アップサイクル

アサヒ、日本初の酵母由来ミルク「LIKE MILK」を発売|海外でも進む酵母タンパク質開発

 

アサヒグループジャパンは4月16日、独自の酵母技術を活用したアニマルフリーミルク「LIKE MILKライクミルク)」の試験販売を、応援購入サービス「Makuake」で開始した

酵母をベースとした代替ミルクの販売は日本初。アレルギーやエシカル志向など多様な消費者ニーズに対応する。

販売開始からわずか1週間で、目標額の30万円を大きく超える117万円以上集めており、市場からの期待の高さがうかがえる。「Makuake」での販売期間は6月15日まで。

「誰もが同じ食卓を囲める社会」を目指して

出典:アサヒグループジャパン

LIKE MILK」はアレルギー特定原材料等28品目を含まず、自然な甘味と癖のないまろやかな味わいを有する。栄養面では牛乳並みのタンパク質とカルシウムを確保しながら脂質を38%削減し、食物繊維と亜鉛を豊富に含んでいる。

紙パック200mlで常温6か月保存が可能。1,000mlサイズの試験販売も年内に予定され、2026年には全国販売を予定している。

開発の起点となったのは、2023年に始動したアサヒグループ内の横断プロジェクト。

アサヒグループジャパン、アサヒグループ食品、アサヒクオリティー&イノベーションズの3社の社員で構成されたチームが結成され、社会課題のひとつである「食物アレルギー」に焦点をあてた。

チームは、第一回子どもアレルギー学会への参加を通じて、アレルギーを抱える子どもとその家族が、適切な医療を求めて遠方まで通院している実情に直面。この現実を目の当たりにしたことが、「アレルギーがある人もない人も、同じ食卓を囲める世界」をつくりたいという想いへとつながった

こうして、「LIKE MILK」の開発は、食物アレルギーという切実な課題の解決に挑む取り組みとして本格的に始動した。

出典:アサヒグループジャパン

酵母の持つ乳化力を向上させる技術や酵母独特の風味を除去する技術を確立し、ほんのりとした自然な甘みのある、癖のないまろやかな味わいに仕上げた。「まるでミルクのように使える」「おいしくて好きになってほしい」との願いを込めた商品名には、牛乳代替の枠を超えた新たな可能性を提供したいとの想いが込められている

そのまま飲むだけでなく、コーヒーや料理、菓子作りにも利用可能。応援購入では200mL×12本セット(3,000円)、200mL×24本セット(5,000円)やエコバッグ付きのプランが用意されている。

購入者からは、大豆アレルギーがあるため代替ミルクを諦めていたという声や、乳アレルギーのためカルシウム・タンパク質の摂取不足が気になっていたという声、乳糖不耐症に悩んでいたという声が寄せられており、「LIKE MILK」が、選択肢が限られていた人々にとって、新たな選択肢として期待されていることがうかがえる。

現在、開発チームは「LIKE MILK」に続く製品として、代替卵LIKE EGG」の開発も検討している

世界でも進む酵母由来タンパク質の開発

出典:アサヒグループジャパン

世界でも、酵母を活用した動きが広がっている。

2021年創業の米Spacemilkは、イスラエル企業Nextfermが開発した酵母をベースの単細胞タンパク質粉末「ProteVin」を製品に使用、オンラインで3製品を販売している。

イスラエルのYeapは、使用済み酵母からタンパク質を開発しており、2023年9月、仏Lesaffreから出資を受けた。Yeapはクリームチーズビーガンチーズ試作品を開発している。

スイスのYeastupは使用済みビール酵母をアップサイクルして代替タンパク質「Yeastin」を開発しており、スイスでの工場立ち上げに向けて、昨年12月にシリーズAラウンドで約15億円を調達した。

アサヒの事例に特に近いのが、スイスのCosaic(旧称Cultivated Biosciences)やアメリカのPutureだと思われる。

前者は、酵母由来の特許成分「Cosaic Neo」を開発しており、用途として乳製品不使用のミルクコーヒー用ミルクプロテインシェイクマヨネーズなどを挙げ、特にプロテインシェイクで2026年のアメリカ市場進出を目指しているPutureはパン酵母を活用し、カゼインの代替成分を開発している

海外企業がミルク以外にさまざまな製品用途を挙げていることは、酵母由来素材の汎用性の高さを示している。

アレルギー回避や持続可能性への関心が高まる中で、各社は飲料にとどまらず、クリームチーズ、マヨネーズなど多様なカテゴリへの展開を視野に入れている。こうした動きは、「LIKE MILK」のような酵母由来ミルクが単なる代替飲料ではなく、食の選択肢を広げる起点となり得ることを示唆している。

今後、アサヒの酵母技術がどこまで製品群を広げていくのか、注目が集まる。

 

※本記事は、下記プレスリリースおよびMakuakeの販売ページに加え、Foovoの調査に基づき独自に執筆したものです。

日本初 酵母由来の非動物性ミルク『LIKE MILK(ライクミルク)』(プレスリリース)
Makuake「LIKE MILK」ページ

 

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アイキャッチ画像の出典:アサヒグループジャパン

 

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