アップサイクル

【万博フードテックガイド】──2025大阪・関西万博の注目のフードテック展示を一挙紹介

出典:大阪府・大阪市万博推進局
本記事の情報は、記事掲載時点のものです。最新情報は公式サイトをご確認ください。

2025年6月10日 更新

未来の食を体験できる展示が、2025年の大阪・関西万博に続々と登場している。

培養肉調理ロボット植物性チーズからアップサイクルビールといった最新のフードテックが一堂に会する本イベントにおいて、本記事ではフードテックに焦点をあてて、万博会場で体験できる注目の出展、イベント、飲食情報を紹介する。

なお、直近一週間の各種イベント情報は公式サイト「明日の万博情報」ページで詳細にまとめられている。会場マップはこちらから(PDFデジタルマップ)。

★培養肉★

培養肉の実物展示/家庭用ミートメーカー

Foovo佐藤撮影

期間:通期(香り体験イベントは2025/7/8)

場所:大阪ヘルスケアパビリオン1F「ミライの都市」(リボーン体験ルート)

 

出典:培養肉未来創造コンソーシアム

大阪ヘルスケアパビリオンでは、3Dプリントした培養肉の実物展示と家庭用ミートメーカーのコンセプトを公開している。リボーン体験ルートのため、予約必須。事前に予約が取れなかった人は当日予約にも挑戦しよう(筆者は予約を取れず、中に入れなかった)。ミートメーカーは、「家庭で作る霜降り肉」をテーマに、将来的には家庭のキッチンで個人の健康状態や好みに合わせてオーダーメイドの霜降り肉を出力できることを想定したもの。

7/8には大阪ヘルスケアパビリオン内「リボーンステージ」にて、焼いた培養肉の香りを体験できるイベントも開催される予定

★植物タンパク質★

「ミライのおいしい、発明中!」不二製油

出典:不二製油

期間:2025/8/13~8/17、8/25~9/12

場所:西ゲートゾーン W5 ORA外食パビリオン2F「宴~ UTAGE ~ラボ」 

不二製油独自の技術や製品を用いた食の未来を体験できる5つのプログラム

 “ミライチョコ”を試食できるチョコレート食育プログラム、“ミライチョコ”のプレゼントがあるミライチョコ診断、選ばれる植物性素材を目指して立ち上げたプラントベースブランド「GOODNOON」のミライレシピ体験会、業界関係者向けには「MIRACORE」を用いたパートナー企業による試食・事例紹介など、無料プログラムを5つ用意。

 

「QBBこれもいいキッチン」六甲バター

出典:QBB これもいいキッチン

期間:通期

場所:大阪ヘルスケアパビリオン「ミライの食と文化ゾーン」

六甲バターは、完全ヴィーガンのチーズ代替食レストラン「QBB これもいいキッチン」を出店。常設の飲食ブースとして予約不要で利用できる。

動物性素材を一切使わないプラントベースメニューのみを提供しており、チーズのコクを再現した「チーズ代替植物性食品」を全メニューに使用。「これもオムキーマカレー」、「これも串カツ」など全メニューこちら

おからとコンニャクから作られた代替肉は、日本のフードテック企業ディーツフードプランニングの代替カツを使用。屋外バーベキューのように、目の前で調理するライブキッチンを導入し、食べる前からワクワク楽しめる演出がなされている。

「おおさかEXPOヘルシーメニュー」調理実演

期間:2025/8/23~8/24

場所:大阪ヘルスケアパビリオン「ミライの食と文化ゾーン」デモキッチンエリア

大阪府主催の健康メニュー実演イベントを開催予定。参加企業は、味の素、カゴメ、キユーピー、日本ハム、雪印メグミルクの5社。数量限定で試食も用意。

 

★調理ロボット★

ロボットジュースメーカー「AIR WATER NEO MIX STAND」

出典:AIR WATER

期間:通期

場所:大阪ヘルスケアパビリオン「ミライの食と文化ゾーン

「NEO MIX STAND」では、2台のロボットアームが人の手のように動き、同社が事業を展開する北海道の食材を用いたスムージー等のドリンクを作り、ジュースの充填から蓋の取り付け、提供まで行う。万博向けに4種類のドリンクを限定メニューとして開発
 

テラスニチレイ×I-Robo2(TechMagic)

期間:通期

場所:静けさの森エリア EARTH TABLE~未来食堂~

「EARTH TABLE~未来食堂~」にあるテラスニチレイでは、ニチレイフーズが万博向けに開発したオリジナルチャーハンに、来店客が選んだ味付け・トッピングでカスタマイズした炒飯を、日本のフードテック企業TechMagic開発した調理ロボットI-Robo2が調理・提供する

 

未来のソフトクリームマシーン「NISSEI Mouthful Creations」

Foovo佐藤撮影 大阪ヘルスケアパビリオン

期間:通期

場所:大阪ヘルスケアパビリオン 1F 「ミライの食と文化」ゾーン、ORAの「宴~ UTAGE」W5)でも提供

乳・卵不使用のソフトクリームを提供。コーンを設置して、ソフトクリームが押出しされるプロセスを自動化した「未来のソフトクリームマシーン」を体験できる。マシーンで提供するものも、乳・卵不使用のソフトクリーム。実際に食べてみると、乳・卵不使用とはわからない完成度の高さだった。

 

 

マフィン調理ロボットCOBOTTA

出典:COBOTTA

期間:2025/8/18~8/24

場所ロボット&モビリティステーション

愛知県のロボットメーカー、大学による出展。

愛知工業大学は、デンソーウェーブ製の人協働ロボット「COBOTTA(コボッタ)」を活用して、イングリッシュマフィンを作製する。マフィンの焼き工程、ハムの焼き工程、チーズのトッピングなど、すべての工程を1台で行う

 

自動かき氷調理ロボット「Kakigori Maker」

出典:Kakigori Maker

期間:通期

場所:ウォータープラザマーケットプレイス西 1階「SUNTORY PARK CAFE

スマートコーヒースタンド「root C」を開発したNew Innovations開発

ブルーの筐体にロボットアームが組み込まれた機械が氷削を行い、スタッフの負担軽減、商品の均質化、調理時間の削減を目指すもの。氷の設置、シロップがけはスタッフが行う。万博の「SUNTORY PARK CAFE」で提供する「サントリー天然水のかき氷」の調理に「Kakigori Maker」が導入されている

 

半自動おにぎり製造ロボット

出典:象印マホービン

期間:通期

場所:ORA外食パビリオン『宴~UTAGE~』 W5 

象印マホービンがおにぎり製造ロボットなどを手がける鈴茂器工と共同開発したもので、店舗内で注文を受けると熱々のご飯90gをロボットが三角形に成型し、アームで優しく持ち上げて海苔を巻く工程まで自動化している(トレーに落とされたご飯を鳴らす作業、具材の盛り付け、包装はスタッフが実施)。1日最大2,400食の提供を目指している

 

★アップサイクル★

食品残渣を活用したクラフトビール「SMILE ALE」

出典:アサヒグループ

期間:通期

場所:大阪ヘルスケアパビリオン屋外のリボーンテラス内のキッチンカー

Foovo佐藤撮影 大阪ヘルスケアパビリオンを出たところにある

アサヒグループと大阪府が協力し、みかん、にんじん、えびいも、ぶどう(デラウェア)、パンなど、使いきれない食材や規格外農産物を活用したクラフトビールを常時2種類販売

 

 

こちらの記事もおすすめ

 

関連記事

  1. スピルリナ由来の代替スモークサーモンを開発するSimpliiGo…
  2. MeaTech、3Dプリンターによる培養シーフードの開発でUma…
  3. Ÿnsectのミールワームタンパク質、アメリカでペットフード製品…
  4. バイオ3Dプリンティング技術で培養肉を開発するTissenBio…
  5. マレーシアの培養肉企業Cell AgriTechが2024年末ま…
  6. 培養肉アレフ・ファームズ、安価でオープンな増殖培地の開発でWAC…
  7. 培養フォアグラを開発する仏Gourmey、EUで初めて培養肉の承…
  8. イスラエルのForsea Foodsが世界で初めて培養うなぎの試…

おすすめ記事

米SCiFi Foodsが培養牛肉の最初の商用生産を完了、来年培養ハイブリッド牛肉の上市へ

培養牛肉を開発するアメリカのSCiFi Foodsは先月、同社初の商用工場の建設…

シンガポール・イスラーム評議会、特定条件下で培養肉をハラールと認定

シンガポールで唯一、ハラール認証を発行する権限を有するシンガポール・イスラーム評…

スーパーミート、来年アメリカに培養肉工場建設を計画

細胞培養による培養肉を開発するイスラエルのスーパーミートは、2023年後半にアメ…

培養肉企業メンフィス・ミーツが社名をUPSIDE Foodsに変更、年内に培養鶏肉の販売を目指す

世界で最初に培養肉バーガーを発表し、話題を呼んだオランダ企業モサミートとあわせて…

フランスのVital Meat、初の培養肉試食会をシンガポールで開催|シンプルなアプローチで培養鶏肉の早期市場投入を目指す

フランスの培養肉企業Vital Meatは、シンプルなペースト状の培養鶏肉を活用…

【10/16】現地レポート会:フィンランド&シンガポールにおけるフードテックの現状をご紹介

本セミナーは終了しました。たくさんのご参加、ありがとうございました!!セミナー動画はこちらか…

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

培養魚企業レポート予約注文受付中

最新記事

▼メルマガ登録はこちらから▼

フードテックの海外ニュースを週1回まとめてお届けしております。

 

ご登録いただいた方には、国内外の培養肉開発に取り組む企業101社をまとめたレポート(全23ページ)を無料でお配りしております(2022年3月更新版)。

 

最新のフードテックニュースを逃したくない方におすすめです。

 

 

▶メールマガジン登録はこちらから

▼聞き流しフードテックニュース▼

 

 

 

Foovo Deepのご案内

Foovoの記事作成方針に関しまして

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

【2024年】培養魚企業レポート好評販売中

【FoovoBridge】日本のフードテックニュースを海外へ発信する英語サイト

フードテックを理解するのに役立つ書籍

夢の細胞農業 培養肉を創る

夢の細胞農業 培養肉を創る

羽生雄毅
1,707円(06/25 15:22時点)
Amazonの情報を掲載しています
培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

竹内 昌治, 日比野 愛子
572円(06/25 01:20時点)
発売日: 2022/12/06
Amazonの情報を掲載しています
フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

田中宏隆, 岡田亜希子, 瀬川明秀
1,782円(06/25 05:16時点)
発売日: 2020/07/23
Amazonの情報を掲載しています
マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

アンドレ・アンドニアン, 川西剛史, 山田唯人
1,980円(06/24 21:24時点)
発売日: 2020/08/22
Amazonの情報を掲載しています
クリーンミート 培養肉が世界を変える

クリーンミート 培養肉が世界を変える

ポール・シャピロ
1,782円(06/25 13:27時点)
発売日: 2020/01/09
Amazonの情報を掲載しています
培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

石井金子
698円(06/25 00:30時点)
発売日: 2022/02/20
Amazonの情報を掲載しています
PAGE TOP