レストランテック

フランスのピザロボットレストランPazziが操業停止

 

フランス、パリに設置されていたピザロボットレストランPazziが操業を停止した。

Pazziは、生地のならしから、トッピング、焼き上げ、箱にいれる作業までをすべてロボットが行う自動化レストランを昨年7月にオープンした。

フランス文化中心の地・パリに設置するという独創的かつ挑戦的な試みが注目されたが、PazziのCEO Philippe Goldman氏が今月リンクトインに投稿した記事によると、レストランの買い手が見つかっていたものの、買い手による契約撤回となり、会社は清算することとなった。

Goldman氏は操業停止に至った主な理由について、フランスのハードウェアエコシステムが未熟で、公的資金と機関投資家による資金いずれの点においても不十分であること、ソフトウェア文化に対しロボットに対する評価が低く、ロボット工学に対して一般に不信感があり、雇用を奪うだけだと非難されることを挙げている。

(Goldman氏は、世界で最もロボット化された国は失業率が最も低いと補足している)。

出典:Pazzi

高品質でおいしい、手頃な価格のピザに、誰もがいつでもアクセスできることを目指して2013年に設立されたPazziは自動化のパイオニアとして、5年以上生存するスタートアップ企業の1社となった。5つの特許を出願し、世界中から3000を超えるリクエストが寄せられ、累計1380万ドル(当時約15億円)を調達していた。

過去1年で提供したピザは115,000枚以上にのぼる

Pazziは35名の従業員を解雇する予定で、レストランはすでに閉鎖されている。

今年5月にはピザ自販機のBasil Streetが操業を停止しており、ピザロボットレストランではPazziは2例目の解散事例となった。Basil Streetも操業停止の理由の1つに資金不足を挙げていた。

 

参考記事

The end of the journey for Pazzi Robotics

 

関連記事

アイキャッチ画像の出典:Pazzi

 

関連記事

  1. xRoboticsのピザロボットがピザ店での試験運用を完了、80…
  2. 米Uprootによる大学向けの植物ミルクディスペンサー|植物ミル…
  3. 自律型サービスロボットを開発したBear Roboticsがシリ…
  4. 米サラダチェーンSweetgreenが自動レストランをオープン
  5. インド発!ドーサ、ロティ、ビリヤニを作るMukunda Food…
  6. スーパー・薬局が自宅までやってくる!Robomartの移動型スー…
  7. イスラエル企業Ansāが開発した電波を利用したコーヒー焙煎機e2…
  8. 中国OrionStar(猎户星空)がバリスタロボットRoboti…

精密発酵レポート好評販売中

おすすめ記事

培養魚の米Wildtype、培養魚の試食ができる実証プラントの稼働をまもなく開始

細胞培養により培養サーモンを開発するWildtypeが、実証プラントの稼働をまも…

酵母由来の代替パーム油を開発するオランダのNoPalm Ingredientsが植物性ヨーグルトを生成

精密発酵で代替パーム油を開発するオランダ企業NoPalm Ingredients…

キッチンOSのイニットがGoogleクラウドと提携、食料品購入のパーソナライズ化を強化

パーソナライズ化された食品購入ソフトを提供する米イニット(Innit)がGoog…

米Algae Cooking Club、微細藻類由来の食用油を発売

アメリカのスタートアップ企業Algae Cooking Clubは先月、微細藻類…

米Optimized Foods、食品廃棄物と菌糸体を活用した持続可能な細胞培養キャビアを開発

食品廃棄物を有効利用して代替パーム油、代替メチルセルロース、代替ミルク、ジュース…

GEAが代替タンパク質の技術センターをドイツに開設

食品・飲料・製薬業界向けの世界大手システムサプライヤーであるドイツ企業GEAは今…

次回Foovoセミナーのご案内

Foovoの記事作成方針に関しまして

【2024年】培養魚企業レポート好評販売中

精密発酵レポート好評販売中

Foovo Deepのご案内

▼聞き流しフードテックニュース▼

 

 

▼運営者・佐藤あゆみ▼

▼メルマガ登録はこちらから▼

フードテックの海外ニュースを週1回まとめてお届けしております。

 

ご登録いただいた方には、国内外の培養肉開発に取り組む企業101社をまとめたレポート(全23ページ)を無料でお配りしております(2022年3月更新版)。

 

最新のフードテックニュースを逃したくない方におすすめです。

 

 

▶メールマガジン登録はこちらから

最新記事

フードテックを理解するのに役立つ書籍

夢の細胞農業 培養肉を創る

夢の細胞農業 培養肉を創る

羽生雄毅
1,671円(04/23 12:12時点)
Amazonの情報を掲載しています
培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

竹内 昌治, 日比野 愛子
572円(04/22 21:30時点)
発売日: 2022/12/06
Amazonの情報を掲載しています
フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

田中宏隆, 岡田亜希子, 瀬川明秀
1,782円(04/23 01:01時点)
発売日: 2020/07/23
Amazonの情報を掲載しています
マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

アンドレ・アンドニアン, 川西剛史, 山田唯人
1,980円(04/22 18:04時点)
発売日: 2020/08/22
Amazonの情報を掲載しています
クリーンミート 培養肉が世界を変える

クリーンミート 培養肉が世界を変える

ポール・シャピロ
1,782円(04/23 10:47時点)
発売日: 2020/01/09
Amazonの情報を掲載しています
培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

石井金子
498円(04/22 21:01時点)
発売日: 2022/02/20
Amazonの情報を掲載しています
PAGE TOP