代替プロテイン

中国Dicosが米イート・ジャストの代替卵をメニューに追加、500店舗以上で販売を開始

 

↓音声はこちらから↓(登録不要・ワンクリックで聴けます)

 

中国の大手ファーストフード店Dicosが、植物ベースの代替卵をメニューに追加することを発表した。

追加する代替卵は、米イート・ジャストのジャスト・エッグ(JUST Egg)。

Dicosがこれまで提供していた卵パテは、緑豆から作られたジャスト・エッグに交換される。

中国大手ファーストフード店が、動物性卵から植物性卵に切り替えるのは今回が初とのこと。

上海、北京、広州、深圳、大連、長春、哈爾浜、海南などのDicos500店舗以上で、3つのモーニングバーガー、3つのベーグルサンドイッチ、洋風ベーグルプレートそれぞれにジャスト・エッグが導入される。

今回のジャスト・エッグ導入について、Dicosのマーケティング部長Xie Yahuiは「モーニングメニューにジャスト・エッグを導入することで、より多くの人がジャスト・エッグを味わえるようになります。お客様の反応を見て、さらにメニューを考えていきます」と語っている。

Dicosとイート・ジャストとの金銭的条件は明らかにされていないが、イート・ジャストのCEOジョシュ・テトリックは「新型コロナウイルスにより、人々の中国の食の安全に対する意識が変わった」と語り、同社が中国の他のレストランチェーンとも、ジャスト・エッグの提供について交渉中であることを明かした。

イート・ジャストが中国へ進出したのは2019年。

大手ECサイト・アリババ傘下の天猫とJD.comでジャスト・エッグの販売を開始した。一部の小売店やレストランでも販売されており、最近上海にオープンしたグリーンマンデー傘下のヴィーガンカフェGreenCommonでも販売されている。

昨年10月には投資機関Proterraから1億ドル(約100億円)の出資を受け、アジア初となる生産工場をシンガポールに建設することを発表した。

2020年、中国では大手ファーストフード店が植物メニューを追加する流れが加速した。

スターバックスKFC(ケンタッキー・フライド・チキン)バーガーキングピザハットなどのブランドが中国で植物ベースのメニューを提供した。

先月には中国バーガーキングが植物肉バーガーのメニューを追加。植物パテは、オランダ企業ベジタリアンブッチャーのパテを使用しており、今年第2四半期からは全店舗で提供される予定。

Dicosは今回のイート・ジャストとの提携に先立ち、昨年11月に中国代替肉企業Starfieldの植物パテを使ったバーガーを全国で一斉販売している。

「中国では安全で、クリーンで抗生物質を使わないタンパク質への意識が高まっている」とテトリックが語るように、今後も、安全で持続可能性のある代替食に対するニーズの高まりとともに、多くの国内外のプレーヤーが中国市場へ進出していくと考えられる。

イート・ジャストは2011年にサンフランシスコに設立されたフードテックのスタートアップ。代替卵のほかに培養肉も開発しており、先月には世界で初めて、シンガポールで培養肉の販売許可を取得した。

 

参考記事

Eat Just与中国连锁餐饮品牌德克士携手推出植物蛋早餐

不止奶和肉,植物蛋也来中国市场!这家快餐巨头今天宣布携手了

China’s Dicos adds plant-based egg from U.S. firm Eat Just to fast food menus

Dicos, One of China’s Leading Fast-Food Chains, Adds Plant-Based JUST Egg to Menu

China’s Dicos adds plant-based eggs from US’ Eat Just to fast food menus

 

関連記事

 

アイキャッチ画像の出典:不止奶和肉,植物蛋也来中国市场!这家快餐巨头今天宣布携手了

 

関連記事

  1. Nature’s Fyndの微生物発酵によるタンパク質「Fy」が…
  2. アレフ・ファームズがスイス当局に培養肉の申請を提出、欧州で初
  3. 牛乳の全成分を含んだ培養ミルクを開発するカナダ企業Opalia
  4. 酵母由来の代替パーム油で2023年上市を目指す英Clean Fo…
  5. オランダ、培養肉の承認前試食の実施を認める 年内に試食会実施へ
  6. サケ・マス・コイを開発する欧州初の培養魚Bluu Bioscie…
  7. ネスレはコルビオンと提携して植物由来食品用の素材を微細藻類から探…
  8. ドイツの培養脂肪Cultimate Foodsが約1億円を調達、…

精密発酵レポート好評販売中

おすすめ記事

イスラエルのEver After Foodsが「破壊的な」培養肉生産プラットフォームを発表

費用対効果の良い培養肉生産プラットフォームを開発するイスラエル企業Ever Af…

「チキンのテスラ」で知られる植物肉の米SIMULATEが約55億円を調達

植物ベースのチキンナゲットを開発するSIMULATEがシリーズBラウンドで500…

代替母乳のBiomilqがシリーズAで約24億円を調達

細胞培養により代替母乳を開発するBiomilqがシリーズAで2100万ドル(約2…

培養魚のブルーナル、粗利率75%を達成するための技術開発を発表

培養魚を開発する米ブルーナル(BlueNalu)は、大量生産に向けた運用コスト・…

菌糸体から代替肉を作るAtlast Foodが約43億円を調達

菌糸体から代替肉を開発するAtlast FoodがシリーズAで4000万ドル(約…

GOOD Meat、世界最大の培養肉用バイオリアクターの製造へ

イート・ジャストの培養肉部門GOOD Meatはバイオプロセス機器のリーディング…

Foovoの記事作成方針に関しまして

【2024年】培養魚企業レポート好評販売中

精密発酵レポート好評販売中

Foovo Deepのご案内

▼聞き流しフードテックニュース▼

 

 

▼運営者・佐藤あゆみ▼

▼メルマガ登録はこちらから▼

フードテックの海外ニュースを週1回まとめてお届けしております。

 

ご登録いただいた方には、国内外の培養肉開発に取り組む企業101社をまとめたレポート(全23ページ)を無料でお配りしております(2022年3月更新版)。

 

最新のフードテックニュースを逃したくない方におすすめです。

 

 

▶メールマガジン登録はこちらから

最新記事

フードテックを理解するのに役立つ書籍

夢の細胞農業 培養肉を創る

夢の細胞農業 培養肉を創る

羽生雄毅
1,671円(04/26 12:13時点)
Amazonの情報を掲載しています
培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

竹内 昌治, 日比野 愛子
572円(04/25 21:31時点)
発売日: 2022/12/06
Amazonの情報を掲載しています
フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

田中宏隆, 岡田亜希子, 瀬川明秀
1,782円(04/26 01:03時点)
発売日: 2020/07/23
Amazonの情報を掲載しています
マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

アンドレ・アンドニアン, 川西剛史, 山田唯人
1,980円(04/25 18:05時点)
発売日: 2020/08/22
Amazonの情報を掲載しています
クリーンミート 培養肉が世界を変える

クリーンミート 培養肉が世界を変える

ポール・シャピロ
1,782円(04/26 10:47時点)
発売日: 2020/01/09
Amazonの情報を掲載しています
培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

石井金子
498円(04/25 21:01時点)
発売日: 2022/02/20
Amazonの情報を掲載しています
PAGE TOP