Capitalが主導。

Revol Greensのこれまでの資金調達は総額2億1500万ドル(約226億円)となる。

同社は調達した資金を、テキサス州に建設予定の80エーカー(約32万㎡)規模の温室施設に使う。これは同社3つ目の温室となり、完成するとレタスを生産する世界最大の温室となる。

Revolは環境制御型農業(Controlled environment agriculture, CEA)を導入することで、従来の農業に変わる農業を実現している。

たとえば、Closed loop hydroponicという技術(画像赤枠)を用いて、根を通過した水を収集、再利用することで、水や肥料の無駄な排出を削減している。こうすることで、従来の農業では排出された水を無駄にしなくてすむという。このほか、植物の成長に関するデータを収集し、必要な水や肥料の量を確認している。

出典:Aquaponics Food Production Systems pp 77-110 Hydroponic Technologies

温室農業にテクノロジーを導入するのはRevolだけではない。

次にあげる競合他社の動向も見逃せない。

AppHarvest アパラチアに巨大温室施設を建設中。2800万ドル(約29億円)を調達したばかり。
Iron Ox 温室にロボットを導入。2020年9月に2000万ドル(約21億円)を調達。
Lufa Farms
2020年8月にカナダ・モントリオールに世界最大の屋上温室を開業。

 

Revolは2016年に設立された農業スタートアップ。

同社初の温室施設は2018年にミネソタ州オワトナに建設された。2つ目の温室は、カリフォルニア州テハチャピに建設されている。

Revolの理念は「地元の野菜は地元で生産する」。

今後3年間で新たに2つの温室施設の建設を予定している。

 

参考記事

Revol Greens Raises $68M to Build Out High-Tech Greenhouses in the U.S.

Revol Greens secures funding for new greenhouse facility

With $68 million in funds, Minnesota’s Revol Greens to expand in Texas

World’s Largest Rooftop Greenhouse Opens In Quebec

Hydroponics: Closed-Loop Indoor Food Production

 

関連記事

  1. マイクロ流体チップによる農業用栄養分析デバイスを開発したNord…
  2. イリノイ州が精密発酵の推進に向けて、iFAB Tech Hubに…
  3. 農業データ収集ソフトのArableが約20億円を資金調達
  4. 二酸化炭素から動物飼料用のタンパク質を作るDeep Branch…
  5. 塩生植物からルビスコタンパク質を抽出するThe Leaf Pro…
  6. 米Força Foods、スイカの種由来の代替ミルクを発売|アイ…
  7. 米食品大手Mars、CRISPRでカカオ開発加速へ──Pairw…
  8. 植物工場のスプレッドが40億円を調達、代替肉・いちごの新規事業を…

おすすめ記事

フランスのVital Meat、初の培養肉試食会をシンガポールで開催|シンプルなアプローチで培養鶏肉の早期市場投入を目指す

フランスの培養肉企業Vital Meatは、シンプルなペースト状の培養鶏肉を活用…

UPSIDE Foodsが米レストランで培養鶏肉の販売を実現

UPSIDE Foodsは今月1日、アメリカ、サンフランシスコのレストラン「Ba…

スペインのLibre Foodsが菌糸体由来の代替鶏胸肉を発表、2024年に発売へ

菌糸体を活用して代替肉を開発するスペイン企業Libre Foodsは先月、欧州初…

ドイツのBluu Seafoodと中国のCellXが「細胞農業を現実のものとする」ために協業

ドイツの培養魚企業Bluu Seafoodと中国の培養肉企業CellXは今月、持…

農家に植物の「内なる声」を伝えるInnerPlantが約6.2億円を調達、植物のSOSを事前にキャッチ

自らSOSを発する「センサー植物」を開発するInnerPlantがプレシード、シ…

スイスのPlanted、ドイツに新工場開設|需要増の「Planted.steak」対応で生産能力2倍に

スイスの代替肉企業Plantedは今月17日、ドイツ南部のメミンゲンに新たな生産…

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

精密発酵ミニレポート発売のお知らせ

▼聞き流しフードテックニュース▼

 

 

 

▼メルマガ登録はこちらから▼

フードテックの海外ニュースを週1回まとめてお届けしております。

 

▶メールマガジン登録はこちらから

Foovo Deepのご案内

Foovoの記事作成方針に関しまして

最新記事

Foovoセミナー(年3回開催)↓

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

2025年・培養魚企業レポート販売開始

【FoovoBridge】日本のフードテックニュースを海外へ発信する英語サイト

フードテックを理解するのに役立つ書籍

夢の細胞農業 培養肉を創る

夢の細胞農業 培養肉を創る

羽生雄毅
1,760円(10/23 16:09時点)
Amazonの情報を掲載しています
培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

竹内 昌治, 日比野 愛子
572円(10/24 02:38時点)
発売日: 2022/12/06
Amazonの情報を掲載しています
フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

田中宏隆, 岡田亜希子, 瀬川明秀
1,782円(10/24 06:16時点)
発売日: 2020/07/23
Amazonの情報を掲載しています
マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

アンドレ・アンドニアン, 川西剛史, 山田唯人
1,980円(10/23 22:09時点)
発売日: 2020/08/22
Amazonの情報を掲載しています
クリーンミート 培養肉が世界を変える

クリーンミート 培養肉が世界を変える

ポール・シャピロ
1,980円(10/24 14:10時点)
発売日: 2020/01/09
Amazonの情報を掲載しています
培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

石井金子
698円(10/24 01:27時点)
発売日: 2022/02/20
Amazonの情報を掲載しています
PAGE TOP