新しい食

携帯可能なアレルギーセンサーを開発するAllergy Amuletが約4億5000万円を調達

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食品のアレルギー物質を調べるポータブルデバイスを開発するAllergy Amuletがシードラウンドで410万ドル(約4億5000万円)を調達した。

同社は携帯可能なアレルギーセンサーを開発するアメリカ・ウィスコンシン州を拠点とするスタートアップ企業。

ホームページには「世界で最小かつ最速のアレルギーセンサー」と書かれている。

アレルギーセンサーは、USBサイズのリーダー(読み取り機)とテストストリップの2つのパーツから構成され、1分で食品に含まれるアレルギー物質を検知する。

使い方はシンプルで、ユーザーはテストストリップに食品を塗布し(STEP01)、ケースに挿入する。このケースをデバイスに差し込む(STEP02)と、アレルギー物質を検知し、1分で結果が出る仕組みとなっている。

出典:Allergy Amulet

このデバイスは、分子インプリンティング技術を組み込んだ分子インプリントポリマー(MIP)となる。

MIPとは、鋳型を取る分子(鋳型分子)と機能性モノマーの複合体を形成させ、架橋剤と共に共重合した後、鋳型分子を除去することで、鋳型分子に対して相補的な結合空間をもつものをいう。

引用:抗体をこえるか?―分子インプリンティングの新展開

わかりやすくいうというと、センサーには下記のように大豆などのアレルギー物質の分子構造に一致する空洞が多数あり、センサーが同一の分子構造を検知することで、対象食品中にアレルギー物質があるかを迅速に検査できるようになっている。

出典:Allergy Amulet

結果を保存し共有できるようにスマートフォンアプリも用意されている。

Allergy Amuletによると、カップケーキ、グラノーラバー、サラダ、スープなど、固体または液体のさまざまな食品をテスト可能だという。

現在、ピーナッツと大豆のアレルギー検査キットとして年内の発売を目指している。

将来的にはナッツ、魚、甲殻類、小麦、卵、牛乳、グルテン、ゴマなどほかのアレルギー物質についても検査できるようにしたいという。

アレルギー物質ごとにリーダーの購入は不要で、1回の購入ですむ。

Allergy Amuletのアレルギーセンサーは、キーホルダーとして鍵と一緒に携帯したり、ネックレスにしたりできる。

アメリカでは年間20万人が食品によるアレルギー反応のために緊急の医療措置が必要になるとされる。

3200万人のアメリカ人が何らかの食品アレルギーを抱えており、そのうち17%は18歳未満とされる。

出典:Allergy Amulet

Allergy Amuletのようにアレルギー問題に対する取り組みは他にもあり、Nimaピーナッツグルテンを検知するポータブルデバイスを開発している。

Allergy Amuletの商品が市販化されると、検知できるアレルギーの種類からNimaの強力な競合となりうる。

食品に含まれるアレルギー物質を検知するアプローチではなく、アレルギーにならない食品に「変身」させようとする試みもある。

Ukkoは小麦などアレルギーを含む原料からゲノム編集技術を使って、アレルギーの原因となる部位を除去することで、アレルギー反応を起こさない改変グルテンを開発している。

Allergy Amuletは自身も多数のアレルギーを抱えるAbigail Barnes氏(共同創業者、CEO)によって設立された。

自身もアレルギーを抱えるAbigail Barnes氏 出典:Allergy Amulet

注意深く伝えても、レストランでは間違いが起こる。

アレルギーで悩む人にとって、外食は「ロシアンルーレットのようだった」と語るBarnes氏は、自身のようにアレルギーのある人が外食のときにも安心して食べられるよう、迅速かつ携帯可能なデバイスを開発する必要を感じ、2016年にAllergy Amuletを立ち上げた。

今回のラウンドにはAller FundとLightship Capitalが参加した。同社の調達総額は約560万ドル(約6億1000万円)となる。

 

参考記事

Allergy Amulet Expands Seed Round to $4.1 Million

Allergy Amulet Raises $3.3M for Food Allergen Detection Device

 

関連記事

アイキャッチ画像の出典:Allergy Amulet

 

 

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