毎回の食事で血糖値への影響が気になる人に、事前に食品が血糖値に与える影響を予測分析できるアプリが登場した。
カリフォルニアを拠点とするスタートアップ企業January AIは今月開催されたCESで、3製品目となる最新アプリ「January app」を発表した。
「January app」は同社が臨床検証した独自のモデル、トレーニングデータ、人口統計情報を活用しており、ユーザーは食事をスキャンするだけで、血糖値に関する洞察、主要栄養素、代わりの食事などフィードバックを得ることができる。
January AIはこのアプリについて、「持続血糖モニター(CGM)を一度も装着したことがない人々に血糖値に関する革新的な洞察を提供する」ものだと述べている。
糖尿病スクリーニングにひそむギャップ
高血糖は、糖尿病だけでなく、心疾患、慢性腎疾患、精神疾患の増加に関連しているため、食品の血糖値への影響を管理することはますます重要になっている。
米国疾病予防管理センター(CDC)によると、アメリカでは糖尿病患者は全人口の11.6%となる3,840万人おり、その22.8%は診断を受けていないと推定されている。糖尿病と確定されていないものの、罹患する可能性のある糖尿病予備軍は9,760万人と、アメリカ成人の38%を占めている。
糖尿病予備軍は健康診断では発見が難しく、発見するには、健診時の空腹時血糖ではなく、食後の血糖値上昇を確認しなければならない。しかし、血糖測定ツールは確定診断を受けなければ保険対象とはならないのが現状だ。
血糖値を測定するツールには、持続血糖モニター(CGM)と呼ばれるデバイスが使用されるが、糖尿病と診断されていない限り自己負担となる。例えば、国内でも販売されているアボットの血糖値モニター「フリースタイルリブレ」は自己負担の場合、2週間で7000円を超える費用を払わねばならない。
つまり、糖尿病のリスクがあるかを早期に発見するには、安いとは言い難い医療機器に頼らねばならないのが現状だ。January AIは、こうしたスクリーニングに存在するギャップに着目した。
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アイキャッチ画像の出典:January AI