藻類や微細藻類の力を利用して代替タンパク質製品を開発するフランスのAlgama Foodsが、欧州委員会による「FEAMP 2020 Blue Economy Window」から200万ユーロ(約2億6000万円)の助成金を獲得した。
「FEAMP 2020 Blue Economy Window」は、2021年3月に欧州委員会のEuropean Maritime Affairs and Fisheries Fund(EMAF)が立ち上げたブルーエコノミー(海洋環境に配慮しながら社会や経済を持続可能に発展させようという取り組み)向けの公募。欧州のブルーエコノミーを発展させるため、新製品、新サービス、新ビジネスモデルの市場導入を支援することを目的としている。
本助成金は海事分野の革新的な中小企業のみを対象としたもので、今回はAlgama Foodsを含む11のプロジェクトが選ばれた。
Algama Foodsは今回の資金を利用して、人材の採用を進めるとともに、植物性のスモークサーモンやマグロフレークといったビーガンシーフード製品の開発に力を入れる予定だ。
Algama Foodsの共同創業者兼CEOであるAlvyn Severien氏は、「今回の資金援助は、藻類や微細藻類を用いて100%植物由来のテクスチャ付与食品を開発するという、当社が数年前に開始した戦略の妥当性を示すものだ」とコメントしている。
ビーガンシーフード分野に進出するAlgama Foods
Algama Foodsは2013年の創業以来、藻類成分を活用して、卵や乳製品、肉製品といった動物性タンパク質の持続可能な代替品を開発してきた。
同社は、適切な藻類を選択して代替タンパク質製品に利用する技術を保有しており、この技術を活用して他の食品メーカーにおける製品開発のサポートを行っている。同社のスピンオフブランドには、ビーガンマヨネーズのThe Good Spoonや、デイリー(乳製品)フリーミルクを製造するスタートアップUpdate Foodsなどがある。
Algama Foodsは現在、代替タンパク質分野における急成長カテゴリーであるビーガンシーフードに注力している。同社は藻類を活用した植物性のスモークサーモンとマグロフレークを開発中であり、2021年末にはこれらの製品を「Seafood Algternative」というブランドで販売する計画だ。
Alvyn Severien氏は、シーフードカテゴリーへの進出について「卵や牛乳の代替品の後に、魚の代替品に興味を持つのはごく自然なことだ」と述べている。
注目すべきフランスの代替タンパク質スタートアップ
今回紹介したAlgama Foodsの他にも、フランスでは数多くの代替タンパク質スタートアップが生まれている。
Le Papondu(旧称:Les Merveilloeufs)は卵のビーガン化に取り組むフードテック企業であり、全卵の代替品を開発する数少ない企業として知られている。同社は近く、パリのレストランで製品の提供を開始予定だという。
HARi&COは、豆類を中心とした植物性素材を使用して、ヘルシーなビーガンバーガーやミートボールを製造するスタートアップだ。同社では大豆の使用を避け、緑レンズ豆やひよこ豆といったフランス産の豆類を使用している。
参考記事
This French Startup Makes Vegan Seafood From Algae and Got A €2M Grant For It
French Algae Startup Algama Foods Receives €2M Grant From the European Commission
Vegan Fromage and Cell-Based Foie Gras? These 9 French Startups Are Redefining Food
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アイキャッチ画像の出典:Algama Foods