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安価な成長因子を開発するカナダのFuture Fieldsが約2億3千万円を調達、培養肉を「大衆品」に

 

培養肉開発のために安価な成長因子を開発するFuture Fieldsがシードラウンドで220万ドル(約2億3千万円)の資金調達に成功した。

同社はこれに併せて、最初の製品となる成長因子FGF2を培養肉企業に出荷したことも明らかにした。

Future Fieldsは、培養肉開発のコスト高の原因となるウシ胎児血清(FBS)を含まない安価な成長因子を開発している。

今回調達した資金を研究開発にあて、培養肉を大衆向けの商品にすることを目指す。

培養肉プレーヤーからのビジネスシフト

出典:Future Fields

Future Fieldsはカナダ・アルバータ州を拠点とするスタートアップ企業。

もともとは培養鶏肉の培養肉企業としてスタートした。

プロトタイプの開発にも成功していたが、増殖培地のコストダウンを実現することで、培養肉の業界全体を加速させることを決意し、培養肉企業から増殖培地のプレーヤーへとビジネスシフトした。

Future Fieldsは自社技術について詳細は公開していないが、特定のタンパク質を生成させる遺伝子コードを細胞株に挿入し、異なる成長因子を作らせているという。

培養肉ができるまで 出典:Future Fields

成長因子は細胞が成長するために欠かせないものだが、成長因子にかかる費用は培養肉全体の55-95%を占めるともいわれ、安価な成長因子が求められている。

オランダのモサミートが2013年に世界に先駆けて発表した培養肉ハンバーガーが3500万円もしたのは、ウシ胎児血清(FBS)を使っていたためだった。

FBSは生前または死後の健康な分娩前の雌牛の胎児の血液から採取するため、

動物を殺さない方法としながらも倫理的に問題がある。

 

このように、培養肉にはコストが高く、大量生産できないという課題がある。

CEOのLejjy Gafour氏

「細胞農業が直面している重大な問題の1つは、高品質で、カスタマイズされた成長因子を、大衆向けのコストと規模で生産できないことです」

と語っている。

Future Fieldsの増殖培地を使うと、従来のFBSを使う場合よりも99%コストを削減できるという。

Future Fieldsによると今後は、顧客のニーズに応じて、特定の細胞タイプにカスタマイズされた成長因子を開発する予定だとしている。

培養肉の普及に不可欠な「周辺技術」

近年、培養肉に取り組むスタートアップ企業の中には、Future Fieldsのように周辺技術に注力するスタートアップが増えている。

その中には、安価な成長因子を開発する企業もあれば、動物由来の血清を使わずに、連続培養するバイオリアクターを開発する企業もある。

出典:Future Fields

シンガポールを拠点に培養母乳を開発するTurtleTree Labsは、費用対効果の高い成長因子に特化するスタートアップTurtleTree Scientificを立ち上げた。

同社はすでに培養肉企業にサンプルを提供しており、この業界での主力プレーヤーとなることを目指している。

韓国のスタートアップCellMEATは2年かけて、FBSに代わる独自の細胞培養法と培地を開発。先月に約4億7千万円を調達している。

イギリスのCellulaREvolutionは連続培養を可能とするバイオリアクターと、無血清で細胞増殖を可能とするペプチドコーティング技術を開発している。

培養肉は畜産肉と比較して、使用する土地、水がはるかに少なく、排出される温室効果ガスも少ないため、畜産に代わるタンパク質源として期待される。

『Moo’s Law』の著者であるジム・メロン(Jim Mellon)氏は、将来的に、培養肉は畜産肉や植物性代替肉よりも手ごろな価格になると予想しており、そのタイムラインとして「5年以内」と言及している。

Edison Groupも、早くて2025年には、培養肉が量産され、従来の肉と同価格になるだろうと報告している。

左からJalene Anderson-Baron氏、Matthew
Anderson-Baron氏、Lejjy
Gafour氏 出典:Future Fields

こうした予想の背景には、培養肉開発のハードルとなっていた技術に取り組むFuture Fieldsなどの企業が増えたことも関係している。

イスラエルのアレフファームズのように、影響力があり、幅広い販路をもっている大手企業と提携し、培養肉を社会に浸透させようとする動きも加速している。

Future Fieldsが開発するような安価な成長因子が広まることで、培養肉の普及速度が指数関数的に加速する可能性は高い

今回のラウンドはサンフランシスコのベンチャーキャピタルBee Partnersが主導し、Pioneer FundNarrative Fund、既存投資会社であるY Combinatorが参加した。

クランチベースによると、Future Fieldsがこれまでに調達した資金は総額230万ドル(約2億4千万円)となる。

 

参考記事

Future Fields Bags US$2.2M To Deliver Low-Cost FBS-Free Growth Media & Scale Cell-Based Meat

Future fields is tackling cultured meats biggest problem

 

関連記事

 

アイキャッチ画像の出典:Future Fields

 

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