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微生物発酵でサステイナブルな着色料を開発するデンマーク企業Chromologics

 

植物ベースまたは細胞農業によって肉、魚、乳製品に取り組むフードテック企業は増えているが、この中でニッチな領域を1つ挙げるとすれば、着色料だろう。

天然着色料のほとんどが現在、動物や植物由来成分に依存している。

なかでも、ハムやソーセージ使用される赤色色素のコチニール色素は、別名カルミンとも呼ばれ、サボテンに生息するエンジムシの雌の体から得られる。

カルミンはカルミン酸を主成分とし、欧米では食品の着色料として広く使用されているが、日本では2012年に消費者庁がカルミンの急性アレルギーに関する注意喚起を発表されている。

なかにはアレルギーの原因となるタンパク質をほぼ完全に取り除くなどして対応している企業もあるが、動物由来でない天然着色料を使える方が望ましい。

そんな中、持続可能な着色料を提供するために、デンマークを拠点とするChromologicsはバイオテクノロジーを活用して、動物・植物を使わない天然着色料を開発している。

動物・植物由来よりもサステイナブルな天然着色料

出典:Chromologics

Chromologicsはデンマーク工科大学のスピンアウトベンチャーとして2017年に設立された。

同社の着色料は、遺伝子組換えしていない菌類(名前はT. atroroseus)を発酵させることで生産される。

ChromoRedと名付けられたこの着色料は、動物を使わないだけでなく、生産コストが安く、大量生産可能な点で、既存の代替着色料より優れているという。

ChromoRedは広範囲のpH、高温でも安定できるという性能のほか、ヴィーガン、コーシャ、ハラールの食事にも使用できるため、幅広いニーズにマッチしている。

何より、菌類の発酵で生産できるため、収穫時期や気候変動に影響を受けない。

また、果物や野菜由来の着色料と違い、研究室で生産されるため、栽培するための広大な土地や水、エネルギーを必要としない

「ChromoRed」粉末にすると黒っぽくみえる 出典:Chromologics

Chromologicsは2020年9月にシードラウンドで190万ユーロ(約2億4千万円)の出資を受けた。

このラウンドは、Novo Seedsが主導し、Nordic FoodTechVCVækstfondenが参加した。

この時のプレスリリースによると、調達した資金で、主力製品であるChromoRedの開発を加速させ、規制当局への承認申請を進めるとしていた。

さらに、発酵由来の着色剤を展開するために、多くのパートナーと協業について交渉中であることを明かしていた。

食用着色料の市場規模は2025年には54.2億ドルに

出典:Chromologics

食用着色料は合成着色料と天然着色料の2つのカテゴリーに分類される。

合成着色料として多くの食品で使われるタール色素は、石油から作られている色素で、身近なものではかき氷シロップに使う青1号、赤2号がある。

日本ではADI(1日摂取許容量)が決められているが、アメリカやヨーロッパでは使用禁止や規制されているものが多い。

食品から健康に望ましくない合成着色料を取り除いて欲しい声は強く、規制も厳しい。こうした消費者の不安を反映し、天然着色料市場は伸び続けている

食用着色料の市場規模は2020年には39億ドルと想定されていたが、2026年には54.2億ドルに達すると推定される。

発酵技術で着色料を作る他社

こうした高まるニーズを受けて、食用着色料に参入する企業はほかにもある。

Chromologicsのように発酵技術を活用して食用着色料を狙う1社に、イスラエルのPhytolonがいる。

Phytolonは世界的に有名なワイツマン科学研究所で生まれた独自技術を使って、酵母発酵により着色料を開発している。

現在、同社は大手食品企業の生産ラインで製品の性能について概念実証実験を実施しており、2020年9月に調達した約4億ドルを使って、市販化に先立ちさらに多くの食品企業やメーカーとパートナーシップを強化したいと考えている。

ChromoRedの発見は、共同創業者の1人、Gerit Tolborg氏が研究中にシャーレに菌類が生み出した赤色色素に遭遇したことに由来する。

Gerit Tolborg氏 出典:Chromologics

もともと料理や菓子作りが好きだったTolborg氏はかねてから食品に与える色の影響に興味を持っていた。

食品業界では合成着色料から天然着色料へのシフトが見られるものの、産業と消費者の需要いずれも満たす天然着色料が不足していることにビジネスチャンスがあると考えたという。

Chromologicsは赤色色素のほかに、オレンジ黄色紫色の色素開発にも取り組んでいる。

 

参考記事

Chromologics: Startup Disrupts US$2B Food Colourant Market With Animal-Free Fermentation-Based Solution

 

アイキャッチ画像の出典:Chromologics

 

 

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