代替プロテイン

MeaTechが低コストな培養脂肪の生産方法で米国仮出願を提出

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イスラエルの培養肉企業MeaTechは、米国特許商標庁(USPTO)に植物由来成分のみを使った培養脂肪(油脂)の独自手法について仮出願をした

この特許は、植物成分だけを使って胚性間葉系幹細胞(eMSCs)を脂肪細胞へ分化させる手法に関するもので、これにより、和牛など霜降り肉にみられる筋肉内脂肪を「大幅に低コスト」で再現できるようになる。

関連する成分はすべて植物から供給されるため、動物由来成分への依存を減らしたいMeaTechにとって大きな前進となる。

出典:MeaTech

同社の培養脂肪は、独立した製品または培養肉に組み込むものとして使用される。

「この仮出願がカバーする新しい手法は、100%植物由来成分を使用してeMSCsを脂肪細胞へと分化させます。

私たちは培養脂肪および培養タンパク質を生産する技術開発に取り組んできましたので、低コストな植物を使った細胞培養物(脂肪)をバイオプリント製品とハイブリッド製品に使用できることに感激しています。

私たちの最終目標は、培養肉が従来の肉と同じ味、食感、栄養価を備えるようになることです」(CEOのSharon Fima氏)

MeaTechはこれまでにバイオプリンティングプロセスに関する特許も出願している。同社は今年3月に米国ナスダック市場に上場し、培養肉でアメリカ上場を果たした最初の企業となった。

MeaTechは、短期的には事業から収益を期待していない。2020年には研究開発の範囲を急速に拡大。2020年に研究開発に投じた費用は2019年の20万ドルに対し、250万ドルと22倍以上となった

MeaTechは牛など動物の幹細胞を採取し、バイオリアクターで培養したものをフードインクとする。さらに、独自のバイオ3Dプリンターでフードインクを積層して立体構造にすることで、ステーキ肉を生産する。

出典:MeaTech

3月のナスダック上場を皮切りに、MeaTechの躍進は止まらない。5月には培養脂肪の実証プラントを建設することを発表した。7月には牛肉、鶏肉に加え、豚肉を開発対象に追加することを発表。

同月にはさらに、イスラエル最大のスーパーマーケットチェーンであり食肉生産者であるTivTa’amとパートナーシップを締結した。2社は培養肉製品を共同開発し、新しい生産施設を建設するとしている。

MeaTechは国内外市場に向けて、TivTa’amに対し販売およびマーケティングの権利を付与している。2社の提携の主な焦点は培養豚肉となるが、豚肉以外の培養肉製品も検討するとしている。

MeaTechとTivTa’amチーム 出典:MeaTech

培養脂肪を開発する取り組みは多様化している。

スウェーデンのMelt&Marbleは酵母と発酵技術によりアニマルフリーな培養脂肪を開発している。アメリカのMotif FoodWorksは、発酵でも細胞培養でもなく、独自オレオゲル技術による油脂技術を開発し、植物肉の霜降り肉を再現。

イギリスのHoxton Farms、アメリカのMission Barnsは、MeaTechのように細胞培養による動物性油脂を開発している。これらの企業が今年になってからいずれも資金を調達していることは注目に値する。

昨年12月にシンガポールで、世界で初めて培養肉が販売された。カタールアメリカがこれに続くと予想されるなか、イスラエルも政府が培養肉に前向きな姿勢を示す国として、その動向からは目が離せない。

イスラエルのネタニヤフ元首相は昨年に同国培養肉企業アレフ・ファームズの施設を視察し、培養肉を試食した世界で最初の指導者となった。アレフ・ファームズは三菱商事、ブラジルの食肉大手BRFと提携するなど、上市の準備を進めている。

同じくイスラエルのFuture Meatは1日500kgの培養肉を生産できる工場を開設し、大手ネスレとも提携し、2022年にアメリカでの販売を目指している。

 

参考記事

MeaTech Files US Patent For FBS-Free, Affordable Cultured Fat

MeaTech Announces Filing of Provisional Patent Application for Differentiation of Stem Cells to Produce Cultured Fat

 

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アイキャッチ画像の出典:MeaTech

 

 

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