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フルーツジュースの砂糖を減らすイスラエルのBetter Juiceが約8.8億円を調達

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天然ジュースの砂糖を減らす技術を開発するイスラエル企業Better Juiceが、800万ドル(約8億8000万円)のシード資金を調達した。

同社は既存の製造工程に導入することで、ジュースに含まれる糖分を減らせるカラムを開発しており、今後数ヵ月以内に商品を市場へ投入する予定

ジュースの糖分を最大80%減らすBetter Juiceの独自カラム

出典:Better Juice

Better Juiceのソリューションは、遺伝子組換えでない微生物の天然酵素を活用し、ジュースに含まれる糖質を、食物繊維など消化されない化合物に変換し、ジュースの甘さを抑えるもの。

当ソリューションは、砂糖の組成に関係なく、ショ糖、果糖、ブドウ糖などすべての砂糖に対応できる。変わるのは甘さだけで、匂いや味には影響しない。

使用にあたっては、特許出願中の円柱状カラムを、既存のジュース製造工程に組み込む。カラム内部には微生物が固定されており、ジュースがカラムを通過すると、微生物の酵素によってジュースの糖質が食物繊維や難消化性糖質などに変換される

出典:Better Juice

ショ糖は食物繊維に、ブドウ糖はグルコン酸に、果糖はソルビトールに変換される。

これにより、ジュースに含まれる糖質を最大80%減らすことができる。このプロセスは、自然なもので発酵を伴わず、成分を追加・除去することなく行われる。

1Lのカラムで、1000Lのジュースに対応できる。

つまり、ジュース製造工程にBetter Juiceのソリューションを組み込むことで、ジュースを低カロリーにし、食物繊維を増やすことができる。もちろん、変化するのは「甘さ」のみで、匂い、味などは変化しない。

カラム使用後に発生する廃棄物は食品成分であり、飼料として活用できる。

フルーツジュースで懸念される糖尿病発症のリスク

果汁100%のフルーツジュースは健康的なイメージがあるが、糖尿病発症のリスクも指摘される。

Better Juice によると、250mLのオレンジジュースやリンゴジュースには、25gの砂糖が含まれる

果汁100%のフルーツジュース、砂糖入りドリンク、人工甘味料入りドリンクの摂取と2型糖尿病の発生率を比較した論文によると、2型糖尿病の発生率では砂糖入りドリンクが最も多かったが、果汁100%のフルーツジュース・人工甘味料入りドリンクも糖尿病の発症と正の相関を示していた(バイアスが含まれている可能性も指摘されている)。

この論文は、2型糖尿病を予防するうえで、フルーツジュースが砂糖入りドリンクの健康的な代替品になる可能性は低いと結論づけている。

Better Juiceによると、同社のカラムは既存の製造工程に簡単に導入でき、特別なトレーニングや技術は必要でない。

カラムが商品化されると、各飲料メーカーは、自社の生産ラインにカラムを組み込み、既存のフルーツジュースから糖分を減らすことができる。

100%でありながら、健康に優しいジュースに変えることができる。Better Juiceは今後数ヵ月で商品を市場へ投入するとしている。

ジャムやアイスクリームにも対応予定

出典:Better Juice

Better Juiceのソリューションは現在、オレンジジュースをターゲットにしている。2021年1月には実証プラントの稼働をスタートしている。

今回の調達資金で、高まるニーズにこたえるためにイスラエルに最初の本格的な生産工場を建設する。この工場が完成すると、生産能力が40倍になり、年間5000万ドルの売上が見込まれる。

さらに、調達資金で販売とマーケティングチームを強化し、商用化を進めるほか、アイスクリーム、ソフトドリンク、ジャムなど他の製品ラインの拡大を図る。

Better JuiceはEran Blachinsky氏によって2018年に設立された。

同社は、インキュベーターThe Kitchen Hubで支援・育成を受け、イスラエルのMaverick Venturesや他のグローバルパートナーから早期の資金提供を受けている。

Better Juiceのチーム 出典:Better Juice

今回のラウンドはiAngelsが主導し、Maverick VenturesFood Tech Lab TFTLThe Kitchen HubNEOMESchestowitz GroupSemilleroが参加した。Better Juiceのこれまでの調達総額は、860万ドル(約9億4600万円)となる。

プレスリリースによると、Better Juiceは大手飲料メーカーとパートナーシップを結んでいる(社名は非公開)。

共同創業者のGaliYarom氏は次のようにコメントしている。

「飲料業界では砂糖を効果的に削減する必要性が非常に高います。

ごく数か月のうちに、当社のソリューションを市場に投入できると見込んでいます」(共同創業者のGaliYarom氏)

砂糖の摂取量削減に取り組む企業はBetter Juiceだけではない。

同じくイスラエルのDouxMatokは少ない量で同じ甘さを感じられる砂糖を開発しており、今年4月にはアメリカで初リリースした。

Supplantは、廃棄される小麦・とうもろこしをアップサイクルして植物繊維ベースの砂糖を開発している。

 

参考記事

Better Juice Raises $8M for Tech That Reduces the Sugar in Natural Juices

Better Juice Raises $8 Million in Seed Funding

 

おすすめ記事

アイキャッチ画像の出典:Better Juice

 

 

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