Foovo Deep

米Algae Cooking Club、微細藻類由来の食用油を発売

 

アメリカのスタートアップ企業Algae Cooking Clubは先月、微細藻類で作られた食用油を発売した。The Spoonの報道によると、同社はTerraViaに続き、微細藻類由来の食用油を発売した2社目の企業となる。

Algae Cooking Clubは自社の食用油のメリットとして、発煙点*が279.4℃(535°F)と従来の製品よりも高く、オリーブオイル、アボカドオイルの70%と比較して、健康に良いとされるオメガ9脂肪酸を93%含むこと、キャノーラ油よりも炭素排出量47%少ないことを挙げている

*発煙点とは油が焦げて、煙を出し始める温度をいう。

微細藻類由来の食用油ALGAE COOKING OIL

出典:Algae Cooking Club

Algae Cooking Clubは大型のステンレスタンクの中で微細藻類に糖を与え、発酵させる。同社によると、自社のプロセスは、ビールの醸造やワインの発酵に似ており、異なるのは酵母の代わりに微細藻類を使用していることだ。

わずか数日で、藻類の重量の約80%が油脂になる。丸くなった藻類は、オリーブオイル業界でおなじみの圧搾を経て、油脂と藻類が分離され、最終産物となる食用油が得られる

Algae Cooking Clubは藻類を使用する理由として、藻類が自然本来の油の作り手であること、農薬、化学溶剤などを必要とせず、わずかな時間、エネルギー、天然資源を使用してオメガ9脂肪酸が豊富は食用油を提供できることを挙げている。従来の植物油脂では収穫時期を待たねばならなかったが、藻類であれば数日間で同じ品質の油脂を生産することができる。

Algae Cooking Clubの食用油にはオメガ9脂肪酸は含まれるが、オメガ3脂肪酸は含まれていない。公式サイトで現在、1本25ドルで販売されている。

微細藻類による食用油開発の現状

出典:Algae Cooking Club

ここから先は有料会員限定となります。

読まれたい方はこちらのページから会員登録をお願いします。

すでに登録されている方はこちらのページからログインしてください。

 

関連記事

アイキャッチ画像の出典:Algae Cooking Club

 

関連記事

  1. イスラエル企業Accellta、細胞性乳脂肪で米国市場進出を狙う…
  2. ドイツのFormo、欧州投資銀行から約56億円を調達-麹菌由来チ…
  3. 米Upside Foodsが新たに培養鶏ひき肉製品を発表
  4. 米パーフェクトデイ、精密発酵による甘味タンパク質開発で市場参入か…
  5. オーストリアのRevo Foods、世界最大の食品向け3Dプリン…
  6. おがくずから代替油脂を開発するÄIOが約9.9億円を調達、デモプ…
  7. スイスの食品大手ジボダン、ビューラー、ミグロが共同で培養肉の実証…
  8. 【世界初】TurtleTreeが精密発酵ウシラクトフェリンでGR…

おすすめ記事

誰もが食べられるグルテンを開発するUkko、食品アレルギーにパラダイムシフトを起こす

Beyond Celiacによると、1800万人のアメリカ人がグルテンアレルギー…

英Ivy Farm、欧州最大の培養肉パイロット工場をオープン

イギリスの培養肉スタートアップIvy Farmが、培養肉のパイロット工場を正式に…

おがくずと微生物で脂肪を開発するエストニア企業ÄIOが約1.4億円を調達

エストニアの代替油脂スタートアップ企業ÄIOは今月、100万ユーロ(約1億400…

仏Bon Vivantが精密発酵ホエイでGRAS自己認証を取得|アメリカ認証状況を時系列で振り返る

フランスの精密発酵企業Bon Vivant(現Verley)は今月、精密発酵で生…

オーストラリアのBoldly Foods、植物性サーモン・マグロを米国で供給開始

オーストラリア、シドニーを拠点とするBoldly Foodsは今年夏、アメリカの…

エストニアで進むマイコプロテイン開発|ホールカット代替肉を開発するFunkiとMati Foodsの取り組み

エストニア発のマイコプロテイン企業Funkiは、今後5年から10年で、食用菌糸体…

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

▼聞き流しフードテックニュース▼

 

 

 

精密発酵ミニレポート発売のお知らせ

最新記事

【FoovoBridge】日本のフードテックニュースを海外へ発信する英語サイト

▼メルマガ登録はこちらから▼

フードテックの海外ニュースを週1回まとめてお届けしております。

 

▶メールマガジン登録はこちらから

Foovo Deepのご案内

Foovoの記事作成方針に関しまして

Foovoセミナー(年3回開催)↓

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

2025年・培養魚企業レポート販売開始

フードテックを理解するのに役立つ書籍

夢の細胞農業 培養肉を創る

夢の細胞農業 培養肉を創る

羽生雄毅
1,760円(11/16 16:14時点)
Amazonの情報を掲載しています
培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

竹内 昌治, 日比野 愛子
572円(11/17 02:54時点)
発売日: 2022/12/06
Amazonの情報を掲載しています
フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

田中宏隆, 岡田亜希子, 瀬川明秀
1,782円(11/17 06:24時点)
発売日: 2020/07/23
Amazonの情報を掲載しています
マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

アンドレ・アンドニアン, 川西剛史, 山田唯人
1,980円(11/16 22:15時点)
発売日: 2020/08/22
Amazonの情報を掲載しています
クリーンミート 培養肉が世界を変える

クリーンミート 培養肉が世界を変える

ポール・シャピロ
1,782円(11/16 14:16時点)
発売日: 2020/01/09
Amazonの情報を掲載しています
培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

石井金子
698円(11/17 01:33時点)
発売日: 2022/02/20
Amazonの情報を掲載しています
PAGE TOP