3Dプリンター

Aleph Farmsと三菱商事が日本での培養肉導入に向けて協業

 

イスラエルの培養肉スタートアップAleph Farms(アレフファームズ)三菱商事の食品産業グループは5日、日本へ培養肉導入について了解覚書(MOU)を交わした

Aleph Farmsといえば、昨年、宇宙で培養肉を生産するという野心的な計画を発表したイスラエルのスタートアップ企業。

プレスリリースによると、Aleph Farmsは、培養ステーキを製造するための製造プラットフォーム(BioFarm)を提供し、三菱商事は、バイオテクノロジープロセス、ブランド力のある食品加工、日本での販売チャネルに関する知見を提供する。

ブルームバーグの報道によると、2022年にアジアで最初の培養肉を販売する予定で、日本は対象国「リストの上位」にあるという。

出典:Aleph Farms

Aleph Farmsの共同創業者・CEOであるDidier Toubiaは、三菱商事とのパートナーシップを「重要なマイルストーン」だとし、「選定されたパートナーと共に、海外展開に向けた基礎を順番に築いていく」と語っている。

三菱商事は、ほぼすべての産業をカバーする10のビジネスグループで構成され、90カ国にグループ会社1700社を有する。今回、了解覚書を交わした同社食品産業グループは、原料生産から最終食品加工まで、あらゆるフードサプライチェーンに携わる

Aleph Farmsと三菱商事は、東京を拠点とするルール形成戦略研究所が設立した「細胞農業研究会」のメンバーでもある。この研究会では、細胞農業食品の定義と構築に関する幅広い専門家を集め、日本の製品と技術に関する政策提言を提供している。

気候変動への対応

Aleph Farmsはプレスリリースの中で、三菱商事との協業は、気候変動への対応において主導的な役割を果たすと述べた。

日本政府は2050年までに温室効果ガス排出をゼロにするという目標を定めている

2020年4月、Aleph Farmsは2025年までに食肉生産に伴う排出量を削減し、2030年までにサプライチェーン全体で排出量を実質ゼロにすると約束した。

出典:Aleph Farms

今回発表された2社の協業は、食肉の需要が高まり続ける中、培養肉スタートアップ企業が既存の食品・食肉業界と提携して、新しい解決策を模索する良い事例となる。

プレスリリースによると、今回の日本との協業はAleph Farmsが立案した「BioFarm to Fork」という戦略的パートナーシップのネットワークの一部とされる。この戦略的パートナーシップの詳細は確認できていないが、対象エリアには、アジア太平洋、ラテンアメリカ、ヨーロッパが含まれている。

代替肉をめぐる動きが加速

環境・健康への懸念から、代替肉の需要は世界的に高まっている。

先月には、シンガポールが世界で初めて、培養肉の販売許可を承認した。米イート・ジャストの培養肉はシンガポールのレストランで販売されている。

こうした培養肉の「トレンド」はAleph Farmsにとっても無縁ではない。

先月には、イスラエルのネタニヤフ首相がAleph Farmsの工場を訪問、培養肉を試食した。

出典:イスラエル政府プレスオフィスのKoby Gidon

ネタニヤフ首相は、「おいしいし、罪悪感がない。(本物の肉との)違いがわからない」と感想を述べている。

イスラエルでは消費される牛肉の85%を輸入に頼っており、地元で肉を供給する仕組みを作るために、近年、イスラエル発の培養肉に取り組むスタートアップが次々と登場している。

SuperMeatはフィードバックをもらうことを条件に、培養肉を無料で試食できるレストランをオープンした。

Redefine Meatは3Dプリンターで植物肉を開発している。

Future Meatは培養肉の開発に取り組むが、幹細胞ではなく、結合組織を構成する線維芽細胞を使うことで、コストダウンを図る。同社は2021年早期に量産化する予定でおり、FDA承認についても自信を見せている。

3Dプリンターを使って6分で植物肉パテを作る技術を開発したSavorEatは、テルアビブ証券取引所に上場している。

Meat-Techは厚さ10mmの培養牛肉の作製に成功しており、Meat-Techもテルアビブ証券取引所に上場している。

Aleph Farmsの共同創業者・CEOであるDidier Toubia 出典:foodtank.com

一方、Aleph Farmsが日本へ進出するにあたり、競合となるのが日本発の培養肉企業だ。

インテグリカルチャーは培養肉開発のコストを削減するバイオリアクターを独自に開発。2021年に培養フォアグラ、2025年に培養ステーキ肉の販売を目指している

日本最新の培養肉スタートアップ・ダイバースファームは、人工臓器で蓄積したノウハウを培養肉開発に転用し、培養鴨肉を開発している。

国内外を見る限り、代替肉をめぐる状況は勢いを増している。

新しい技術が市民権を得るにはまだ乗り超えなければならないハードルがあるものの、今年も培養肉・植物肉の勢いは止まらないだろう。

 

参考記事

Aleph Farms and Mitsubishi Bring Cultivated Meat to Japan

Aleph Farms’ Cultured Meat Coming to Japan Courtesy of Mitsubishi

Aleph farms to Bring Lab-grown Meat to Japan with Mitsubishi’s Food Industry Group

 

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アイキャッチ画像の出典:アレフ・ファームズ

 

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