レストランテック

未来のバーテンダーはロボット?Rotenderはドリンクを大量に作る自販機ロボットを開発

 

海外の自動販売機の中には、これまでの決まったものだけ注文する仕組みではなく、ドリンクやフードの調理・トッピング機能が本体に搭載された自販機が登場している。

2020年に話題になった『フードテック革命』の中で、こうした次世代自販機は自販機3.0と紹介されている。

フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

田中宏隆, 岡田亜希子, 瀬川明秀
1,782円(12/20 06:41時点)
発売日: 2020/07/23
Amazonの情報を掲載しています

 

自販機3.0は、2020年の新型コロナの感染拡大を受けて需要が高まっており、新しいスタートアップが続々と登場している。

その中でも、Rotenderはお酒を含むドリンクに特化した自動販売機を開発している。

出典:Rotender

コーヒーなどドリンク用自販機ロボットの多くがロボットアームをつけるのに対し、Rotenderは四角いボックス型で、ロボットアームは搭載していない。

その理由として、「スピード」「導入コスト」をあげている。

ナイトクラブなどお酒が提供されるお店では、すべてのドリンクがシェイクするフリップスタイルではない。

お酒をグラスに注ぐという単調だが、大量に発生する作業をロボットに任せようというのがRotenderの狙いとなる。

Rotenderには16本のボトル(1ボトルは1L)と5種類のシロップがあり、15秒で1杯のドリンクを作れる

在庫をフルに補充すれば、最大350杯を提供できる

顧客がスマホのQRコードを自販機にスキャンすると、アプリにRotenderのメニューが表示される。顧客はドリンクのメニューを選んで、決済してから、グラスを自販機に置き、再度QRコードをスキャンする。

気になるのは年齢確認だろう。現在、Rotenderは年齢確認を現場で行っているが(おそらく人が確認している)、今後はソフトウェアを導入したいとしている。

出典:Rotender

Rotenderはロボットだが、飲みすぎ防止にも役立つ

注文はアプリを通じて行われるため、自販機は個々の顧客の注文履歴を把握している。同じ顧客が1時間にたくさん注文をする場合は、その顧客には提供を停止するようになっている。

他社の中には「ロボットらしさ」を演出するために、ロボットアームを使うロボット型バーテンダーを開発している企業もある。

Rotenderがロボットアームを導入せず、お酒の提供に注力する方向性を選んだ理由は、速さと安さを重視したためだという。

Rotenderは人通りの多い場所でお酒を大量生産することを想定している。

こうした場所で、ジン、ラム、トニックベースの簡単なドリンクをRotenderが担当し、より複雑なドリンクは人間のバーテンダーが担当するイメージとなる。

Rotenderのリース価格は1ヵ月999ドルロボットアーム付きにすると、リース価格は何万ドルになるという。

ロボットアームは演出効果としては抜群だが、高価なロボットアームをつけないことで、飲食店にとっては現実的な選択肢となる。装置のリース台のほか、1杯毎の手数料もRotenderの収益となる。

現在、カリフォルニア州とネバダ州の顧客にRotenderをリースしており、今後はロサンゼルスのバーでパイロット運用をする予定だとしている。

 

参考記事

Rotender is a Drink Making Robot Built for High-Volume Bars

 

 

関連記事

  1. 【10/16】現地レポート会:フィンランド&シンガポールにおける…
  2. Basil Streetがピザ自販機をアメリカの国際空港に導入、…
  3. フードテックの祭典Smart Kitchen Summit 20…
  4. 農林水産省が培養肉、CO2タンパク質生産、泡盛粕のアップサイクル…
  5. 3分でサクサクのピザを焼くBasil Streetのピザ自販機
  6. Moley Roboticsが全自動調理ロボットのショールームを…
  7. 米セブン-イレブンとNuroがカリフォルニアで自動運転車による配…
  8. 1時間に350杯のカクテルを作るバーテンダーロボット「Backb…

おすすめ記事

植物の葉緑体を活用して成長因子を開発するBright Biotechが約4億円を調達

分子農業で培養肉用の成長因子を開発する英Bright Biotechはシードラウ…

Planetaryのマイコプロテイン製品、ALDI SUISSEがスイス242店舗で販売開始──欧州マイコプロテイン市場の今

出典:Planetaryスイスのディスカウント系大手スーパー、ALDI SUISSEは先月、同国…

UPSIDE Foodsが米レストランで培養鶏肉の販売を実現

UPSIDE Foodsは今月1日、アメリカ、サンフランシスコのレストラン「Ba…

TurtleTree Scientificが商用規模での細胞培養培地の開発でJSBiosciencesと提携

細胞農業に取り組むTurtleTree Scientificが、商用規模での細胞…

漁業者と消費者をダイレクトにつなげるE-Fish、48時間以内に新鮮魚を宅配

アメリカで漁師と消費者をダイレクトにつなげる新しいサービスがある。獲れた…

Apeel Sciencesが約31億円を資金調達、小規模農家の市場アクセス改善を本格支援

このニュースのポイントApeel Science…

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

▼聞き流しフードテックニュース▼

 

 

 

精密発酵ミニレポート発売のお知らせ

最新記事

【FoovoBridge】日本のフードテックニュースを海外へ発信する英語サイト

▼メルマガ登録はこちらから▼

フードテックの海外ニュースを週1回まとめてお届けしております。

 

▶メールマガジン登録はこちらから

Foovo Deepのご案内

Foovoの記事作成方針に関しまして

Foovoセミナー(年3回開催)↓

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

2025年・培養魚企業レポート販売開始

フードテックを理解するのに役立つ書籍

夢の細胞農業 培養肉を創る

夢の細胞農業 培養肉を創る

羽生雄毅
1,760円(12/20 16:25時点)
Amazonの情報を掲載しています
培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

竹内 昌治, 日比野 愛子
572円(12/20 03:06時点)
発売日: 2022/12/06
Amazonの情報を掲載しています
フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

田中宏隆, 岡田亜希子, 瀬川明秀
1,782円(12/20 06:41時点)
発売日: 2020/07/23
Amazonの情報を掲載しています
マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

アンドレ・アンドニアン, 川西剛史, 山田唯人
1,980円(12/19 22:25時点)
発売日: 2020/08/22
Amazonの情報を掲載しています
クリーンミート 培養肉が世界を変える

クリーンミート 培養肉が世界を変える

ポール・シャピロ
1,782円(12/20 14:24時点)
発売日: 2020/01/09
Amazonの情報を掲載しています
培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

石井金子
698円(12/20 01:48時点)
発売日: 2022/02/20
Amazonの情報を掲載しています
PAGE TOP