代替プロテイン

香港グリーンマンデーがマクドナルドと提携、全店舗で植物肉メニューの販売を開始

 

香港の植物由来食品スタートアップ企業グリーンマンデー(Green Monday)は、マクドナルドとの提携を発表した。香港とマカオのマクドナルド全店舗で植物性メニューの販売を開始する。商品にはグリーンマンデー傘下オムニフーズが開発したオムニポークを使用。

10月13日より、香港とマカオにあるマクドナルド約400店舗で植物性の新メニューがリリースされた。新しいメニューはオムニポークを使った6つのセット。

すべてベジタリアン向けだが、メニューには卵が含まれるため完全にヴィーガン向けではない。

出典:マクドナルド香港

グリーンマンデーは先月、アジアの植物由来食品業界の中では最大規模となる約73億円の資金調達に成功したばかり。

グリーンマンデー創業者・CEOのDavid Yeungは香港メディアGreen Queenに「アジアのプラントベース企業にとって現状を一変させるようなインパクトのある大躍進だ」と語っている。

マクドナルドと提携する植物性代替肉企業が少ないことからも、今回の提携がグリーンマンデーにとって追い風になるのは間違いないだろう。

2019年にはビヨンドミートがカナダのマクドナルド店舗で代替肉バーガーのテスト販売をしたが、正式導入にはいたっていない。

植物肉のトレンドを長期に確認してから提携を決めるというマクドナルドが、提携に踏み切った背景には新型コロナのパンデミックによる影響を無視できない。植物性プロテインに対するニーズが急激に上昇したほか、競合のKFCはビヨンドミートと提携していることも、提携を決めた要因になったと思われる。

香港のマクドナルドは、2017年に中国中信集団有限公司(CITICグループ)と米投資ファンドのカーライル・グループに買収され、同2グループによって運営されている。

中国本土のマクドナルドもCITICグループとカーライル・グループによって運営されていることに注目したい。グリーンマンデーのオムニポークは昨年、中国でデビューした。今では、中国大手ECサイトのアリババや天猫、スーパー大手のALDI(アルディ)で販売されるほか、スターバックスなどのメニューにも使われている。

今回の提携によって、グリーンマンデーがアジアでさらに存在感を増すと思われる。

 

参考記事

McDonald’s Milestone: Hong Kong Franchise Launches First Vegetarian Menu With Green Monday’s OmniPork Luncheon

Green Monday Launches a Plant-Based Menu Across McDonald’s Hong Kong Locations

 

 

アイキャッチ画像の出典:香港マクドナルド

 

関連記事

  1. 【現地レポ】シンガポールの精肉スーパーHuber’s Butch…
  2. 高級培養肉Orbillion Bioが日本初登壇|Food-Te…
  3. Next Prime Food発足: 大企業とスタートアップの“…
  4. 米The EVERY Company、代替肉への精密発酵タンパク…
  5. Back of the Yards Algae Sciences…
  6. 微生物・空気・電気からタンパク質を生産するソーラーフーズ、年内に…
  7. フランスの培養肉企業Vital Meat、シンガポール当局へ承認…
  8. イスラエルのDairyX、精密発酵技術で自己組織化するカゼインミ…

おすすめ記事

スイスの食品大手ジボダン、ビューラー、ミグロが共同で培養肉の実証プラント建設を発表

スイスの大手食品企業が培養肉市場に参入する。ジボダン、ビューラー、ミグロは共同で…

味の素、CO2由来の微生物タンパク質「ソレイン」使用の新製品をシンガポールで限定販売

ソレイン使用の月餅味の素がシンガポールで今月、二酸化炭素を原料に作られた代替タンパク質を使用した…

オランダのEatch、1日最大5000食を調理できるロボットキッチンを開発

ロボットキッチンを開発するオランダ企業Eatchは、1日に最大5,000食を調理…

培養魚を開発するBlueNaluが史上最大の約62億円を調達、パイロット工場の完成・年内にテスト販売へ

細胞を培養して水産物を開発するBlueNaluが6000万ドル(約62億円)を調…

米SCiFi Foodsが培養牛肉の最初の商用生産を完了、来年培養ハイブリッド牛肉の上市へ

培養牛肉を開発するアメリカのSCiFi Foodsは先月、同社初の商用工場の建設…

デンマークの21st.BIO、アメリカで精密発酵ホエイのGRAS自己認証を取得

2024年12月27日:後半のスライドを一部修正・追記デンマークの21s…

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

2025年・培養魚企業レポート販売開始

最新記事

▼メルマガ登録はこちらから▼

フードテックの海外ニュースを週1回まとめてお届けしております。

 

ご登録いただいた方には、国内外の培養肉開発に取り組む企業101社をまとめたレポート(全23ページ)を無料でお配りしております(2022年3月更新版)。

 

最新のフードテックニュースを逃したくない方におすすめです。

 

 

▶メールマガジン登録はこちらから

▼聞き流しフードテックニュース▼

 

 

 

Foovo Deepのご案内

Foovoの記事作成方針に関しまして

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

2025年・培養魚企業レポート販売開始

【FoovoBridge】日本のフードテックニュースを海外へ発信する英語サイト

フードテックを理解するのに役立つ書籍

夢の細胞農業 培養肉を創る

夢の細胞農業 培養肉を創る

羽生雄毅
1,707円(07/09 15:27時点)
Amazonの情報を掲載しています
培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

竹内 昌治, 日比野 愛子
572円(07/10 01:26時点)
発売日: 2022/12/06
Amazonの情報を掲載しています
フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

田中宏隆, 岡田亜希子, 瀬川明秀
1,782円(07/10 05:24時点)
発売日: 2020/07/23
Amazonの情報を掲載しています
マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

アンドレ・アンドニアン, 川西剛史, 山田唯人
1,980円(07/09 21:30時点)
発売日: 2020/08/22
Amazonの情報を掲載しています
クリーンミート 培養肉が世界を変える

クリーンミート 培養肉が世界を変える

ポール・シャピロ
1,782円(07/09 13:30時点)
発売日: 2020/01/09
Amazonの情報を掲載しています
培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

石井金子
698円(07/10 00:36時点)
発売日: 2022/02/20
Amazonの情報を掲載しています
PAGE TOP