代替プロテイン

中国のFushine Biotechnology、中国初のマイコプロテイン認可を取得|年産2万トンへのスケールアップを計画

出典:Fushine Biotechnology

マイコプロテインを開発する中国のFushine Biotechnology(富祥生物/以下、Fushine)は先月27日、Fusarium venenatum(中国語:威尼斯镰刀菌)を培養して得られるマイコプロテインについて、中国当局の認可を取得した。

今年1月のアメリカのGRAS自己認証に続く発表であり、中国のマイコプロテイン市場が始動する見込みだ。

Fusarium venenatumは有名なマイコプロテインブランドQuornに使用される糸状菌であり、1985年の発売以来、20ヵ国で販売されてきた(日本での販売は確認されていない)。

代替タンパク質の普及促進を行うGood Food Institute(GFI)は、本件は中国初のマイコプロテイン認可であり、世界で最も影響のある食品市場における認可がもたらす影響は、中国に留まらないと評価している。

Fushine、中国初のマイコプロテイン認可を取得

出典:Fushine Biotechnology

公式サイトによると、Fushine Pharmaceutical(江西富祥药业)の子会社であるFushineは、2023年4月に自社研究と国際協力を通じて微生物タンパク質事業を立ち上げ、同年9月には年産1,200トンのパイロット生産ラインを完成させた。今年1月にはアメリカのGRAS自己認証を達成した。

現在、年産20万トン規模の「マイコプロテイン・資源総合利用プロジェクト第1期」を進めており、第1期が完成後は、マイコプロテインで年産2万トン、アミノ酸水溶性肥料で年産5万トンの生産規模を見込む。

出典:Fushine Biotechnology

Fushineのマイコプロテイン「FuNext(中国語:未冉蛋白)」は、粉末・湿式・カットタイプの3形態があり、粉末では25kg、湿式では2.5kg、カットは300g単位での提供となる。

粉末はベーカリーや栄養補助食品やスナック、湿式はハムやソーセージ、ナゲット、ミートボールなどの代替肉、カットは炒め物やシチュー、ホールカット代替品に適しているとしている。形態を複線化することで、用途別に導入障壁の低い領域から導入を進め、採用を積み上げていく狙いがあるものと思われる。

湿式タイプ 出典:Fushine Biotechnology

マイコプロテイン全体に占めるタンパク質は粉末・湿式ともに100gあたり50g。当局は認可に際し、乳幼児、妊婦、授乳中の女性ではFusarium venenatumA3/5株・TB01株の安全性データが不十分であるとして、食用真菌にアレルギーがある人も含め、摂取を避けるよう推奨している。

GFIはこの点も、「ここまで具体的に示されたことで、中国国内外の企業にとって、将来の承認申請に必要な要件が分かりやすくなった」とし、これまで認可されたマイコプロテイン事例と異なる点だと評価している。

プレスリリースによるとFushineは、中国、アメリカのほか、シンガポール、欧州でも認証を取得しているという。他地域での供給状況は不明だが、シンガポールに支社(未冉国際:Weiran International)を設置していることから、自社ブランド「FuNext」の供給を進めていくものと思われる。

加速するマイコプロテイン市場

出典:Fushine Biotechnology

マイコプロテインの市場投入は加速している。

最近ではオランダのThe Protein Breweryが、マイコプロテイン「Fermotein」についてEU新規食品制度の第一関門を通過し、EU認可に向けて前進した。

スイスの大手スーパーでは今年、Planetaryのマイコプロテインを使用した代替チキン製品が導入された。Fushineと同じくFusarium venenatumを使用するエストニアのMati Foodsは今月、エストニア国内で、マイコプロテインをベースとした代替魚を導入した。

3Dプリンターとマイコプロテインを用いた代替サーモンなどを開発するオーストリアのRevo Foodsは先月、2025年の売上が前年比2倍になり、2026年第4四半期までに黒字化を目指すと発表した。

米The Better Meat Coは今年シリーズAラウンドで約45億円の大型調達に成功した。国内でもマイコプロテインスタートアップの設立、製品の上市が見られる。

中国市場での立ち上がりが、マイコプロテインの普及をどこまで押し広げるのか。FuNextのスケールアップ、中国や他地域での展開の実態が注目される。

 

※本記事は、プレスリリース、当局公開資料(①・②)をもとに、Foovoの調査に基づいて独自に執筆したものです。出典が必要な情報については、記事内の該当部分にリンクを付与しています。

 

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アイキャッチ画像の出典:Fushine Biotechnology

 

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