Foovo Deep

代替脂肪としてのオレオゲルの食品応用における課題と認可の事例|Foovo独自調査

 

トランス脂肪酸を含まず、飽和脂肪酸が少ない固体脂肪の代替品として近年、オレオゲルの研究開発が進んでいる。

オレオゲルは一般に、植物油脂を食品グレードで熱可逆性のゲル化剤に閉じ込めることで、植物油脂を半固体ゲルまたは固体ゲルに変換したものを言う。ゼリーや寒天などハイドロゲルの「油版」とイメージするとわかりやすい。

その用途はチョコレートショートニング肉製品(バーガー、パテ、ソーセージなど)、揚げ物焼き菓子(クッキー、ケーキ、ビスケット、マフィン等)、乳製品(アイスクリーム、クリームチーズ、バターなど)、フィリングなど多岐にわたる。

オレオゲルの多くは、生成に最小限量のゲル化剤を必要とし、時として97%以上の液体油脂を含むため、バルク状(塊状)の脂肪製品という特徴を持つ。

近年、オレオゲルに関する論文は増えており、Foovoの調査では、2023年以降、食品用途に関連したオレオゲル論文は2000件以上、2024年以降では本記事作成時点で600件を超えている(Google Scholarで調査)。

オレオゲルは、飽和脂肪酸を抑え、トランス脂肪酸を含まない固体または半固体の脂肪として、食品用途での応用が期待されている。しかし、Foovoの認識では、ゲル化剤で認可を取得した事例はわずかとなる。そこで今回の記事では、2023年以降の論文をもとに、オレオゲルの食品応用における課題・最近のトレンドをまとめた。

オレオゲルの作製技術

出典:Oleogels as a Fat Substitute in Food: A Current Review (2023)

ここから先は有料会員限定となります。

読まれたい方はこちらのページから会員登録をお願いします。

すでに登録されている方はこちらのページからログインしてください。

 

関連記事

アイキャッチ画像の出典:Perfat Technologies

 

関連記事

  1. 昆虫由来の代替タンパク質に取り組むTebritoが約1億円を調達…
  2. 3Dプリンター肉のSavorEatが代替卵に特化したスタートアッ…
  3. The Food Robotics Summit2021に登場し…
  4. Umami Bioworks、韓国に培養シーフード工場設置へ―2…
  5. 米SCiFi Foodsが培養牛肉製品で初のLCAを実施、環境メ…
  6. ImpacFatが世界で初めて培養魚脂肪の試食会を実施
  7. 培養シーフードを開発するShiok Meatsが資金調達、シンガ…
  8. モサミートが培養肉の工業生産に向けて生産施設を拡大

おすすめ記事

米Aqua Cultured Foodsがシカゴで生産施設の建設を開始、今年前半に上市を計画

バイオマス発酵で代替シーフードを開発する米Aqua Cultured Foods…

なぜ今、食品メーカーが手を組むのか?|共通課題に挑む「未来型食品工場コンソーシアム」

今年7月、食品業界における共通課題の解決を目指す取り組みとして「未来型食品工場コ…

Daisy Labがシード資金を調達、今年半ばに精密発酵プロトタイプ生産へ

ニュージーランドの精密発酵企業Daisy Labは今月、シードラウンドを完了した…

Evo Foodsとギンコ・バイオワークス、アニマルフリーな卵タンパク質の開発で提携

海外では動物に頼らずに食品成分を作る手法として、精密発酵が人気の手法になりつつあ…

【4/10】代替カカオ・ココアバター最新動向セミナー開催のお知らせ

本セミナーは終了しました。アーカイブ動画はこちらからご覧いただけます。…

安価な成長因子を開発するカナダのFuture Fieldsが約2億3千万円を調達、培養肉を「大衆品」に

培養肉開発のために安価な成長因子を開発するFuture Fieldsがシードラウ…

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

最新記事

▼メルマガ登録はこちらから▼

フードテックの海外ニュースを週1回まとめてお届けしております。

 

ご登録いただいた方には、国内外の培養肉開発に取り組む企業101社をまとめたレポート(全23ページ)を無料でお配りしております(2022年3月更新版)。

 

最新のフードテックニュースを逃したくない方におすすめです。

 

 

▶メールマガジン登録はこちらから

▼聞き流しフードテックニュース▼

 

 

 

Foovo Deepのご案内

Foovoの記事作成方針に関しまして

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

【2024年】培養魚企業レポート好評販売中

【FoovoBridge】日本のフードテックニュースを海外へ発信する英語サイト

フードテックを理解するのに役立つ書籍

夢の細胞農業 培養肉を創る

夢の細胞農業 培養肉を創る

羽生雄毅
1,707円(05/17 15:09時点)
Amazonの情報を掲載しています
培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

竹内 昌治, 日比野 愛子
572円(05/17 01:00時点)
発売日: 2022/12/06
Amazonの情報を掲載しています
フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

田中宏隆, 岡田亜希子, 瀬川明秀
1,782円(05/17 04:59時点)
発売日: 2020/07/23
Amazonの情報を掲載しています
マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

アンドレ・アンドニアン, 川西剛史, 山田唯人
1,980円(05/16 21:08時点)
発売日: 2020/08/22
Amazonの情報を掲載しています
クリーンミート 培養肉が世界を変える

クリーンミート 培養肉が世界を変える

ポール・シャピロ
1,782円(05/17 13:14時点)
発売日: 2020/01/09
Amazonの情報を掲載しています
培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

石井金子
498円(05/17 00:14時点)
発売日: 2022/02/20
Amazonの情報を掲載しています
PAGE TOP