代替プロテイン

えんどう豆由来の代替ミルクを開発するSproudが約6.8億円を調達

 

えんどう豆を主原料に代替ミルクを開発するSproudが480万ポンド(約6億8千万円)を調達した。

クランチベースによると、これは同社にとって初の資金調達で、ラウンドはイギリスのVGC Partnersが主導した。

Sproudは調達した資金を、重要マーケットでのブランド確立、販売網拡大、チーム拡充にあてるとしている。

えんどう豆ミルクを作るスウェーデン企業Sproud

Sproudはスウェーデンを拠点に2018年に設立されたフードテック企業。

これまでにイギリス、アメリカ、カナダを含む15のマーケットに進出している。

現在、オリジナル、バリスタ、無糖タイプ、チョコレート風味の4つの味がある。

出典:Sproud

Sproudの代替ミルクは黄色いエンドウ豆(イエロースプリットピー)を主原料に、なたね油、オーツ麦油を加えてクリーミーさを再現。

栄養価を高めるために、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンB12、ビタミンDを加えている。

同社によると、えんどう豆ミルクは牛乳に比べて必要となる土地・水が少ない。

アーモンド、オーツ麦などほかの植物ベースミルクより使用する水が少なく、大豆と比べると使用する土地は少ない。畜産乳・植物ベースミルクと比べサステイナブルだという。

Green queenの報道によると、含有タンパク質はアーモンドミルクの5倍、オーツミルクの3倍となる。

しかし、牛乳は100mLあたり3.4gのタンパク質を含むが、Sproudのえんどう豆ミルクは2g。

Sproud (100mL) 牛乳(100mL)
タンパク質 2g 3.4g
脂質 2.1g 3.9g
炭水化物 2g 5g
カロリー 34kcal 69kcal

参照:全国飲用牛乳公正取引協議会

栄養レベルでは牛乳にまだ及ばないが、保存期間は365日と長く、冷蔵保存の必要はないというメリットがある。

米英・カナダなど15のマーケットに進出済み

出典:Sproud

Sproudのえんどう豆ミルクは、イギリスではスーパーWaitrose、ネットスーパー・オカドやアマゾンで、アメリカ、カナダではアマゾンや一部の小売で販売されている。

同社はアメリカに進出するにあたり、地元で生産システムを維持するため、北米で販売する商品にはカナダのえんどう豆を使用してカナダで製造している。

ヨーロッパで提供する商品には、フランスのえんどう豆を使っている。

同社は先月調達した資金を、重要マーケットでのブランド確立、販売網拡大、チーム拡充にあてる。

えんどう豆ミルクに取り組む競合他社

出典:Sproud

えんどう豆を植物性タンパク質の主要原料に使う企業といえば、ビヨンドミートをまず思い浮かべるが、えんどう豆から代替ミルクを作る企業には、Ripple Foodsがいる。

Rippleはエンドウ豆ベースのミルクだけでなく、プロテイン粉末やアイスクリームも製造している。Rippleのえんどう豆ミルクは100mLあたり約3.3gとほぼ牛乳に匹敵するタンパク質を含有している。

もう1社、同じく米国企業のGood Karmaもえんどう豆ミルクを生産しており、同社のミルクが含有するタンパク質もRippleと同レベルだ。

代替乳製品に取り組むスタートアップ

原料をえんどう豆に限定しなければ、代替乳製品に参入する企業は多い。

代表格は微生物発酵技術によって動物を使わずに乳製品を開発する米パーフェクトデイだろう。この春にはシンガポールの研究開発施設がオープン予定で、先日には香港にも進出した。

パーフェクトデイのほかにも、微生物を発酵させて乳タンパク質を作る企業は、米・オーストラリアのChange Foods、イスラエルのRemilk、イギリスのBetter Dairyなど、次々と登場している。

このほか、細胞農業によって培養ミルクを作る試みも進んでいる。

シンガポールのTurtleTree、イスラエルのBio Milk、アメリカのBiomilqは細胞を培養して母乳を開発している。

出典:Sproud

チリ発のNotCoはえんどう豆、パイナップル、ココナッツ、キャベツなど複数の植物をベースとするが、同社は自社の機械学習ソフトウェアを強みとする。

膨大な植物プロファイルから作りたい商品にマッチする理想的な植物成分を組み合わせて、味だけでなく、食感、匂い、口当たりを再現している。

さらに、代替肉の代表格インポッシブルフーズは昨年、コーヒーに加えても分離しないインポッシブルミルクを披露して話題を呼んだ。

 

参考記事

Swedish Startup Sproud Raises £4.8M For Pea Protein Milk

Swedish ‘Zebra’ Pea Milk Startup Sproud Bags US$6.5M As Investment Pours Into Alt Dairy

Sproud raises $6.6M for North American expansion of pea-protein milk

 

アイキャッチ画像の出典:Sproud

 

関連記事

  1. 小売大手のLidl、植物由来食品の販売比率を2030年までに20…
  2. GOOD Meatが培養肉生産に無血清培地を使用する認可をシンガ…
  3. 小売で流通する細胞性食品―シンガポール・フードテック実食レポート…
  4. スロベニア企業Juicy Marblesは世界初の植物性フィレミ…
  5. 米Liberation Labs、Viviciと製造パートナーシ…
  6. 仏Gourmey、培養肉の生産コストを1kgあたり約1200円と…
  7. イスラエルの培養肉企業Steakholder Foods、バイオ…
  8. Vowの培養ウズラ肉、シンガポールのレストランがメニューに導入、…

おすすめ記事

代替卵のUMAMI UNITED JAPAN、植物原料による卵の機能再現を目指し、東京電機大学と共同研究

山﨑寛斗氏 出典:UMAMI UNITED JAPAN日本発の代替卵スタートアップUMAMI U…

デンマーク議会、炭素税・植物性食品・森林拡大を推進する協定に合意|気候変動対策に約9300億円を投資

デンマーク議会は今月18日、気候変動対策、土地利用の変革、生物多様性、水質向上に…

ごぼうから生まれたカカオ不使用の代替チョコ「ゴボーチェ」実食レビュー|ナチュラルローソンでも販売中

都内ナチュラルローソンにて(2025年5月初旬) Foovo(佐藤)撮影2026年1月21日更新…

英ReNewFood、精密発酵で新たなヘムタンパク質を開発 – 2027年の市場投入へ|創業者インタビュー

英国のスタートアップReNewFoodは、精密発酵技術を活用し、タンパク質由来の…

ゲノム編集で野菜・果物に新しい命を吹き込む米Pairwiseが約94億円を調達

Pairwiseは収量も栄養もあるのに、匂いなどの理由で人気のない食品を、ゲノム…

JACA、培養肉など細胞性食品のリスク評価案を消費者庁に提出|行政審議が進む中、「共通の専門知見」形成を後押し

Vowの培養ウズラ(2024年4月 Foovo佐藤撮影)培養肉など細胞性食品の制度整備に向けた動…

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

次回Foovoセミナーのご案内

細胞性食品(細胞培養食品)レポート販売開始

▼聞き流しフードテックニュース▼

 

 

 

最新記事

▼メルマガ登録はこちらから▼

フードテックの海外ニュースを週1回まとめてお届けしております。

 

▶メールマガジン登録はこちらから

精密発酵・定期動向レポート発売のお知らせ

代替カカオレポート・好評販売中

【FoovoBridge】日本のフードテックニュースを海外へ発信する英語サイト

会員サービスFoovo Deepのご案内

Foovoの記事作成方針に関しまして

Foovoセミナー(年3回開催)↓

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

PAGE TOP