代替プロテイン

ネスレも細胞農業による代替母乳産業に参入か?

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ネスレが細胞農業による培養母乳開発の準備をしている可能性がある。

ネスレは現在、Linkeinで乳腺発達と授乳生物学の専門家を募集している。

海外メディアgreen queenが第一報を報じた。

募集中のポジション概要には「乳腺発達から授乳までのステージに関する科学的知見を発展させる」とある。

業務内容には「最先端の研究技術を使用して、ヒト乳腺生物学および授乳分野で科学的活動をリードする」とあり、ネスレが細胞培養により乳児用調整乳産業に参入する可能性を示している。

乳児用調製乳産業は2026年までに1030億ドル規模になると予想されており、環境に優しく、栄養面で本物の母乳に近い代替母乳のオプションにはさらなる需要が見込まれる。

細胞農業による代替タンパク質のアプリケーションでは、培養肉が圧倒的に多い。

細胞農業に取り組む約80社のうち、ほとんどが培養肉やその周辺技術に取り組むスタートアップとなる。

これに対し、培養母乳や培養ミルクはまだ黎明期にあるが、多くの女性が、母乳不足、医療上の理由、仕事復帰の必要性に迫られ、母乳育児を断念している現状を考えると、ニーズは大きい。

こうした市場の成長性を見込んですでに参入するプレーヤーは数社存在する。

ビル・ゲイツ氏が支援するアメリカのBiomilqは先日、世界で初めてヒトの母乳の体外での生成に成功したことを発表。

シンガポールのTurtleTree Labsはヒト用だけでなく細胞培養による牛乳も開発している。

さらに、カナダのBetter Milkは、乳腺細胞の培養による牛乳の開発に注力している。

TurtleTree Labsの共同創業者Max Rye氏はネスレの求人を受け、次のようにコメントし、従来の乳製品メーカーが細胞農業に参入するのは時間の問題だとみている。

「初期の段階では、生産システムとして乳腺細胞を使って母乳を生産するという破壊性を目の当たりにするのは、大手乳製品メーカーにとっては気の遠くなるようなことでした。

多くの投資家が、精密発酵によるタンパク質生産が唯一の解決策であると信じていたため、啓蒙もかなり行われました。私たちのチームは大きく成長し、この期間を通じて無敵の技術プラットフォームを構築しました。

(略)

培養ミルクの最初の企業であるTurtleTree Labsは、多くの新しい企業が培養ミルク分野に参入することを嬉しく思います。

(略)

この次世代乳製品は、母乳のように、社会が以前は入手できなかった栄養を入手できるようになることを意味します」。

現に、スペインの乳製品メーカーCalidad Pascualは細胞農業ミルクに特化したインキュベーションプログラムを立ち上げている。

マーク・ポスト教授が2013年に世界で初めて培養肉ハンバーガーを発表した時、全米肉牛生産者・牛肉協会、畜産業者同盟、米国食肉協会などの食肉業界は培養肉に否定的なコメントを発表していた。

その中には、培養肉に脅威を感じるというより、嘲笑しているともいえるコメントがあった。

約3500万円するバーガーを発表するマーク・ポスト教授 出典:Mosa Meat

当時発表された培養肉がパテ1枚で3500万円もするなど高額であったことも関係しているが、多くの人にとって培養肉はまだ遠い未来の食だった。

しかし現在、ブラジルの大手食肉業者BRFが培養肉の市場投入に参画、世界大手の食肉会社タイソン・フーズカーギルは培養肉企業に出資している。

同じ展開が、細胞農業による培養ミルクでも起こる可能性はある

現在では細胞培養により体外で母乳や牛乳を作ることは絵空事に思えるかもしれない。

しかし、富士フイルムが生き残り、コダックが撤退したように、先見の明のある企業はいち早く、この新興市場に参入してくるだろう。

高度な技術に固執したコダックが倒れ、事業を多角化する英断を下した富士フイルムが生き残ったのと同じ展開が、食肉産業、乳製品産業で再現される可能性はある。

タイソン・フーズ、カーギル、ネスレが第2の富士フイルムになろうとしているのは明らかだ。

 

参考記事

Is Nestlé Gearing Up To Enter The Cell-Based Infant Milk Space?

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コダックが倒れ富士フイルムが残ったワケ

 

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