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イート・ジャストがカタールへの培養肉工場の建設でQatar Free Zones Authorityと提携

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シンガポールに続き、次に培養肉の販売を承認する国がカタールとなる可能性がでてきた。

アメリカ、サンフランシスコを拠点とするイート・ジャストが、中東・北アフリカに培養肉生産施設を建設することで、Doha Venture Capital(ドーハベンチャーキャピタル)Qatar Free Zones Authority(QFZA)提携したことを発表した。

新しい生産施設はカタールのウムアムフリーゾーン(Umm Alhoul Free Zone)に建設される。ウムアムフリーゾーンはドーハ市内中心部から20分に位置し、カタール最大のハマド港に隣接する。

この生産施設にはまずイート・ジャストの培養肉部門GOOD Meatが入るが、代替卵部門のJUST Eggの施設も追加される予定。さらに研究開発、エンジニアリング、事業展開の役割も果たす。

出典:イート・ジャスト

Bloombergの報道によると、この施設の完成には2年を要し、同社がシンガポールに建設中の工場より規模の大きいものとなる予定。

プレスリリースによると、Qatar Free Zones Authorityとカタール保健省は、GOOD Meatの培養鶏肉の販売を「すぐに」承認する意向を示している。また、培養肉に対する輸出許可を正式に承認している。

これはつまり、シンガポールに次いで、カタールが世界で2番目に培養肉の販売を承認する国となる可能性があることを意味する。

GOOD Meat部門のチームは現在、中東で培養肉を販売するのに理想的なパートナーとなるレストランを選定している。

共同創業者のジョシュ・テトリック氏は、培養肉への寛容度、食料安全保障に対する革新的で長期的なソリューションを見つけたいという熱意の面からカタールを選んだとしている。この工場は、イート・ジャストにとって中東と北アフリカの足場となり、ヨーロッパ進出の基礎となる可能性がある。

出典:イート・ジャスト

畜産による動物肉の生産は大量の土地と水を要する。生産過程で家畜のゲップ、排泄物から排出される温室効果ガスが多いことから、よりサステイナブルな培養肉の開発が世界中で進んでいる。

GOOD Meat公式サイトによると、耕作可能な土地の60%以上が畜産に使用されているが、畜産で得られるカロリーは全体の18%にすぎない。

GOOD Meatの培養肉は、動物から(痛みを与えずに)採取した細胞に栄養を与えて、成長させる。「不死化」された細胞を使うため、動物から何度も細胞を採取する必要はなく、「無限に」培養肉を生産できる。

細胞から肉となるまでは4~6週間。1頭の家畜を飼育し、食肉とするのに数年かかるのに比べ、生産にかかる時間は劇的に短く、生産過程で排出される二酸化炭素は畜産より92%少なく、必要となる土地も95%少ない。

サステイナブルな未来の食とされる培養肉開発に取り組む企業は多い。その中でもイート・ジャストは、2020年12月にシンガポールのレストランで培養肉料理を世界で初めて販売するという快挙を成し遂げた。

出典:イート・ジャスト

数年前までは、培養肉の開発で使用するウシ胎児血清(FBS)が倫理的、コスト面から課題とされていた。現在ではアニマルフリーな血清の使用へと多くの企業がシフトしており、イート・ジャストもその1社となる。同社は現在、FBSを使用しない鶏肉を生産しており、シンガポール当局の審査待ちとなっている。

資金調達額だけでなく、技術的なイノベーション・市場投入に向けた側面からも、この1年で培養肉を取り巻く現状は大きく変化している。

イスラエルのFuture Meatは生産コストを110gあたり4ドルまでに削減することに成功した。同社は1日に培養肉を500kg生産できる工場を開設しており、大手ネスレとも協業している

FBSに代わるアニマルフリーな血清を開発するMultus Mediaは、従来の血清より2倍長く使える商品を開発しており、年内の市販化を目指している。

三菱商事とも提携するイスラエルのアレフ・ファームズは、2022年に最初の商品をリリースする予定。アブダビに生産施設建設を検討するなど、同社も中東を視野にいれている。

 

参考記事

Eat Just & Qatar Free Zones Authority Partner on Middle East Sustainable Food Hub

Eat Just Partners with Qatar Free Zones to Bring Cultured Meat Facility to the MENA Region

Eat Just to Build Cultured-Meat Plant in Qatar Amid Global Push

 

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アイキャッチ画像の出典:イート・ジャスト

 

 

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