代替プロテイン

イギリスのマクドナルドがマックプラントを導入、2022年に全国導入へ

 

マクドナルドの植物肉バーガー「マックプラント」がついにイギリスで発売される。今月後半より、イギリスの一部店舗でマックプラントが販売される。

パテはアメリカの代替肉企業ビヨンドミートと共同開発したものを使用。2022年からはイギリス、アイルランドで全国展開する。

ファーストフード巨人のマクドナルドがビヨンドミートと3年間の提携を発表したのは今年2月のこと。同月にはスウェーデン、デンマークのマクドナルドで「マックプラント」の試験販売が実施された。

9月後半より、イギリス、コヴェントリーにある10店舗で「マックプラント」が試験販売される。これまでの試験販売と異なるのは、イギリス、アイルランドでで販売される「マックプラント」は100%ビーガンな仕様で、チーズ、マヨネーズも植物性を使用していること。

動物成分を含む食品とは別の専用グリルで調理されるため、ベジタリアンだけでなくビーガンの消費者へもリーチできる。

出典:マクドナルド

ファーストフードの中では、バーガーキングがプラントベースへの移行を積極的に進めている。バーガーキングも、イギリスで販売する植物肉バーガーにはパテだけでなく他の成分もすべて植物由来成分を使用している。イギリスのバーガーキングは今年3月に、2031年までにメニューの半分を植物ベースに移行させたいと発表していた。

イギリスでは今月後半からコヴェントリーにある10店舗で「マックプラント」が販売されたのち、年末までに250店舗に拡大される予定。2022年にはイギリス、アイルランド全国に展開する。イギリスのマクドナルド店舗は約1300箇所と推定され、来年にはマクドナルドで一挙にプラントベースへの移行が進むことが予想される。

出典:ビヨンドミート

競合バーガーキングは、地域毎にパテのサプライヤーを使い分けている。

アメリカではインポッシブルフーズ、中国、イギリスなどではユニリーバ傘下のベジタリアンブッチャー、日本や韓国はオーストラリアのv2foodを採用している。マクドナルドも香港では、地元の代替肉企業グリーンマンデーのオムニポークを使ったメニューを導入しているが、ビヨンドミートと複数年契約していることから、今後のパートナーシップがどうなるかはわからない。

マクドナルドは2019年9月にカナダでビヨンドバーガーの試験販売をしたが、半年にわたる試験販売後、完全導入には至らず、マクドナルドによる沈黙の終了にさまざまな憶測が飛んでいた。

今回の報道で、アメリカのマクドナルドがいつ「マックプラント」を発売するのか、詳細は発表されていない。昨年11月の「マックプラント」発表時、マクドナルドは2021年にいずれかの地域で販売予定であることを発表していた

その発表通りに導入が進んでおり、本場アメリカでいつ導入されるかが注目される。

 

参考記事

McDonald’s Launches First 100% Vegan McPlant Burger In The UK

 

関連記事

アイキャッチ画像の出典:マクドナルド

関連記事

  1. 培養シーフードのShiok Meatsが培養肉企業Gaia Fo…
  2. モサミートがEUから助成金を授与、Nutrecoと共同で培地コス…
  3. 昆虫で食品廃棄物をアップサイクルするLIVIN Farmsが約8…
  4. ビヨンドミートが代替ミルクにも参入か?ビヨンドミルクの商標を出願…
  5. 培養シーフードのShiok Meatsが生産コスト50ドル/kg…
  6. 香港発の植物肉企業TN Meatが代替肉製品の販売をスタート、中…
  7. オーストラリアのVowが約67億円を調達、来年始めにシンガポール…
  8. 精密発酵チーズのNew CultureがCJ第一製糖と提携、20…

おすすめ記事

精密発酵でアロマを開発するEvodiaBioが約8.6億円を調達

デンマークのスタートアップ企業EvodiaBioは、食品・飲料業界に向けた持続可…

細胞由来のウナギ、マグロ、タイを開発するUmami Meatsが約2.7億円を調達

写真はイメージ画像ウナギ、マグロなどの培養シーフードを開発するシンガポー…

代替母乳を開発するTurtleTreeがシリーズAで約34億円を調達

シンガポール、アメリカを拠点とする代替母乳企業TurtleTreeがシリーズAラ…

Redefine Meatが3Dプリントされた植物ステーキ肉を欧州で発売

3Dプリンターで代替肉を開発するイスラエル企業Redefine Meatが、欧州…

細胞を培養して代替母乳を開発するTurtleTreeが約6億3千万円を調達

このニュースのポイント●代替母乳を開発するシンガ…

ベルがパーフェクトデイと提携、精密発酵タンパク質の代替チーズを来月発売

Kiri(キリ)やBoursin(ブルサン)などで有名なチーズ大手ベルグループの…

次回Foovoセミナーのご案内

精密発酵レポート好評販売中

培養魚企業レポート好評販売中

Foovo Deepのご案内

▼聞き流しフードテックニュース▼

▼運営者・佐藤あゆみ▼

▼メルマガ登録はこちらから▼

フードテックの海外ニュースを週1回まとめてお届けしております。

 

ご登録いただいた方には、国内外の培養肉開発に取り組む企業101社をまとめたレポート(全23ページ)を無料でお配りしております(2022年3月更新版)。

 

最新のフードテックニュースを逃したくない方におすすめです。

 

 

▶メールマガジン登録はこちらから

最新記事

フードテックを理解するのに役立つ書籍

培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

竹内 昌治, 日比野 愛子
572円(03/30 17:28時点)
発売日: 2022/12/06
Amazonの情報を掲載しています
フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

田中宏隆, 岡田亜希子, 瀬川明秀
1,782円(03/30 21:10時点)
発売日: 2020/07/23
Amazonの情報を掲載しています
マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

アンドレ・アンドニアン, 川西剛史, 山田唯人
1,980円(03/30 14:42時点)
発売日: 2020/08/22
Amazonの情報を掲載しています
クリーンミート 培養肉が世界を変える

クリーンミート 培養肉が世界を変える

ポール・シャピロ
1,782円(03/31 07:39時点)
発売日: 2020/01/09
Amazonの情報を掲載しています
培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

石井金子
498円(03/30 17:17時点)
発売日: 2022/02/20
Amazonの情報を掲載しています
PAGE TOP