ロボット

ドイツ発のAitmeはキオスク型自律調理ロボットを開発

 

ベルリンを拠点とするスタートアップ企業Aitmeは完全自律型のロボットレストランを開発している。

キオスクのような箱型タイプで、現在のバージョンは8平方メートルだが、新バージョンは4平方メートルまで小型化する。

Aitmeの中には熱い材料、冷たい材料を40種類搭載できる。

作れるメニューはボロネーゼパスタやゴマをペーストしたタヒニドレッシングを使った料理など10種類

Aitmeのメニューは、ドイツで活躍するシェフがロボットの性能に合わせて開発したものとなる。

出典:Aitme

関節アームが材料をつかみ、回転するIH調理器が加熱する、混ぜるなどを担当する。

顧客は取り付けられたタブレットから注文する仕組み。

個人の好みに応じてカスタマイズも可能で、1食の調理は5分以内に完成する。

Aitmeは1時間に120の調理が可能で、自動洗浄機能もついており、運営者がやるのは1日1回材料を補充するだけだ。

ロボットに搭載される材料は、Aitmeが運営するセントラルキッチンで用意される。

出典:Aitme

RoboEatzのように、レストランとライセンス契約を目指すキオスクロボットもあるが、Aitmeはオフィスのカフェテリアを視野においたB2Bのビジネスモデルを考えている。

たとえば、テスラの工場に導入されたら、メニューはテスラ用にカスタマイズされ、キオスク本体には大きくテスラのロボットキッチンと書かれる。本体のどこかに小さくAitmeの文字が入るイメージだ。

Spoon誌の報道によると、すでに1社と契約済み(社名は非公開)で、今年さらに5台の販売を目指しているという。

コロナウイルスの発生により、デリバリーの需要が大きく伸びたが、Aitmeのような完全自律型のキオスクロボットは24時間働ける点で心強い。

出典:Aitme

昨今のように緊急事態宣言により飲食店の営業時間が短縮される場合でも、キオスクロボットがオフィスにあれば、残業する人や夜間に働く人にとって、新たな外食の選択肢となる。また、Minnowのようにデリバリー時の接触を減らすロッカーも登場しているが、Aitmeは調理から受け渡しまで完全にコンタクトレスだ。

現在はまだ備え付けのタッチパネルでの注文となっているが、アプリでの非接触注文・決済機能が導入される可能性もある。

AitmeのようなフードロボットはほかにもRoboEatzBowlton KitchensYPCテクノロジーズがある。

Aitmeは2019年にシードラウンドで300万ドルを調達している。それ以降に資金調達は実施されていない。

公式サイトの情報はまだ限られているが、海外のフードテック有力メディアSpoon誌が5月18日にフードロボットに特化したwebセミナーを開催するので、ここに登場するかもしれない。

AitmeはフードデリバリーFoodoraを創業したEmanuel Pallua氏と、Julian Stoss氏が立ち上げたドイツのスタートアップ企業。

 

参考記事

Aitme is Building a Robot Restaurant Kiosk in Berlin

 

関連記事

  1. キリンが減塩をサポートするエレキソルトスプーンを発売
  2. ラーメン自販機のYo-Kai Expressが家庭用調理機『Ta…
  3. フランス・パリにPazziによるピザロボットレストランがオープン…
  4. Moleyが自動調理ロボット「モーレイ・ロボット・キッチン」の販…
  5. 全自動のパン製造ロボットBreadBot、昨年より米スーパーに本…
  6. フランスのピザロボットレストランPazziが操業停止
  7. 材料毎に投入タイミングを制御するスマート調理ロボットOliver…
  8. タピオカティーロボットで未開拓市場を狙うBobacinoが約2.…

おすすめ記事

香港IXON社が肉を2年間常温保存できるASAP技術を開発

香港のスタートアップIXON Food Technologyは画期的な食品保存方…

DouxMatokが砂糖の使用量を半分に減らしたIncredo Spreadsの販売を開始

イスラエルのスタートアップDouxMatokが開発した、少ない量でも甘さの変わら…

Amazonで圧倒的な高評価を誇る家庭用カクテルロボットのBartesianが約21億円を調達

家庭用カクテルロボットを開発するBartesianがシリーズAラウンドで2000…

イスラエルの培養肉Future Meatが世界初の培養肉生産施設をイスラエルに開設

イスラエルの培養肉企業Future Meatが世界初の産業用培養肉生産施設を開設…

漁業者と消費者をダイレクトにつなげるE-Fish、48時間以内に新鮮魚を宅配

アメリカで漁師と消費者をダイレクトにつなげる新しいサービスがある。獲れた…

Shiok Meatsが細胞由来の培養ロブスター試作品を発表、2022年までの商品化を目指す

このニュースのポイント ●シンガポールのShiok Meatsが培養…

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

Foovoセミナー開催のお知らせ

Foovo Deepのご案内

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

Foovoの記事作成方針に関しまして

【2024年】培養魚企業レポート好評販売中

▼聞き流しフードテックニュース▼

 

 

 

【FoovoBridge】日本のフードテックニュースを海外へ発信する英語サイト

▼メルマガ登録はこちらから▼

フードテックの海外ニュースを週1回まとめてお届けしております。

 

ご登録いただいた方には、国内外の培養肉開発に取り組む企業101社をまとめたレポート(全23ページ)を無料でお配りしております(2022年3月更新版)。

 

最新のフードテックニュースを逃したくない方におすすめです。

 

 

▶メールマガジン登録はこちらから

最新記事

フードテックを理解するのに役立つ書籍

夢の細胞農業 培養肉を創る

夢の細胞農業 培養肉を創る

羽生雄毅
1,760円(01/23 14:30時点)
Amazonの情報を掲載しています
培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

竹内 昌治, 日比野 愛子
572円(01/24 00:12時点)
発売日: 2022/12/06
Amazonの情報を掲載しています
フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

田中宏隆, 岡田亜希子, 瀬川明秀
1,782円(01/24 04:01時点)
発売日: 2020/07/23
Amazonの情報を掲載しています
マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

アンドレ・アンドニアン, 川西剛史, 山田唯人
1,980円(01/23 20:28時点)
発売日: 2020/08/22
Amazonの情報を掲載しています
クリーンミート 培養肉が世界を変える

クリーンミート 培養肉が世界を変える

ポール・シャピロ
1,782円(01/23 12:41時点)
発売日: 2020/01/09
Amazonの情報を掲載しています
培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

石井金子
498円(01/23 23:27時点)
発売日: 2022/02/20
Amazonの情報を掲載しています
PAGE TOP