パーソナライズ化された食品購入ソフトを提供する米イニット(Innit)がGoogleクラウドとの提携を発表した。
2社の提携は、「食料品小売業者が、オンライン、店内、自宅にまたがる食事の旅全体にわたって、パーソナライズ化されたサービスを提供することを可能」とするもので、小売業者が食料品購入をパーソナライズ化できるよう支援する。
イニットは、従来の買い物・レシピ・調理に「パーソナライズ化」を付与し、一連の流れをデータを通じてシームレスにつなぐサービスを提供している。イニットのように、これまでであればバラバラだった料理にまつわる作業を、データを通じて連携する概念をキッチンOSという。
イニットのユーザーは、アプリをダウンロードし、好みやアレルギー、自宅で使用する家電、ベジタリアンなどの情報を入力する。イニットのアプリは入力された情報をもとにレシピをユーザーに提案。
ユーザーがレシピを選ぶと、そのレシピに必要な食材が表示され、必要であればアプリ内で購入して取り寄せることができる。レシピには動画がついており、動画が次に何をするべきかを教えてくれる。
イニットは家電メーカーとの提携も進めており、これまでにLGエレクトロニクス、フィリップス、ボッシュ、シャープ、GEアプライアンスなどと提携している。たとえば、シャープのイニット対応オーブンLove2Cookは、レシピに応じて理想的な温度、調理モード、オーブン時間を自動的に設定する。
イニットがGoogleと提携するのはこれが初めてではない。今回の提携は、食料品の購入体験をデジタル化するためのコラボの拡大となる。
Googleクラウドはイニットの食品と買い物客のデータを活用して、食料品店がレシピや食事の好みに応じて作成されたショッピングリストなど、よりパーソナライズ化された体験を提供できるようサポートする。
「カートに入れる度に食事制限、好みのブランドか、サステイナブルかどうかを考える消費者にとっては、食料品の買い物は面倒なものになり得ます。
次世代の食料品は、各消費者が使用する店舗をパーソナライズ化し、消費者が自信をもって簡単に、商品や買い物可能なレシピを購入できるようにします。
カスタマーエクスペリエンスから無駄をなくし、小売業者やブランド(メーカー)がデジタルシェルフを収益化する巨大な機会が開かれるでしょう」
(イニット共同創業者・CEOのケビン・ブラウン氏)
これまでにもイニットは小売との連携を広げてきた。イニットは、ユーザーの好みに応じてレシピを提案するShopwellを買収し、2020年10月にはフランスの小売大手カルフールと提携した。
提携により、カルフールで販売される4万を超える製品について、パーソナライズ化された栄養情報を買い物客に提供できるようになった。
一方、Googleクラウドは先月、次世代スマート家電の構築でGEアプライアンスとの提携を発表しており、クラウド大手もキッチンのデジタル化への取り組みを拡大している。
参考記事
Innit Teams Up With Google Cloud To Power Personalized Shopping
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アイキャッチ画像の出典:イニット