精密発酵で代替パーム油を開発するオランダ企業NoPalm Ingredientsは、酵母由来の代替脂肪を使用した植物性ヨーグルトの生成を発表した。
このヨーグルトは、スウェーデンの大手植物油脂メーカーAAKのプラントベース・イノベーションセンターで昨年10月に開催されたMISTAのグロースハックで、ダノン、ジボダン、イングレディオンと共同で開発されたもの。野菜の副産物と酵母由来の油脂で生成した脂肪を使用した同社初のプロトタイプとなる。
食品廃棄物とパーム油問題を同時に解決するソリューション
2021年に設立されたNoPalm Ingredientsは企業やメーカーに向けて、地元で生産された循環型の持続可能な脂肪の提供を目指している。NoPalm Ingredientsが重視するのは、パーム油に代わる代替品の開発と食品廃棄物の削減だ。
生産プロセスではまず、ジャガイモの皮や廃棄野菜のバイオマスを粉砕し、特定の酵母で発酵させる。発酵後、バイオマスから脂肪を分離したものが代替パーム油となる。こうしてできる脂肪は、食品、化粧品、ホームケア製品に使用でき、残留バイオマスはバリューチェーンに戻され、他のパートナー企業により活用されるという。
パーム油は我々が購入する製品の半分近くに使用されていると言われるほど、広範囲で使用されている植物油脂だが、生産には森林破壊を伴う。NoPalm Ingredientsによると、同社の代替パーム油は従来のパーム油と同様に用途が広いという。
同社は、自社のソリューションで食品廃棄物とパーム油の問題を同時に解決できると考えている。
廃棄野菜を活用した植物性ヨーグルト
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アイキャッチ画像の出典:NoPalm Ingredients