AI、ロボット、ブロックチェーンを活用する韓国のスタートアップLOUNGE’LABが、ロボットを使ったアイスクリームショップBrown Banaをソウルにオープンした。
ソウル、聖水洞(ソンスドン)にオープンしたBrown Banaは、ロボットが人と協働してアイスクリームを作るこれまでにないアイスクリームショップ。
アイスクリームロボットArisは、カップを保持し、アイスクリームが注入されたカップを所定の場所に置く。これに人がトッピングする。
完全にロボット化されたショップではないが、Arisのリズミカルな踊りがエンターテイメント効果を出している。
アイスクリームロボットArisには「あいさつ」「手招き」「休憩」「眠そう」など全7種類の動きが搭載されており、アームの動きに合わせて、アイスクリーム装置のディスプレイに表示されるアニメーションが変わるようになっている。
Brown Banaは完全にロボット化されたアイスクリームショップではないものの、24時間休まずに、毎回正確にアイスクリームを用意できるため、店舗にとって人件費・材料費の削減につながる。
注がれるアイスクリームをカップに受けるという単調な作業はArisに任せ、人間のスタッフは、トッピングや顧客対応など、より複雑なサービスに時間を割くことができる。
注文を受けてからアイスクリームを用意するまで、Arisのさまざまな動きに合わせ、ディスプレイの「表情」が変化する様子は、ユーザーエクスペリエンスを高めるうえで効果的といえる。
ロボットによる製造プロセスが1つのエンターテイメントとなっており、混雑時に待っている間にも、顧客をイラつかせず、楽しませる効果を生み出している。
Brown Banaを開設したLOUNGE’LABは、「食と遊ぶ」を理念に、ロボット、AI、ブロックチェーンなど先端テクノロジーを活用して新しいユーザーエクスペリエンスを創出するスタートアップ企業。
公式サイトによると、人と協働するBrown Banaのほかに、完全にロボット化されたアイスクリーム自販機Baris Icecream、AIがリアルタイムで価格を変更するスマート自販機MooinSangHoei、ロボットを導入したバリスタカフェLOUNGE’Xなどを開発している。
アイスクリーム自販機Baris Icecreamは人を全く必要としない、小さなロボットキオスク。
カップを保持し、アイスクリームをカップに注入し、顧客の前にアイスクリームを置くまでのすべての動きをロボットが担う。
注文情報はクラウドにリアルタイムで更新されるため、在庫量が少なくなると、所有者に通知が届く。
製造プロセスがすべて見える化されており、公園やテーマパーク、ショッピングモールなど人通りの多い場所では、エンターテイメント性があるだけでなく、24時間休まず稼働できるので大量のアイスクリームを提供できる。
スマート自販機MooinSangHoeiは、ビルなどに設置を想定した次世代自販機。
顧客が来るのを待つのではなく、顧客が買いに来るよう動的な動きが設計されている。在庫、賞味期限、ユーザー情報などに基づき、AIがリアルタイムで価格を決める。
これにより、MooinSangHoeiの所要面積はわずかにも関わらず、AIによる動的な価格決定により、ビル全体をバーチャルストア化することが可能となるという。
決済も含め完全接触レスであり、ユーザーは自販機の前でアプリのボタンを押し、商品を取り出せば、購入は完了する。
決済はクレジットカードのほか、ビットコイン、イーサリアムなど仮想通貨にも対応している。
MooinSangHoeiは、江南Nタワー地下2階にある同社が運営するLOUNGE’Xでベータテストを実施する予定。
LOUNGE’Xはロボットがコーヒーを注ぐバリスタカフェで、公式サイトによるとソウル、済州など6店舗がある。
クランチベースによると、LOUNGE’LABは2019年に設立されたソウルを拠点とするスタートアップ企業。
これまでにプレシード、シード合わせて総額400万ドル(約4億4000万円)を調達している。
こうしたロボット、自販機の食品への活用については、海外を中心に新規事例が増えており、日本の自販機の常識を壊すさまざまなスタートアップが登場している。
LOUNGE’LABのほかにも、トッピングまでしてくれるアイスクリーム自販機や、タピオカティーの自販機などが登場している。
最新の次世代自販機について詳しい情報を収集している企業はこちらのレポートをご覧いただきたい。
参考記事
South Korea: Lounge Lab Opens Brown Bana Robot Ice Cream Shop
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アイキャッチ画像の出典:LOUNGE’LAB