レストランテック

ロボットハンバーガー店のCreatorがリニューアル、「パーソナライズ化」を導入

 

2018年にサンフランシスコにオープンし、話題となったロボットレストランCreatorが、リニューアルして戻ってきた。

Creatorは、ハンバーガーの調理工程をすべて自動化した世界初のレストランで知られる。新型コロナウイルスの影響により営業を停止していたが、新しい店舗がこのほど、カリフォルニア、デーリー・シティにオープンした。

当初のロボットは、1個あたりの調理時間は5分で、販売価格は1個あたり6ドルだった。最初から最後までの調理工程をロボットが担当する世界初のロボットレストランで話題となった。

出典:Creator

今回加えられた変更として特に注目すべきことは、パーソナライズ化が導入されたこと。

顧客はアプリを介して、25種類のソースや味付けのオプションから調整できるようになり、Creatorのロボットを自分で「コントロール」できるようになった。

顧客はハンバーガーの設定・好みをアプリに保存し、シェアできる。これはつまり、有名シェフのレシピを完全に再現できることも意味する。

「私がそこにいることなく、自分が作ったハンバーガーを正確に再現できる技術に非常に感銘を受けています」(有名シェフのTu David Phu氏)

また、注文時に、ハンバーガーを受け取るまでの待ち時間を正確に通知することが可能となった。調理時間は短縮され、初期よりも短い4分以内でハンバーガーを用意できるようになった。

出典:Creator

といっても、ロボットキオスクのように人間を完全に排除したものではなく、スタッフが注文を担当するなど、人との関わりは残している。

Creatorは、スタッフを繰り返しの作業から解放し、おもてなしなどより創造的な作業に注力できるようにというコンセプトで2012年にサンフランシスコに設立された。

同社は2019年に1870万ドルを調達している。Creatorのように最初から最後まで調理を自動化するレストランの登場は、高品質の食品をより低価格で提供できる可能性を示している。

出典:Creator

CreatorのCEOであるPehr Luedtke氏は、フランチャイズ、チェーン店経営、さらにはレストラン向けに「burgers-as-a-service」などさまざまな形式での製品展開を視野に入れていると語る。

デーリー・シティ1店舗目に続き、店舗が増えていけば、空港やスポーツジムなどへ導入される可能性も考えられる。

Creatorのようなハンバーガーのパーソナライズ化に似た取り組みには、イスラエル企業Savor Eatがある。同社は3Dプリンターを活用し、店舗で顧客がアプリを介して、自分好みのパテを注文できるサービスを開発している。

顧客はアプリで、バーガーの焼き加減、脂肪・タンパク質の量などカスタマイズが可能で、注文を完了すると、店舗に設置された3Dプリンターがデータを受信し、調理(=3Dプリント)をスタートする。

Creatorの新しいレストランはこちら▼

514 Westlake Center, Daly City, CA 94015

 

参考記事

Creator reboots burger-making robot in Daly City — and gives customers the remote control

Creator Re-Opens With a New Burger Making-Robot Customers Can Control

 

おすすめ記事

アイキャッチ画像の出典:Creator

 

関連記事

  1. タピオカティーロボットで未開拓市場を狙うBobacinoが約2.…
  2. スーパー・薬局が自宅までやってくる!Robomartの移動型スー…
  3. ピザ組み立てロボットを開発するPicnicが約17億円を調達
  4. コンタクトレスなデリバリーロッカーMinnowがSKS2020で…
  5. Simbe Roboticsが在庫管理ロボットTally3.0を…
  6. 韓国LOUNGE’LABがロボットアイスクリームショ…
  7. 材料毎に投入タイミングを制御するスマート調理ロボットOliver…
  8. Picnicがピザ組み立てロボットの予約注文受付をスタート

おすすめ記事

フィンランドの研究チームが精密発酵による代替卵白の開発に成功

フィンランドの研究チームは精密発酵技術により、動物を使うことなく卵白タンパク質の…

高級培養肉Orbillion Bioが日本初登壇|Food-Tech Webinar Fall 2021参加レポート

株式会社アドライト社が代替タンパク質の可能性にフォーカスしたセミナー「Food-…

細胞培養により牛乳を開発するBrown Foodsが約3.2億円を調達

哺乳類細胞の培養により牛乳を開発するBrown Foodsは今月、シードラウンド…

米ビール大手のモルソン・クアーズが植物性ミルク市場へ進出

アメリカ大手のビール会社であるモルソン・クアーズ(Molson Coors)は、…

廃水を活用して菌糸体タンパク質を開発するHyfé Foods、スケールアップを前倒しで完了

代替タンパク質などの必需品を持続可能な方法で生産するアメリカの気候テック企業Hy…

イート・ジャストの代替卵JUST Eggが欧州の安全性承認を取得

米イート・ジャストの代替卵JUST Egg(ジャスト・エッグ)の主要成分が、欧州…

次回Foovoセミナーのご案内

精密発酵レポート好評販売中

培養魚企業レポート好評販売中

Foovo Deepのご案内

▼聞き流しフードテックニュース▼

▼運営者・佐藤あゆみ▼

▼メルマガ登録はこちらから▼

フードテックの海外ニュースを週1回まとめてお届けしております。

 

ご登録いただいた方には、国内外の培養肉開発に取り組む企業101社をまとめたレポート(全23ページ)を無料でお配りしております(2022年3月更新版)。

 

最新のフードテックニュースを逃したくない方におすすめです。

 

 

▶メールマガジン登録はこちらから

最新記事

フードテックを理解するのに役立つ書籍

培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

竹内 昌治, 日比野 愛子
572円(03/28 17:27時点)
発売日: 2022/12/06
Amazonの情報を掲載しています
フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

田中宏隆, 岡田亜希子, 瀬川明秀
1,782円(03/28 21:10時点)
発売日: 2020/07/23
Amazonの情報を掲載しています
マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

アンドレ・アンドニアン, 川西剛史, 山田唯人
1,980円(03/28 14:42時点)
発売日: 2020/08/22
Amazonの情報を掲載しています
クリーンミート 培養肉が世界を変える

クリーンミート 培養肉が世界を変える

ポール・シャピロ
1,782円(03/29 07:37時点)
発売日: 2020/01/09
Amazonの情報を掲載しています
培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

石井金子
498円(03/28 17:17時点)
発売日: 2022/02/20
Amazonの情報を掲載しています
PAGE TOP