ロボット

Picnicがピザ組み立てロボットの予約注文受付をスタート

 

ピザ組み立てロボットを開発するPicnicが、予約注文の受付を開始したことを発表した。

Picnicはピザのトッピングを自動化するピザ組み立てロボットを開発するシアトルのスタートアップ企業。

システム全体はピザ設置部、ソース部、材料部などのユニットが一列に配列されており、ベルトコンベヤーに置かれたピザ生地が移動しながら、ディスペンサーからソースがけ、トッピングが順になされる仕組み。

出典:Picnic

一見すると筐体が並んでいるようにしか見えないが、レストランのピザ製造の大部分を自動化できる。レストランのニーズに応じて、導入ユニット数を増減できる。

レストランにPicnicのシステムを導入するレンタル費用は月額3500(約38万円)~5000ドル(約54万円)。料金にはメンテナンス検査とリモートコントロールが含まれる。

レストランは初期費用なしで導入できるため、費用対効果の高いRobotics-as-a-Service(RaaS)といえる。

Picnicは、今年は既存クライアントの注文分を製造、導入する。新しい注文分については2022年に出荷を開始する。

プレスリリースによると、Picnicのシステムは、モジュール式ピザ組み立てシステムで唯一市販化されているもの。レストランのキッチン作業を自動化することで、時間、費用、労力を節約できる。1時間に作れるピザ数は最大100枚。

出典:Picnic

PicnicのシステムはこれまでにT-Mobile Park、ラスベガス・コンベンション・センターに試験導入されている。今月ラスベガス・コンベンション・センターで開催された国際ピザ博覧会にも出展し、デモが行われた。

レストランにロボットを導入するメリットは時間、費用、労力を節約できるだけではない。ロボットは毎回同じ量のトッピングを一貫して行えるため、品質が統一され、材料費の節約につながる。

キッチンで働くスタッフ数を減らすことで、働くスタッフがソーシャルディスタンスを保てるようになる。ピザの製造は、自動化の割合が高く、最もロボットを導入しやすい領域といえる。

CEOのClayton Wood氏 出典:Picnic

現に、Picnicのほかにも、ピザ製造におけるロボットシステムの導入が進んでおり、同様のピザ組み立てシステムを開発するxRobotics、ピザ生地のならしから顧客への受け渡しまで自動化したレストランをパリにオープンしたPazziなどが登場している。

ピザではないが、ハンバーガーショップにロボットを導入し、注文のパーソナライズ化を実現するCreatorは、コロナで営業停止していたが先日に店舗を再オープンした。

Picnicは5月にシリーズAで約17億円を調達していたが、7月に追加で420万ドルを調達し、シリーズAの調達総額は2050万ドル(約22億円)となった。クランチベースによると、これまでの調達総額は3840万ドル(約42億円)となる。

 

参考記事

Picnic Announces Commercial Availability and Pricing of its Pizza Robot

Picnic® Announces Commercial Availability of Award-Winning Pizza System

Picnicが初のロボティックピザシステムを展開へ、プレオーダー受付開始

 

おすすめ記事

アイキャッチ画像の出典:Picnic

 

関連記事

  1. 食品業界の共通課題に挑む 「未来型食品工場コンソーシアム」、原料…
  2. トッピングから焼き上げまで3分で完成するピザ自販機Piestro…
  3. なぜ今、食品メーカーが手を組むのか?|共通課題に挑む「未来型食品…
  4. 【10/16】現地レポート会:フィンランド&シンガポールにおける…
  5. 中国OrionStar(猎户星空)がバリスタロボットRoboti…
  6. Hyphenが世界初のロボットメイクラインを発売、レストラン作業…
  7. Numilkが家庭用植物ミルクメーカーを発表、クラファンの累計支…
  8. カナダ企業のピザ自販機PizzaFornoが北米3ヵ国に進出

おすすめ記事

イスラエルの精密発酵企業Imagindairyが米国でGRAS自己認証を取得、乳製品では3社目

イスラエルの精密発酵企業Imagindairyがアメリカ食品医薬品局(FDA)の…

微生物とAIで新素材を発見するKingdom Superculturesが約28億円を調達

天然の微生物を組み合わせて新しい素材を開発する米Kingdom Supercul…

Steakholder Foodsが3Dプリンティングによる培養霜降り牛肉を発表

イスラエルの培養肉企業Steakholder Foods(旧称MeaTech)は…

カカオのいとこ「クプアス」でつくる持続可能な代替チョコレート|オランダ企業Motai Group、”もったいない”から始まる挑戦<創業者インタビュー>

出典:Motai Groupチョコレートの未来は、いま転換点を迎えている。進行する気候変動の影響…

モサミート、スイス当局に培養牛脂の新規食品申請を提出|世界の申請状況まとめ

2025年4月1日更新オランダの培養肉企業モサミート(Mosa Meat)は今月、スイス連邦…

オランダのUpstream Foods、植物シーフード向上のためサーモンの培養脂肪を開発

細胞由来・植物由来の代替肉や代替魚の開発が世界的に進む中、本物ならではの風味を補…

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

▼聞き流しフードテックニュース▼

 

 

 

精密発酵ミニレポート発売のお知らせ

最新記事

【FoovoBridge】日本のフードテックニュースを海外へ発信する英語サイト

▼メルマガ登録はこちらから▼

フードテックの海外ニュースを週1回まとめてお届けしております。

 

▶メールマガジン登録はこちらから

Foovo Deepのご案内

Foovoの記事作成方針に関しまして

Foovoセミナー(年3回開催)↓

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

2025年・培養魚企業レポート販売開始

フードテックを理解するのに役立つ書籍

夢の細胞農業 培養肉を創る

夢の細胞農業 培養肉を創る

羽生雄毅
1,760円(11/15 16:14時点)
Amazonの情報を掲載しています
培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

竹内 昌治, 日比野 愛子
572円(11/16 02:52時点)
発売日: 2022/12/06
Amazonの情報を掲載しています
フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

田中宏隆, 岡田亜希子, 瀬川明秀
1,782円(11/16 06:23時点)
発売日: 2020/07/23
Amazonの情報を掲載しています
マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

アンドレ・アンドニアン, 川西剛史, 山田唯人
1,980円(11/15 22:15時点)
発売日: 2020/08/22
Amazonの情報を掲載しています
クリーンミート 培養肉が世界を変える

クリーンミート 培養肉が世界を変える

ポール・シャピロ
1,782円(11/15 14:15時点)
発売日: 2020/01/09
Amazonの情報を掲載しています
培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

石井金子
698円(11/16 01:33時点)
発売日: 2022/02/20
Amazonの情報を掲載しています
PAGE TOP