新しい食

MicroSaltは通常の半分量で、同じ塩味を実現する画期的な塩「MicroSalt®」を開発

 

アメリカ人は1日平均3.4gの塩分を摂取しているといわれる。

これはFDAが推奨する2.3gの約1.5倍となる。

アメリカでは約1億800万人の成人が高血圧にかかっているとされ、1日の塩分摂取量を40%以上減らせば、10年間で50万人の命が救われ、1000億ドルの医療費の削減につながるといわれる。

少ない塩で同じ味を感じられれば、現在の食生活を維持しながら、健康に良い生活を送れるようになる。

そのソリューションを提供するのが、アメリカのスタートアップ企業MicroSaltだ。

半分の量で同じ塩味を実現するMicroSalt®

MicroSaltは通常の半分の量で、同じ塩味を可能とするMicroSalt®を開発した。

MicroSalt®はキャリアーとなるマルトデキストリンとそれを覆うナノ粒子の塩から構成される。

使用される塩の粒子は通常の塩の約100分の1で、即座に分解され、少ない量でも同じ味を感じられるという。

同社は50%少ないナトリウムを使用して同じ塩味を可能とする特許技術(US8900650)を取得している。

出典:MicroSalt

MicroSalt®は0.2μm~0.6μmほどのナノサイズの塩の結晶でコーティングされている。

キャリアー(マルトデキストリン)は塩の結晶を運ぶための送達手段として作用するにすぎず、塩の結晶が静電作用によってキャリアーに多数付着している。

MicroSalt®が消費されると、ただちに分解され、通常量の塩と同じ味をもたらす。

キャリアー(マルトデキストリン)が何千という塩のナノ粒子によって覆われているイメージとなる。

つまり、代替塩を使うのではなく、塩の結晶の「届け方」を変えている

出典:MicroSalt

キャリアーには主にマルトデキストリンを使用する。

マルトデキストリンはデンプン由来の多糖で、消化されやすく、キャンディやスナック菓子などに使われている。

CEOのVictor Hugo Manzanilla氏によると、キャリアーとして使用されるマルトデキストリンの含有量は、商品の栄養成分に影響を与えない程度のごく少量だという。

MicroSalt®がもたらすインパクト

市場には代替塩として塩化カリウムを使用するものがあるが、塩化カリウムによる塩味は食べたときに金属のような味がある。

添加物を使わず、遺伝子組換え技術を使用していないMicroSalt®は、少ない量でも同じ塩味を感じられる新たな塩として需要が見込まれる。

Manzanilla氏によると塩粒子が小さければ小さいほど、分解速度が速まり、より強い塩味を感じるという。

これは、塩粒子のサイズが小さくなると、舌に触れる表面積が増え、半分の量でも同じ塩味を感じられるようになるため。

また、粒子サイズが小さいほど、商品に付着しやすくなり、これも塩味を感じやすくなる効果を生み出している。

出典:MicroSalt

MicroSaltはMicroSalt®を使用したポテトチップス「SaltMe!」を開発しているが、中核となるビジネスは原料としてのMicroSaltであるとしている。

「SaltMe!」はMicroSaltの概念実証として開発したものだとしている。

MicroSalt®はチップス、トルティーヤチップス、ナッツ、クラッカー、ポップコーンなどさまざまなスナック菓子に使用できる。

CardioSmartによると、アメリカ人が摂取する塩分の70%が加工食品やレストランでの食事に由来するとされる。

レストランでの料理や、スナックなど加工食品にMicroSalt®が使用されれば、1日の塩分摂取量を今の半分に減らせる可能性がある

Manzanilla氏は次のように述べている。

「私たち(の製品)は、世界中のメーカーが自社製品の栄養成分を強化することで、心疾患の軽減において主導的な役割を果たすことを可能にします。

スナック業界では「風味がすべて」です。ですから、塩分を減らすという重要な問題を解決しつつ、風味を損なわない塩を開発しました。

メーカー、消費者にとって素晴らしいウィンウィンなシナリオです」(Victor Hugo Manzanilla氏)。

今年中にメキシコに進出

MicroSaltのアプローチはイスラエルのDouxMatokに似ている。

DouxMatokの場合は塩ではなく砂糖をターゲットにしており、シリカなどキャリアーを使って、糖度を変えず使用量を40%減らせる砂糖を開発している。

現在、MicroSaltは株式投資型クラウドファンディングを実施中で、これまでに38万ドル以上が集まっている。

CEOのVictor Hugo Manzanilla氏 出典:MicroSalt

同社はすでにテキサスと中東で展開するHanks Brokerage、アメリカの食料品会社Accurate Ingredients、化学品メーカーGehrig Montgomery Inc、メキシコの航空会社Fxm Internationalと提携している。

今年中にメキシコ、来年後半に南米、2023年にアジアに進出する予定だとしている。

さらに、現在のバージョンを改良させた80%塩分カットタイプ(風味は同じ)を開発している。

 

参考記事

MicroSalt Reformulates Salt So You Use Less of It

A new, breakthrough salt that delivers full sodium flavor with 50% less sodium

 

関連記事

アイキャッチ画像の出典:MicroSalt

 

 

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