代替プロテイン

インドの代替卵企業Evo Foodsが約8900万円を調達

 

植物ベースの代替卵を開発するインド企業Evo Foodsがプレシードで6200万ルピー(約8900万円)を調達した。

調達した資金で、インド市場での販売、研究開発の強化、チーム拡大を図り、2022年に予定している海外展開の準備を進める

共同創業者のShraddha Bhansali氏によると、同社は5年以内に全世界にEvo Foodsの代替卵を導入させることを目指している。

ムンバイを拠点とするEvo Foodsは2019年に設立されたスタートアップ企業。

レンズ豆を原料に、100%ビーガンな液状の卵を開発している。同社の卵はコレステロールを含まず、鶏の飼育過程で使用される抗生物質を含まない。

出典:Evo Foods

同社は昨年8月のプレシードで、エンジェル投資家でありWild Earthの共同創業者のRyan Bethencourt(ライアン・ベザンコート)氏、Shiok Meats創業者のSandhya Sriram氏からも出資を受けている。

Evo Foodsは昨年10月に、2020年中にインドで販売を開始、2021年4月には米国進出の計画を発表していた

この計画は遅れているようで、Vegconomistの報道によると、今年第2四半期にレストランや外食産業を通じてインドで販売するため、複数のレストランと提携済みだという。さらに、年末にかけて大規模に販売するため大手ファーストフードチェーンと交渉中で、2022年までに海外展開したいと考えている。

Evo Foodsによると、世界の卵市場は2000億ドルで、このうち1000億個の卵がインドで生産されている。

卵1㎏の生産で、鶏肉を1kg生産するより多くの二酸化炭素が排出される。

インドでは家畜の成長促進・感染症予防のために抗生物質の乱用が指摘されている。このため同社は人、環境、動物に優しい、持続可能な卵ブランドを作ろうとしている。

出典:Evo Foods

特に米国市場を視野にいれるEvo Foodsは、次のように述べている。

「アメリカでは、植物性代替卵の平均価格は動物性卵よりも184%高いです。

当社なら、高品質で手頃な植物卵を提供することで、ニーズにこたえることができます」

(共同創業者Shraddha Bhansali氏)

Evo FoodsはこれまでにBig Idea Venturesのプログラムに参加、FoodBytes by RabobankのプログラムでCPGスタートアップTOP5に選出、アメリカのベンチャーキャピタルLightspeed Venture Partnersのプログラムでは食品企業で初めてTOP12に選出されている。

 

参考記事

Evo Foods Celebrates One of Largest Ever Seed Funding Rounds by an Indian Food Startup With a Stellar List of Investors

Plant-Based Egg Startup Evo Foods Secures US$845K & Gears Up For Indian Market Launch

 

おすすめ記事

アイキャッチ画像の出典:Evo Foods

 

関連記事

  1. Belグループ、精密発酵クリームチーズ「Nurishh」の販売を…
  2. New Cultureが世界で初めて精密発酵カゼインでGRAS自…
  3. ビル・ゲイツも出資|細胞培養により代替母乳の開発を目指すBiom…
  4. The Better Meat Co、南米大手食肉メーカーとマイ…
  5. 代替肉はなぜ必要なのか?代替肉の必要性、分類、現状をわかりやすく…
  6. マイコプロテインを開発するフィンランド企業Eniferが約19億…
  7. オランダのViviciが精密発酵ホエイの生産プロセスをスケールア…
  8. 植物分子農業でジャガイモから卵白タンパク質を開発するPoLoPo…

おすすめ記事

精密発酵でカゼインを開発するタイのMuu、来年の商用生産を目指す

精密発酵によるタンパク質開発が世界的に進んでいる。精密発酵は、微生物に目的成分の…

NotCoが約95億円を調達、食品業界向けのAIプラットフォーム構築へ

チリのフードテック・ユニコーン企業NotCoは12日、シリーズDラウンドで700…

DM三井製糖、2026年から植物性マグロの提供を計画|海外新興も国内生産を開始

出典:DM三井製糖DM三井製糖が植物性の代替マグロ市場に進出する計画が報じられた。第一報…

インテグリカルチャー、アヒル由来の細胞培養食品の試作品を発表-官能評価会で市場性を検証

インテグリカルチャーは、アヒル肝臓由来細胞を培養した試作品の開発に成功したと発表…

米Ovieが開発した冷蔵庫の食品を簡単に追跡できるスマートタグLightTags

食べ残しの料理や、蓋を開けたジャムなど「まだ食べられる」と思って冷蔵庫に保存した…

全自動のパン製造ロボットBreadBot、昨年より米スーパーに本格導入

Wilkinson Baking Companyが開発したパンを自動製造するロボ…

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

▼聞き流しフードテックニュース▼

 

 

 

精密発酵ミニレポート発売のお知らせ

最新記事

【FoovoBridge】日本のフードテックニュースを海外へ発信する英語サイト

▼メルマガ登録はこちらから▼

フードテックの海外ニュースを週1回まとめてお届けしております。

 

▶メールマガジン登録はこちらから

Foovo Deepのご案内

Foovoの記事作成方針に関しまして

Foovoセミナー(年3回開催)↓

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

2025年・培養魚企業レポート販売開始

フードテックを理解するのに役立つ書籍

夢の細胞農業 培養肉を創る

夢の細胞農業 培養肉を創る

羽生雄毅
1,760円(11/12 16:14時点)
Amazonの情報を掲載しています
培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

竹内 昌治, 日比野 愛子
572円(11/13 02:50時点)
発売日: 2022/12/06
Amazonの情報を掲載しています
フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

田中宏隆, 岡田亜希子, 瀬川明秀
1,782円(11/13 06:22時点)
発売日: 2020/07/23
Amazonの情報を掲載しています
マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

アンドレ・アンドニアン, 川西剛史, 山田唯人
1,980円(11/12 22:14時点)
発売日: 2020/08/22
Amazonの情報を掲載しています
クリーンミート 培養肉が世界を変える

クリーンミート 培養肉が世界を変える

ポール・シャピロ
1,782円(11/12 14:15時点)
発売日: 2020/01/09
Amazonの情報を掲載しています
培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

石井金子
698円(11/13 01:33時点)
発売日: 2022/02/20
Amazonの情報を掲載しています
PAGE TOP