包装

米Newlightの生分解性プラスチックAirCarbon、プラスチック汚染と温室効果ガスの同時解決へ

>> <<

 

カリフォルニアのNewlightは、温室効果ガス排出と海洋プラスチック問題を同時に解決する商品AirCarbonを開発した。

使うのは、海にいる微生物。

微生物を使って温室効果ガスを分解されるプラスチックPHBに変えるのだ。

「大気中に放出される二酸化炭素を役に立つものに変えられないか?」という問いを抱いた同社CEOのMark Herremaは、自然界では温室効果ガスを日常的に物質に変換していることに着想を得た。

NewlightCEO・共同創業者のMark Herrema 出典:World Economic Forum

海の中では日常的に、微生物がメタンや二酸化炭素を餌として摂取して、PHBというプラスチックに変換している。

PHBは微生物が飢餓に備えて菌体内に生産・蓄積するもので、環境の中で自然に分解される。

出典:NEWLIGHT TECHNOLOGIES

Mark Herremaはこのプロセスを「陸」で再現できないか考えた。

研究を続けて10年。

Newlightは微生物が行うプロセスを陸で再現することに成功した。

海洋微生物を含む海水、炭鉱由来の空気・メタン、この2つを混合し、微生物の中に物質を作り出した。この物質が同社の商品AirCarbonだ。

微生物の中に合成されたPHBを抽出し、微細な白い粉末に加工する。こうしてできたAirCarbonは、椅子、スマホケース、スプーン、ストローなど溶かしてさまざまな形状に変えることができる。

AirCarbonを使ったストロー 出典:NEWLIGHT TECHNOLOGIES

AirCarbonは微生物を使って作られているため、自然界で分解される。

メリットは環境に負荷がかからないだけではない。同じタイプの海洋微生物が存在しなければ、分解されることはない。

つまり、AirCarbonは耐久性があり、洗浄可能で、何度も使えるということだ。

使い捨てプラスチックによるプラスチック汚染を解消できるだけでなく、温室効果ガスの排出削減にも貢献できる。

温室効果ガスの削減効果については、AirCarbonを1kg製造すると、二酸化炭素88kgを相殺できるという。このように、AirCarbonを作ることで排出される温室効果ガスよりも、相殺される温室効果ガスの方がはるかに多い

同社は2007年から10年間、パイロットプラント(本格的な工場を建設する前に使用する中規模の工場のこと)での実験を経て、2019年に世界初となる工業規模のAirCarbon用生産システムを完成させた。

出典:NEWLIGHT TECHNOLOGIES

ただし、PHBの海洋での分解率については、疑問が残る。

ドイツのバイロイト大学が行った研究によると、PHBを海水に1年間浸したところ、分解率は8%未満だったという結果がでている。この実験では期間が1年間と限定されているため、より長期に観察を続けた結果はわからない。

出典:Fate of So‐Called Biodegradable Polymers in Seawater and Freshwater

Newlight社HPにあるグラフによると、海中で長期間にわたって分解されていくことが読みとれる。

AirCarbonはストローやスプーンとして商品化されているほか、サングラスや財布などに使う「革」としても使用されている。

FDAに食品接触物質として承認もされており、今後は食の領域でも、使い捨てプラスチックに変わる製品となるだろう。

 

参考記事

Biodegradable, Carbon-Negative Straws and Cutlery Could Help Stop Plastic Pollution

restore-newlight-brand

Fate of So‐Called Biodegradable Polymers in Seawater and Freshwater

 

 

***無料レポートプレゼントのご案内***

無料メールマガジンに登録いただいた方限定で、 

国内外の培養肉開発に取り組む企業をまとめたレポートを無料でお配りしております。

●全66社

●全15ページ

の無料レポートです。

登録は1分で終わりますので、ぜひこの機会にご利用ください。

メールマガジンにご登録いただいた方には、 週1~2回フードテックの最新ニュースをお届けしております。

↓↓↓↓↓

メールマガジン登録はこちらから

 

>> <<

関連記事

  1. コカ・コーラが紙ボトル試作品を発表、廃棄物のない世界を目指す
  2. 「食べられる」食品包装用フィルムをインド・ロシア研究チームが開発…
  3. Impact Snacksが世界初のカーボンポジティブな植物性ス…

おすすめ記事

カクテルに3DプリントするPrint a Drink、企業向けの小型3Dプリンターを開発

フード3Dプリンターという言葉を聞いたことある人は少なくないだろう。工業…

フードロス削減のために米Surge Alertが開発した気候モニタリングデバイス

フードロスを減らすため、ニューヨークを拠点とするSurge Alertは24時間…

微生物発酵で飲食用のアニマルフリーなコラーゲンを開発する米Geltor、今秋市販化へ

アニマルフリーなコラーゲンを開発するGeltorが、ヴィーガンコラーゲンPrim…

スペイン政府がBioTech Foodsの主導する培養肉プロジェクトに約6億5千万円を出資

スペインの培養肉スタートアップBioTech Foodsはスペイン政府から520…

トッピングから焼き上げまで3分で完成するピザ自販機Piestro

新型コロナウイルスの影響により、人との接触を減らせる「次世代自販機」が海外では注…

卵黄・卵白に分かれた植物ベースの全卵を開発するFloat Foodsが約1億8000万円を調達

シンガポールを拠点とするフードテック企業Float Foodsが、シードラウンド…

Foovoレポート好評販売中

▼聞き流しフードテックニュース▼

▼メルマガ登録はこちらから▼

フードテックの海外ニュースを週1回まとめてお届けしております。

 

ご登録いただいた方には、国内外の培養肉開発に取り組む企業66社をまとめたレポート(全15ページ)を無料でお配りしております。

 

最新のフードテックニュースを逃したくない方におすすめです。

 

 

▶メールマガジン登録はこちらから

最新記事

フードテックを理解するのに役立つ書籍

フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

田中宏隆, 岡田亜希子, 瀬川明秀
1,782円(09/17 14:38時点)
発売日: 2020/07/23
Amazonの情報を掲載しています
マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

アンドレ・アンドニアン, 川西剛史, 山田唯人
1,980円(09/17 08:30時点)
発売日: 2020/08/22
Amazonの情報を掲載しています
クリーンミート 培養肉が世界を変える

クリーンミート 培養肉が世界を変える

ポール・シャピロ
1,881円(09/17 19:03時点)
発売日: 2020/01/09
Amazonの情報を掲載しています
PAGE TOP