代替プロテイン

菌糸体からステーキ肉を開発するMeati Foodsが約55億円を調達、2022年に商品の販売へ

 

菌糸体からブロック肉を開発する米Meati Foodsが、シリーズBで5000万ドル(約55億円)の資金調達を実施した。

このラウンドはAcre Venture PartnersBONDが主導し、Prelude VenturesCongruent VenturesTao Capitalが参加した。

この調達により、Meatiの調達総額は1億2710万ドル(約139億円)となる。

生産プロセスにかかる時間はわずか1日

出典:Meati Foods

Meatiはキノコの根の部分に相当する菌糸体を使って、高タンパク質、高繊維、栄養価の高い代替ブロック肉を開発している。

現在、鶏むね肉、ステーキ、ジャーキーの開発の最終段階にあり、今後は豚ヒレ肉、調理済み肉なども開発する予定だという。

栄養面については、Meatiのステーキ肉約127グラムあたり、タンパク質を25グラム、1日に必要な食物繊維の3分の1以上を含むほか、ビタミンやミネラルも含んでいる。

使用する技術は、代替タンパク質で昨今話題の微生物発酵技術糖質、水など栄養を与え、室内施設で菌糸体を成長させる。

出典:Meati Foods

Meatiは独自の菌株を独自プロセスで成長させて、化学薬品や処理を行わずに、自然な繊維質の食感を持つブロック肉を作り上げている。

完全に成長するまでにかかる時間はわずか約18時間。

大量生産が実現すると、1日に4500頭の牛に相当する量の代替肉を生産でき、使用される水と土地は従来の畜産の1%未満になる

Meatiは昨年7月にはコロラドのレストランでテスト販売を実施していた。

投資家が注目する第3の代替タンパク質「微生物発酵」

Meatiが使用する微生物発酵は、植物肉、培養肉に続く代替タンパク質の第3の柱として注目されるもの。

投資家らは、大豆やえんどう豆を原料にする植物ベースと比べ、省スペース(原料を栽培する土地が不要)で少ない原料で生産でき、加工プロセスが少なく、製造時間が短い発酵タンパク質に可能性を感じている。

現に、2020年に植物ベース食品に集まった投資額31億ドルのうち、約6億ドルは微生物発酵技術に集中した。

この2年、発酵タンパク質企業が増えている 出典:GFI

現在、世界には51社の発酵タンパク質企業がいるが、半数以上の28社は過去2年に誕生している。

微生物発酵は、微生物そのものを成長させて食用タンパク質にするバイオマス発酵と、微生物に必要なタンパク質を作らせる精密発酵に大きく分類される。

Meatiは前者に相当し、競合には同じくアメリカ発のAtlast Foodsがいる。

「ブロック肉に革命を起こす」

出典:Meati Foods

Meatiは今回調達した資金で、8万平方フィート(約7432㎡)の生産工場の建設を完了し、2022年に最初の商品を市場へ投入する。

この工場が稼働を開始すると1日に4500頭の牛に相当する量の代替肉を生産できるようになり、同社が目指す、動物肉との同等価格の実現につながる。

プレスリリースでは

「この資本により、世界で初めて代替ブロック肉の大量生産が可能となり、これによりMeatiは、今後数年以内にブロック肉領域に革命を起こすことができます」

とコメントしている。

調達した資金でチームの拡充も可能となり、投資家・アドバイザーが追加された。

この中には、アパレル企業パタゴニアの元CEOであるローズ・マーカリオ氏、元ホールフーズCEOのWalter Robb氏、サラダ専門のレストランチェーンであるSweetgreenの共同創業者Nicolas Jammet氏Jonathan Neman氏などが含まれる。

出典:Meati Foods

Meatiは、野外生物学に従事していたTyler Huggins氏と材料工学が専門のJustin Whiteley氏がコロラド大学で出会い、2019年に立ち上げた。

「私たちのチームは、これまでにない方法で製品を成長させる能力を構築し、最適化するために熱心に取り組んできました。

Meatiは予想していたよりも速い軌道に乗ることができています。すべての人にMeatiをお届けするという目標に急速に近づいていることを嬉しく思います」

(共同創業者・CTOのJustin Whiteley氏)

 

参考記事

Expect Fungi-Based Steak On Your Plate By 2022: Meati Raises $50 Million

Meati Foods Secures $50M Series B to Advance the Future of Protein with Clean, Mycelium-Based Meats

Meati Raises $50M Series B for Mycelium-Based Meat Alternatives

 

おすすめ記事

アイキャッチ画像の出典:Meati Foods

 

関連記事

  1. Sophie’s BioNutrientsが微細藻類を活用したチ…
  2. Onego Bio、米ウィスコンシンに精密発酵卵白の工場建設を計…
  3. 「麹菌で日本発のマイコプロテインブランドをつくる」|筑波大学・萩…
  4. Ÿnsectのミールワームタンパク質、アメリカでペットフード製品…
  5. 南アフリカの培養肉企業Mzansi Meatが来月、アフリカ発の…
  6. Novameatが約7億円を調達、独自3Dプリント技術による代替…
  7. 培養肉企業アレフ・ファームズ、培養コラーゲン事業への参入を発表
  8. インポッシブルフーズが今秋に植物チキンナゲット発売へ

おすすめ記事

麹ラボが都内でマイコプロテイン試食会を初開催|代替肉にもソースにも──麹菌体が秘める応用力|試食レポート

麹ラボによる麹菌体を用いたマイコプロテイン試食会が6月22日、都内の玄米自然食レ…

The Food Robotics Summit2021に登場したフードロボット・次世代自販機9社

2021年5月19日、海外フードテックメディアThe Spoon主催のArtic…

農家に植物の「内なる声」を伝えるInnerPlantが約6.2億円を調達、植物のSOSを事前にキャッチ

自らSOSを発する「センサー植物」を開発するInnerPlantがプレシード、シ…

モサミートが培養肉の工業生産に向けて生産施設を拡大

オランダの培養肉企業モサミート(Mosa Meat)は先月、生産施設を7,340…

ソーラーフーズ、シンガポールでソレインの販売認可を取得

二酸化炭素と微生物を活用して代替タンパク質ソレインを開発するソーラーフーズ(So…

植物性代替卵のUMAMI UNITED JAPANが3.1億円を調達|量産化に向け製造拠点を計画

「UMAMI EGG FLAVOR」 Foovo(佐藤)撮影(2025年4月)植物性代替卵を開発…

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

▼聞き流しフードテックニュース▼

 

 

 

Foovoセミナー開催のお知らせ

最新記事

【FoovoBridge】日本のフードテックニュースを海外へ発信する英語サイト

▼メルマガ登録はこちらから▼

フードテックの海外ニュースを週1回まとめてお届けしております。

 

▶メールマガジン登録はこちらから

Foovo Deepのご案内

Foovoの記事作成方針に関しまして

Foovoセミナー(年3回開催)↓

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

2025年・培養魚企業レポート販売開始

フードテックを理解するのに役立つ書籍

夢の細胞農業 培養肉を創る

夢の細胞農業 培養肉を創る

羽生雄毅
Amazonの情報を掲載しています
培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

竹内 昌治, 日比野 愛子
発売日: 2022/12/06
Amazonの情報を掲載しています
フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

田中宏隆, 岡田亜希子, 瀬川明秀
発売日: 2020/07/23
Amazonの情報を掲載しています
マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

アンドレ・アンドニアン, 川西剛史, 山田唯人
発売日: 2020/08/22
Amazonの情報を掲載しています
クリーンミート 培養肉が世界を変える

クリーンミート 培養肉が世界を変える

ポール・シャピロ
発売日: 2020/01/09
Amazonの情報を掲載しています
PAGE TOP