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農家に植物の「内なる声」を伝えるInnerPlantが約6.2億円を調達、植物のSOSを事前にキャッチ

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自らSOSを発する「センサー植物」を開発するInnerPlantがプレシード、シードラウンドで565万ドル(約6億2000万円)を調達した。

このラウンドは日本のMS&ADホールディングスの投資部門でありMS&AD Venturesが主導し、Bee PartnersUp WestTAU Venturesが参加した。

InnerPlantは、植物がストレスにさらされたときにSOSを伝える「センサー植物」を開発している。

「センサー植物」は、殺虫剤、微生物、栄養不足、水不足などによる病気やストレスがある環境において、問題が発生する前に、発光して農家に「自ら」SOSを伝える

この「センサー植物」は、異なるストレスにさらされたときに発光するよう、人が消費しても問題のない蛍光タンパク質を含むように遺伝子を組み込まれている。

左は普通のトマト、右が昆虫の攻撃を受けたInnerTomato。普通のトマトは発光しないが、InnerTomatoは攻撃により発光する。出典:InnerPlant

植物は攻撃を受けたときに、近くの植物に危険を知らせるために化学物質を分泌することが知られている。

InnerPlantは、植物が警告に用いる化学物質を増強し、蛍光によって「見える化」することで植物自身がタイムリーにSOSを農家に伝えられるようにしている。

つまり、植物を、問題がある時に農家に直接訴えかけられる「生きたセンサー」に変えている

これらのSOSは肉眼では見えないため、農家はInnerPlantが開発したシステムを使って農場を頭上から撮影し、シグナルの有無を確認する。iPhone、iPadで確認できるほか、ドローンや衛星を使って確認することができる。

問題の種類によって異なる色に発光されるため、農家は農地のどこで、どのような問題が発生しているか把握できる。

出典:InnerPlant

InnerPlantによると、農地全体をモニタリングするのに、ひとかたまり(数十個)のセンサー植物で足りるという。

たとえば、有害な菌によって植物が被害を受けていることが判明した場合、農薬を農地全体に撒くのではなく、被害を受けた植物を取り除くだけでよい。

農家によってはタイムリーに植物のSOSを検知することで早期に対応できるようになり、結果的に農薬の使用量を減らすことができる

InnerPlantはこれまでに「センサートマト」InnerTomatoを開発している。

InnerTomatoは水不足や病原体からの攻撃を受けた時に、異なる色に発光して農家にSOSを伝える。

発光のタイミングは問題が実際に発生する数週間前であるため、肥料や農薬の使用量を最小限に抑え、収量と利益を最大化できる。

InnerPlantによると、アメリカでは512種の植物が化学物質に対する耐性を獲得している。

こうした農薬の大量使用は、環境、水生生物(水中・水面・水辺に生息する生物)、土壌に悪影響を及ぼし、微生物の多様性を損ない、干ばつに対応できる有機物の排除につながる。

InnerTomatoを導入することで、畑全体に農薬を撒く必要がなくなり、農薬による悪影響を抑えることができる。

「畑にハードウェアを設置するのではなく、農家は、普段のように作物を植えます。

当社のプラットフォームは個々の植物から直接データを取得して、農家に(植物の)ストレスに関する情報を提供しますので、農薬や肥料などの資源は必要な場合にだけ使用すればよくなります」。(共同創業者Shely Aronov氏)

同社は現在、大豆用のInnerSoyも開発している。今回調達した資金で、綿花などほかの植物センサーも開発していくとしている。

最終的には、すべての植物を「生きたセンサー」に変えて、農家の収穫量を増やし、消費者に健康な食品を提供しながら環境保護に貢献したいと考えている。

InnerPlantは2018年に設立されたサンフランシスコベイエリアを拠点とするスタートアップ企業。Rod Kumimoto氏Shely Aronov氏が立ち上げた。

 

参考記事

InnerPlant Raises $5.65M to Turn Plants Into “Living Sensors” and Mitigate Crop Loss

InnerPlant’s living plant sensor technology draws US$5.65 million from investors

 

関連記事

アイキャッチ画像の出典:InnerPlant

 

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