レストランテック

未来のバーテンダーはロボット?Rotenderはドリンクを大量に作る自販機ロボットを開発

 

海外の自動販売機の中には、これまでの決まったものだけ注文する仕組みではなく、ドリンクやフードの調理・トッピング機能が本体に搭載された自販機が登場している。

2020年に話題になった『フードテック革命』の中で、こうした次世代自販機は自販機3.0と紹介されている。

フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

田中宏隆, 岡田亜希子, 瀬川明秀
1,782円(11/09 06:21時点)
発売日: 2020/07/23
Amazonの情報を掲載しています

 

自販機3.0は、2020年の新型コロナの感染拡大を受けて需要が高まっており、新しいスタートアップが続々と登場している。

その中でも、Rotenderはお酒を含むドリンクに特化した自動販売機を開発している。

出典:Rotender

コーヒーなどドリンク用自販機ロボットの多くがロボットアームをつけるのに対し、Rotenderは四角いボックス型で、ロボットアームは搭載していない。

その理由として、「スピード」「導入コスト」をあげている。

ナイトクラブなどお酒が提供されるお店では、すべてのドリンクがシェイクするフリップスタイルではない。

お酒をグラスに注ぐという単調だが、大量に発生する作業をロボットに任せようというのがRotenderの狙いとなる。

Rotenderには16本のボトル(1ボトルは1L)と5種類のシロップがあり、15秒で1杯のドリンクを作れる

在庫をフルに補充すれば、最大350杯を提供できる

顧客がスマホのQRコードを自販機にスキャンすると、アプリにRotenderのメニューが表示される。顧客はドリンクのメニューを選んで、決済してから、グラスを自販機に置き、再度QRコードをスキャンする。

気になるのは年齢確認だろう。現在、Rotenderは年齢確認を現場で行っているが(おそらく人が確認している)、今後はソフトウェアを導入したいとしている。

出典:Rotender

Rotenderはロボットだが、飲みすぎ防止にも役立つ

注文はアプリを通じて行われるため、自販機は個々の顧客の注文履歴を把握している。同じ顧客が1時間にたくさん注文をする場合は、その顧客には提供を停止するようになっている。

他社の中には「ロボットらしさ」を演出するために、ロボットアームを使うロボット型バーテンダーを開発している企業もある。

Rotenderがロボットアームを導入せず、お酒の提供に注力する方向性を選んだ理由は、速さと安さを重視したためだという。

Rotenderは人通りの多い場所でお酒を大量生産することを想定している。

こうした場所で、ジン、ラム、トニックベースの簡単なドリンクをRotenderが担当し、より複雑なドリンクは人間のバーテンダーが担当するイメージとなる。

Rotenderのリース価格は1ヵ月999ドルロボットアーム付きにすると、リース価格は何万ドルになるという。

ロボットアームは演出効果としては抜群だが、高価なロボットアームをつけないことで、飲食店にとっては現実的な選択肢となる。装置のリース台のほか、1杯毎の手数料もRotenderの収益となる。

現在、カリフォルニア州とネバダ州の顧客にRotenderをリースしており、今後はロサンゼルスのバーでパイロット運用をする予定だとしている。

 

参考記事

Rotender is a Drink Making Robot Built for High-Volume Bars

 

 

関連記事

  1. 新鮮な食材を買える自販機3.0のFarmer’s fridgeが…
  2. テックマジック、炒め調理ロボット「I-Robo2」を駅構内に初導…
  3. カナダ企業のピザ自販機PizzaFornoが北米3ヵ国に進出
  4. カクテルに3DプリントするPrint a Drink、企業向けの…
  5. トッピングから焼き上げまで3分で完成するピザ自販機Piestro…
  6. フランスのピザロボットレストランPazziが操業停止
  7. なぜ今、食品メーカーが手を組むのか?|共通課題に挑む「未来型食品…
  8. Amazonで圧倒的な高評価を誇る家庭用カクテルロボットのBar…

おすすめ記事

砂糖削減・代替砂糖ソリューションを開発するスタートアップ企業13社まとめ

砂糖の過剰摂取による健康上の不安から、砂糖のイノベーションに取り組むスタートアッ…

食料品店の救世主!食品廃棄を減らして売上を伸ばすShelf Engineが約44億円を調達

食料品店が直面する食品廃棄・在庫切れ問題を、AIを活用して解決するShelf E…

培養魚のB2B製造ソリューションの提供を目指すUmami Bioworks、年内にシンガポールで申請へ【創業者インタビュー】

世界のシーフード消費が増えるなか、絶滅の危機に瀕している魚種を細胞培養により開発…

二酸化炭素からタンパク質を作る英ディープ・ブランチ、アイスランド国営電力会社と提携

二酸化炭素を原料に持続可能で高品質な食品・飼料用タンパク質を開発するイギリス企業…

イート・ジャストの植物性代替卵「Just Egg」、イギリスでまもなく販売開始

出典:Eat Justイート・ジャストの代替卵Just Eggが、数週間以内にイギリスのオンライ…

細胞培養ミルクを開発するカナダのOpalia、大手乳業サプライヤーHoogwegtから購入注文を受注

牛に依存せずに、細胞培養ミルクを開発するOpalia(旧称Bettermilk)…

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

▼聞き流しフードテックニュース▼

 

 

 

精密発酵ミニレポート発売のお知らせ

最新記事

【FoovoBridge】日本のフードテックニュースを海外へ発信する英語サイト

▼メルマガ登録はこちらから▼

フードテックの海外ニュースを週1回まとめてお届けしております。

 

▶メールマガジン登録はこちらから

Foovo Deepのご案内

Foovoの記事作成方針に関しまして

Foovoセミナー(年3回開催)↓

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

2025年・培養魚企業レポート販売開始

フードテックを理解するのに役立つ書籍

夢の細胞農業 培養肉を創る

夢の細胞農業 培養肉を創る

羽生雄毅
1,760円(11/09 16:13時点)
Amazonの情報を掲載しています
培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

竹内 昌治, 日比野 愛子
572円(11/09 02:48時点)
発売日: 2022/12/06
Amazonの情報を掲載しています
フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

田中宏隆, 岡田亜希子, 瀬川明秀
1,782円(11/09 06:21時点)
発売日: 2020/07/23
Amazonの情報を掲載しています
マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

アンドレ・アンドニアン, 川西剛史, 山田唯人
1,980円(11/09 22:13時点)
発売日: 2020/08/22
Amazonの情報を掲載しています
クリーンミート 培養肉が世界を変える

クリーンミート 培養肉が世界を変える

ポール・シャピロ
1,782円(11/09 14:14時点)
発売日: 2020/01/09
Amazonの情報を掲載しています
培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

石井金子
698円(11/09 01:31時点)
発売日: 2022/02/20
Amazonの情報を掲載しています
PAGE TOP